資生堂は11月10日 大引け後(15:30)、2025年12月期の連結業績予想を大幅に下方修正し、営業損益は従来の135億円の黒字から420億円の赤字へ、純損益は60億円の黒字から520億円の赤字へ転落すると発表しました。赤字は2期連続で、会計基準変更を考慮しない場合、2001年3月期の450億円を上回り過去最大の赤字となる見通しです。
主因は、米州事業におけるのれん減損損失468億円の計上です。同社が2019年に約900億円で買収したスキンケアブランド「ドランク・エレファント」の業績が低迷し、競争激化や生産トラブルによる供給混乱が響きました。
決算発表が本日の大引け後でしたが、PTSで資生堂の株価は暴落。10%以上下落しております。いったいどのような決算だったのでしょうか?以下にて見ていきましょう!
構造改革の最終段階へ 国内外で人員削減進む
資生堂は構造改革の一環として、国内外で人員削減を進めています。2024年には日本国内で約1,500人、米国で約300人の削減を実施済みで、今回さらに本社および国内子会社を対象に約200人の早期退職募集を発表しました。募集期間は12月8日から26日、退職日は2025年3月31日を予定しています。
この施策により、特別加算金などを含めた構造改革費用30億円を2024年10〜12月期に計上します。藤原憲太郎社長は決算会見で「25年中に全てのアクションプランを完遂し、26年に250億円の効果を発現させる」と述べ、来期からはブランド投資に注力できる体制が整うとの見通しを示しました。
新中期経営計画:2030年にROE12%、コア営業利益率10%以上を目標
資生堂は新たな中期経営計画を発表し、2030年までにコア営業利益率10%以上、ROIC10%以上、ROE12%以上を目指すとしています。廣藤綾子CFOは「これまでの構造改革は資生堂の未来を創るために必要なプロセスだった」とコメントしました。
今後5年間でキャッシュフロー5,000〜6,000億円を創出し、そのうち約2,000億円を設備投資に、約1,300億円を配当に充てる方針です。年間配当は1株あたり40円を維持する計画で、株主還元姿勢は変わりません。
成長戦略:スキンケア・サンケア領域に集中投資
同社は今後、収益性の高いスキンケア・サンケア領域に重点投資し、2028年までに10以上の新技術をブランドに搭載した新製品を発売する計画です。藤原社長は「市場環境が不透明な中でも、新製品による市場創造を実現すれば勝ち抜けると自信を持っている」と強調しました。
海外では、米国「ドランク・エレファント」の立て直し、中国・トラベルリテールでのブランドシェア拡大、美容医療分野への参入、ECの内製化などを進めます。一方で、中国市場では国内ブランドとの競争激化や消費者価値観の変化により、厳しい環境が続く見通しです。
市場の見方:回復まで時間を要する可能性
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストによると、資生堂の売上高は2027年まで年平均2%に満たない伸びにとどまる可能性が高いと指摘されています。中国やアジア地域での需要回復が遅れており、市場シェア回復には時間がかかる見通しです。
投資家としての展望
資生堂は過去最大規模の減損を通じて、米州事業のリスクを一掃しようとしています。短期的には業績への打撃が避けられないものの、構造改革の完了と中期的な収益改善への期待が株価下支え要因となる可能性があります。ブランド再成長とグローバル体制の再構築が、今後の投資判断の焦点となりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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