7月3日の東京株式市場で、住友化学株式会社(4005)の株価が大幅反発しました。株価は一時前日比41円90銭(+8.02%)高の563円70銭まで上昇し、終値も前日比32円20銭(+6.17%)高の554円となりました。
今回の株価上昇の背景には、韓国サムスン電機との次世代半導体分野での大型提携発表に加え、証券会社による投資判断引き上げが重なったことが考えられます。これまで構造改革の進展が注目されてきましたが、AI時代を見据えた成長事業への投資が改めて市場から高く評価された格好です。
▼住友化学 株価推移(2026年6月30日~7月3日)

住友化学 株価推移(2026年6月30日~7月3日)
住友化学の株価急騰の要因について、以下にて深堀していきましょう!!
サムスン電機と「ガラスコア基板」で合弁会社設立へ
市場で最も注目されたのが、7月2日に発表された韓国サムスン電機との合弁会社設立です。
両社は、AI半導体向けの次世代パッケージ基板として期待される「ガラスコア基板」の量産を目的に新会社を設立します。
出資比率は、
・サムスン電機:66%
・東友ファインケム(住友化学100%子会社):34%
となり、2026年中の設立を予定しています。
資本金は約500億円(4,821億ウォン)と大型案件であり、2027年度下期から量産を開始し、その後も需要拡大に合わせて段階的に生産能力を増強する計画です。
AIサーバー市場ではGPUの大型化・高性能化が急速に進んでおり、半導体パッケージにも従来以上の大型化・高密度化・低歪み性能が求められています。
こうしたニーズに応える次世代材料として、ガラスコア基板への期待が世界的に高まっています。
ガラスコア基板とは? AI時代の次世代半導体を支える重要技術
現在主流となっている半導体パッケージ基板は樹脂製ですが、AI半導体ではサイズが大きくなることで基板の反りや熱膨張が課題となっています。
これを解決すると期待されているのがガラスコア基板です。
ガラスは加工難易度が高い一方で、熱膨張率が低い、高い寸法安定性、大型化への対応、高密度配線への適性、といった特徴を持ちます。
AI向けGPUやHBM(高帯域幅メモリー)など、最先端半導体では今後採用が拡大すると見られています。
今回の提携では、東友ファインケムが持つ薄膜ガラス加工技術や製造ノウハウと、サムスン電機が持つ世界トップクラスの基板設計・製造技術を融合させることで、競争力の高い量産体制の構築を目指します。
住友化学にとっても、フォトレジストや高純度薬液など前工程向け材料に加え、後工程分野へ事業領域を拡大する大きな転換点となる可能性があります。
収益寄与は2030年度以降との見方も、中長期の成長期待は大きい
もっとも、今回の提携が直ちに業績へ大きく寄与するわけではありません。
野村証券では、「現時点で住友化学全社の利益を大きく押し上げるものではない」と分析しています。
一方で、「2030年度以降には本格的な業績寄与の可能性がある」と評価しており、今後のAI半導体市場の拡大次第では住友化学の新たな成長エンジンになる可能性があるとの見方を示しています。
市場も短期業績より、中長期の成長ストーリーを織り込み始めたとみられます。
みずほ証券が「買い」に格上げ、目標株価720円へ
株価を押し上げたもう一つの要因が証券会社による評価引き上げでしょう。
みずほ証券は住友化学の投資判断を「中立」から「買い」へ格上げし、目標株価も620円から720円へ引き上げました。
同証券では、半導体材料事業の拡大、新除草剤・新規除菌剤の販売拡大、構造改革の進展、住友ファーマ株売却による財務改善などを総合的に評価しています。
短期的な業績改善だけではなく、中長期で企業価値が高まる可能性を織り込む局面に入ったとの見方です。
AI・構造改革で再評価が進む住友化学
住友化学は近年、石油化学市況の悪化や業績低迷を受け、大規模な構造改革を進めてきました。
その一方で、AI半導体向け材料、先端パッケージ技術、新農薬、ライフサイエンス分野といった成長事業への投資を継続してきたことが、ここへ来て市場から再評価され始めています。
今回のサムスン電機との提携は、AI半導体という巨大市場への本格参入を象徴する案件であり、新除草剤のグローバル展開も将来の収益源として期待されています。
足元の業績だけを見るのではなく、「2030年以降の成長企業」としての姿を織り込み始めたことが、今回の株価急反発につながったといえるでしょう。
今後は、ガラスコア基板の量産進捗やAI半導体市場の拡大、構造改革の成果が、住友化学の企業価値を左右する重要なポイントとなりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Sumitomo Chemical Shares Surge on Samsung Partnership and AI Growth Outlook
TOKYO — Sumitomo Chemical shares jumped 6.2% on July 3 after the company announced a joint venture with Samsung Electro-Mechanics to develop and mass-produce next-generation glass core substrates for AI semiconductor packaging.
The new company, expected to be established in 2026, aims to begin mass production in the second half of fiscal 2027. Glass core substrates are viewed as a key technology for advanced AI chips due to their superior thermal stability and support for larger, high-density packages.
Adding to the positive outlook, Mizuho Securities upgraded Sumitomo Chemical to “Buy” and raised its target price to ¥720, citing growth in semiconductor materials, agricultural chemicals, and ongoing structural reforms.
While earnings contributions from the glass substrate business are expected to materialize over the longer term, investors are increasingly viewing Sumitomo Chemical as a beneficiary of the expanding AI semiconductor market.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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