ソフトバンクグループ(SBG、9984)が東京株式市場で歴史的な上昇局面を迎えています。米OpenAI(オープンAI)の新規株式公開(IPO)観測をきっかけに、同社が保有するAI関連資産への評価が急速に高まり、株価は連日で株式分割考慮ベースの上場来高値を更新しました。AIブームの本格化を背景に、投資家マネーが集中して流入しており、日本株市場における「AI本命銘柄」としての存在感を急速に強めています。
5月26日の東京株式市場でSBG株は一時、前日比930円高の8000円まで上昇しました。終値は7841円と前日比771円高(10.91%)となり、2日連続で上場来高値を更新しました。OpenAIのIPO観測が報じられた21日以降、株価は4営業日続伸し、上昇率は実に58%に達しています。
▼ソフトバンクG株価推移(2026年5月21日~26日)

ソフトバンクG株価推移(2026年5月21日~26日)
市場では「AI相場の中心が米国からアジアへ広がり始めている」との見方も浮上しており、その象徴的存在としてSBGが再評価されています。
以下にて詳しく見ていきましょう!!
OpenAI上場観測が投資家心理を刺激 「1兆ドル企業」期待も
今回の株高の最大の要因となっているのが、SBGの出資先であるOpenAIのIPO観測です。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、OpenAIがIPO申請の準備を進めており、最短で9月にも上場を目指していると報じました。
OpenAIは「ChatGPT」を武器に生成AI市場を牽引しており、直近の企業価値は8520億ドル(約135兆円)と評価されています。市場では将来的に1兆ドル企業へ成長するとの期待も根強くあります。
SBGはOpenAIへの大型出資を進めており、同社の企業価値上昇はSBGの保有資産価値を直接押し上げる構図となっています。投資家の間では、「OpenAI上場=SBGの含み益拡大」という連想が強まり、株価を一段と押し上げています。
SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは25日付リポートで、SBGの目標株価を従来の5200円から8500円へ大幅に引き上げました。OpenAIについては「企業価値想定1兆ドルに変更はない」とした一方で、「IPOを目指す過程で市場評価を意識した事業運営が進めば、SBG株に対するディスカウント縮小要因になりうる」と指摘しています。
市場では従来、SBGの保有資産価値に対して株価が割安に放置される「コングロマリット・ディスカウント」が意識されてきました。しかし、OpenAIのIPOが現実味を帯びることで、その評価ギャップ解消への期待が急速に高まっています。
アーム株急騰も追い風 AI半導体需要が拡大
SBG株高を支えているもう一つの柱が、傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス株の急騰です。
SBGはアーム株の約9割を保有しており、アーム株の上昇はSBGの純資産価値(NAV)を大きく押し上げる要因となっています。アーム株は22日まで5営業日続伸し、この間に約5割上昇しました。
背景には、米エヌビディアによるAI向け半導体需要拡大への強気見通しがあります。エヌビディア経営陣は20日の決算発表でCPU「Vera」の将来性に自信を示し、市場ではアームが開発する「AGI CPU」への需要拡大期待も高まっています。
ジェフリーズ証券のジャナルダン・メノン氏は、「アームのAI向けCPUには強い需要が予想される」と指摘しています。
AIインフラ投資が世界的に加速するなか、半導体は生成AI競争の中核を担う分野です。SBGはOpenAIとアームという“AIソフトとAI半導体”の両輪を保有していることから、「AIエコシステム全体への投資会社」として評価され始めています。
NAVは60兆円規模に 株価なお割安との見方
市場の一部推計では、SBGのNAV(純資産価値)は約60兆円に達したとされています。一方、26日時点の時価総額は約45兆円台にとどまっており、依然として資産価値を下回る水準です。
過去の上昇局面では、時価総額がNAVに接近した段階で利益確定売りが強まりやすい傾向がありました。しかし、現在はOpenAIのIPO期待やAI関連資産の成長期待が高まっていることから、「NAVそのものがさらに切り上がる可能性がある」との見方が増えています。
立花証券の鎌田重俊アナリストは、「OpenAI上場観測とアーム株高を背景に、SBG株が1万円を目指しても不思議ではない」との見方を示しています。
さらに、「これまで米国AI銘柄に集中していた投資資金が、アジアへの分散投資先としてSBGに向かっている」と指摘しており、グローバル資金の流入継続に期待感が高まっています。
トヨタ猛追、時価総額逆転も現実味
SBGの急騰により、日本株市場の勢力図にも変化が生じつつあります。
26日時点でSBGの時価総額は約45兆4200億円です。一方、首位のトヨタ自動車は約47兆5580億円で、その差は約2兆円にまで縮小しました。昨年末時点では約28兆円の差があったことを考えると、驚異的な追い上げとなっています。

もし逆転が実現すれば、ITバブル期の2000年3月以来となります。
背景には、AI関連銘柄への資金集中に加え、自動車業界を取り巻く環境悪化もあります。中東情勢の混乱による部品供給網への懸念などから、トヨタ株は年初来で約1割下落しています。一方でSBGはAIテーマの象徴銘柄として市場の人気を集めています。
「日本市場の主役が製造業からAI・テクノロジーへ移行し始めた」との声も聞かれ始めています。
最近、”キオクシアは「時価総額日本一」になるのか”との期待が高まっていますが、その前にソフトバンクGが日本一になる可能性も高まってきましたね。
AI投資加速で資金調達も活発化 個人向け劣後債を追加発行
SBGはAI投資拡大を背景に、資金調達も加速しています。
同社は6月、個人投資家向けに2600億円規模の劣後債を発行する計画を発表しました。4月にも4180億円の個人向け劣後債を発行しており、わずか2カ月で再び大型起債に踏み切ります。
今回の劣後債は最終償還年限35年、5年後に繰上償還可能という条件で、当初5年間の利率は年4.8〜5.6%を予定しています。
背景には、OpenAIへの巨額投資を含むAI関連資金需要の拡大があります。SBGはOpenAIへ総額600億ドル超(約9兆5000億円)を投資するとされ、AIインフラ構築への積極姿勢を鮮明にしています。
フジワラキャピタルの土屋剛俊社長は、「AI関連には莫大な資金が必要で、SBGの資金需要は極めて旺盛だ」と指摘しています。そのうえで、「株価急騰は個人投資家への訴求力を高める追い風だ」と分析しています。
実際、高水準の利回り提示により個人投資家の需要は強いとみられています。
一方で財務リスクへの警戒も
もっとも、SBGを巡っては楽観論一辺倒ではありません。
OpenAIを含むAI関連企業は依然として巨額投資フェーズにあり、収益化の持続性には不透明感も残っています。OpenAIは米アンソロピックなど競合との激しい開発競争にさらされており、市場期待通りの成長を実現できるかは未知数です。
