大手コンビニエンスストア「セブンイレブン」を運営する「セブン＆アイ・ホールディングス（セブン＆アイHD）」が、MBOによる非公開化を検討していることが本日11月13日、明らかになりました。MBOとは「経営陣による買収」で、今回 創業家の伊藤家に加え伊藤忠商事などが出資して銀行融資と合わせて全株を買い取る。（創業家の伊藤家と伊藤忠商事等が３兆円程を出資し、セブン＆アイHDの主力取引銀行である三井住友銀行を筆頭に、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクが総額６兆円規模の融資をする方向）。総額 約9兆円と大規模なMBO構想で、実現すれば日本国内で最大規模となります。メガバンクから借り入れる6兆円分は、返済しないといけない資金ですが、金利もかなりの金額になると思われますから、セブン＆アイHDにとって重い負担となりそうです。
セブン＆アイHDは今年8月からカナダのコンビニエンスストア最大手「アリマンタシォン・クシュタール」から買収提案を受け、世間の注目を集めてきました。総額 約7兆円に上る買収提案です。これに対抗し、セブン＆アイは分離計画を進める等、策を練ってきましたが、ここへきてMBOとは思い切った決断でですよね。この背景には、アリマンタシォン・クシュタール社が買収に本腰を入れて取り組んでおり、場合によっては合意を得ないまま進めるリスクもあることがあげられでしょう。これに対抗するためにMBOの検討に入ったのでしょう。アリマンタシォン・クシュタール社は当初、7兆円で買収提案していましたが、その後、9兆円を提示しておりました。今回のセブン＆アイのMBOの金額もこれに合わせたものと思われます。
ご参考までに、【現状のセブン＆アイHD 大株主】（2024年8月末時点）
・伊藤興業 ：8.14％ 212,103,000株
・日本カストディ銀行(信託口) ：4.95% 129,037,000株
・ステート･ストリート･バンク＆トラスト：2.83% 73,831,000株
・日本生命保険 ：2.04% 53,017,000株
・SMBC日興証券 2.01% 52,352,000株
・三井物産 ：1.87% 48,667,000株
・ステート･ストリート･バンク･ウエスト･トリーティ：1.68% 43,692,000株
・JPモルガン･チェース･バンク： 1.35% 35,173,000株
・JPモルガン･チェース･バンク：1.32％ 34,393,000
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創業家 伊藤興業の現状の保有は、8.14%。（8月末時点）。
ここから全て買い取りへと模索が始まったのです。
現状、まだ”検討している”段階ですが、今後どこまで現実化していくのかをウォッチしていきたいと思います。
なお、本日の報道を受けて、セブン＆アイHDの株価は急騰！
今朝の取引量の増加が凄まじいですよね！
その後、11時43分から売買停止に。「公開買付に関する報道の真偽等の確認のため」という理由からだそうです。いつから取引再開されるのか、投資家たちの熱視線が注がれています。
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アリマンタシォン・クシュタール社が欲しがっているのは、北米のセブンイレブン店舗で、セブン＆アイHD本部が守りたがっているのは、日本のセブンイレブン店舗なのではないかと私は思います。落とし所として、北米の店舗のみをアリマンタシォン・クシュタール社に売却し、セブン＆アイHD本部は日本の店舗を軸に運営、という展開になれば丸く収まりそうなのですが、いかがですかね？
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余談ですが、今回のMBOに協力している伊藤忠商事について。現状でもファミリーマートを100%保有しているのですが、これに加えてセブンイレブンも傘下におさめていこうとしているとは… すごいコンビニ勢力になりますよねw
最近、株価が厳し目な大手商社の中でも、伊藤忠は好調ですし、その勢いを実感させていただきました。
ローソンを抱える三菱商事が、今後どのような出方をしてくるのかも気になるところです。
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