「無印良品」を展開する良品計画(7453)は10月10日大引け後(15:30)に、2025年8月期決算および新たな中期経営計画を発表しました。業績は増収増益で過去最高を更新し、2026年8月期も5%増益を見込むなど、3期連続で最高益更新の見通しです。加えて、株主還元も強化し、実質ベースで12%の増配を予定しています。
2025年8月期は29.6%増益、経常利益723億円と過去最高を更新
2025年8月期の連結決算は、営業収益が前年同期比18.6%増の7,846億円、経常利益が29.6%増の723億円、純利益が22.3%増の508億円となり、いずれも過去最高を更新しました。
国内外での新規出店や既存店の堅調な売り上げが増収に寄与。生産体制の内製化や原価率の改善、販管費率の低下も利益拡大に貢献しました。
セグメント別では、国内事業が営業収益4,701億円(20.9%増)、利益521億円(31.2%増)と大幅増益。東アジアでは中国や台湾が好調で、営業収益2,222億円(14.2%増)を記録しました。東南アジア・オセアニアも28%増収、欧米も構造改革効果で増益に転じています。
2026年8月期も増益見通し 配当は実質12%増
2026年8月期は営業収益8,600億円(9.6%増)、経常利益760億円(5.1%増)、純利益530億円(4.2%増)を見込み、3期連続の最高益更新を予想しています。
配当については、前期の年間配当を44円から50円へ増額(前々期比で+10円)し、今期は株式分割を考慮した実質ベースで12%の増配となる見通しです。株主還元姿勢の強化がうかがえます。
「1兆円企業」へ 海外展開で成長を加速
同社はあわせて、2028年8月期を最終年度とする新3カ年経営計画を発表。営業収益1兆800億円、営業利益1,080億円、営業利益率10%を目標に掲げました。生活雑貨分野で国内企業として初の「売上1兆円超え」を目指します。
成長の原動力は海外展開です。現在、国内683店舗に対し海外729店舗を展開しており、今後は年間70店舗ペースで新規出店を進め、2028年には世界全体で1,750店舗を目指します。特に欧州市場を再成長の軸とし、2026年秋にはパリ中心部リヴォリ通りに欧州最大規模の旗艦店(約2,000平方メートル)を開業予定です。
清水智社長は「パリ旗艦店の開店を機に、欧州を全社の成長エンジンに育てたい」と述べています。
東南アジアでも旗艦店攻勢、商品開発も地域主導型へ
東南アジアでも旗艦店展開を強化。タイ・バンコクでは988坪、ベトナム・ホーチミンでは905坪の大型店舗を年内に開業予定です。これによりブランド認知を高め、既存店の収益性向上を図ります。
また、現地店長がニーズを分析し販売計画を立案する地域主導型の商品開発体制を整備。特に食品分野では、地域特性を活かした商品構成を強化し、海外食品売上比率を4%から7%へ引き上げる方針です。
投資・効率化を両立 北米再挑戦にも期待
同社は今後も中国・ベトナムに加え、カンボジア、インド、インドネシアなど新たな生産拠点を整備し、原価率のさらなる改善を目指します。国内ではEC・アプリ投資や店舗オペレーションの効率化により、既存店の収益向上を図る考えです。
一方、北米市場では過去に子会社が破産法申請を行うなど課題を抱えていますが、欧州での再成長を足掛かりに、将来的な再挑戦が期待されます。
株価動向への示唆
業績の堅調さと中長期の成長戦略、さらに増配方針は投資家心理を支える要因となりそうです。特に欧州・東南アジアでの旗艦店展開は中長期的な収益拡大に寄与する見込みであり、株主還元と成長投資の両立が評価ポイントとなります。
10月10日 金曜日の大引け後に発表された好決算。3連休明けの10月14日には、良品計画の株価は大いに期待できそうですね。注目したいと思います。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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案の定、本日の良品計画の株価は高騰。株式市場全体は下落基調の中、急騰。日本株値上がり率ランキングで2位に。前日比+374円(+ 13.41%)
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