また、SBG自身の財務負担も重くなっています。S&Pグローバル・レーティングは3月、OpenAIへの追加出資を受けて、SBGの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。
加えて、OpenAI株を担保とした証券担保ローンについて、貸し手側が融資額縮小を検討しているとの報道も出ており、市場では資金繰りリスクへの警戒感もくすぶっています。
SBGのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は日本企業の中でも高水準にあり、財務リスクを懸念する見方は根強くあります。
AI相場が続く限り、SBG株には強い追い風が吹く可能性が高い一方で、AI関連株特有のボラティリティの高さや、巨額投資に伴う財務リスクには引き続き注意が必要となりそうです。
市場ではいま、「SBGはAI時代の勝者となるのか」という問いに、投資家マネーが答えを出し始めています。
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なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
SoftBank Group Surges on OpenAI IPO Hopes, Closing Gap With Toyota
SoftBank Group (SBG, 9984) has emerged as one of Japan’s hottest AI-related stocks, with shares hitting fresh all-time highs after reports that OpenAI may file for an IPO as early as September.
SBG shares rose as much as 13% on May 26 before closing up 10.9% at ¥7,841. The stock has surged nearly 60% in just four trading sessions since speculation about OpenAI’s listing began circulating in the market.
Investors are increasingly betting that a potential OpenAI IPO could significantly boost the value of SoftBank’s AI portfolio. OpenAI was recently valued at around $852 billion, with some analysts expecting its valuation to eventually exceed $1 trillion.
The rally has also been supported by strong gains in Arm Holdings, the UK chip designer majority-owned by SoftBank. Arm shares have climbed sharply on growing optimism surrounding AI semiconductor demand, particularly after Nvidia delivered bullish comments on next-generation AI infrastructure.
Analysts say SoftBank is becoming a key proxy for the global AI boom, combining exposure to both AI software through OpenAI and AI hardware through Arm.
SMBC Nikko Securities recently raised its target price for SoftBank shares from ¥5,200 to ¥8,500, citing Arm’s strong performance and improving sentiment toward SoftBank’s asset valuation.
SoftBank’s net asset value (NAV) is now estimated by some market participants at around ¥60 trillion, well above its current market capitalization of roughly ¥45 trillion, suggesting further upside potential.
The sharp rally has also narrowed the gap with Toyota Motor, Japan’s largest company by market value. SoftBank is now within roughly ¥2 trillion of overtaking Toyota, a milestone not seen since the peak of the dot-com bubble in 2000.
Meanwhile, SoftBank continues to accelerate fundraising to support aggressive AI investments. The company plans to issue ¥260 billion in subordinated bonds aimed at retail investors in June, following another large bond offering in April.
Still, investors remain cautious about financial risks tied to SoftBank’s massive AI spending. Rating agencies have already expressed concerns over rising leverage following the company’s additional investments in OpenAI.
Despite those risks, market momentum around AI continues to drive strong investor demand for SoftBank shares.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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