政治と株価

新NISA、売却した非課税枠が「その年のうち」に復活へ?――金融庁が2027年度税制改正で再要望、年間360万円の上限には注意

金融庁は令和9年度税制改正要望で、新NISAの商品を売却した際に空く非課税保有限度額を、翌年ではなく売却した年のうちに復活させるよう求めました。実現すれば、ライフプランや相場環境に応じた資産の入れ替えがしやすくなります。ただし、現時点では正式決定ではなく、過去にも同様の要望が見送られています。また、復活対象は総額1,800万円の非課税保有限度額であり、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を合わせた年間最大360万円の上限が売却のたびに復活するわけではありません。復活額も売却価格ではなく取得時の簿価が基準です。今後は年末の与党税制改正大綱への採否、法案の内容、施行時期、証券会社のシステム対応が焦点となります。
三菱グループ

なぜ三菱商事をはじめとした総合商社の株価が上昇しているのか?――バークシャーが「数十年保有」を表明、原油高・株主還元・バリュー株シフトも追い風

9月3日の東京株式市場では、三菱商事が一時4%超上昇し、伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事もそろって買われました。直接のきっかけは、バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベルCEOが、日本の5大商社株を今後何十年にもわたって保有すると表明したことです。各社の基礎的利益の成長や増配、自社株買いへの期待も示され、長期投資先としての評価が改めて高まりました。AI・半導体株から割安なバリュー株への資金移動、中東情勢を背景とする原油高、2027年3月期業績の上方修正期待、9月末の中間配当を狙った買いも追い風です。今後は資源価格、為替、株主還元策、非資源事業の成長が株価の持続性を左右します。
食品・飲料業界株

なぜ伊藤園の株価が急騰したのか?――営業利益22%増で市場予想を大幅超過、自販機改革と海外「お~いお茶」が収益を押し上げ

伊藤園の株価は2026年9月2日、一時12.98%高の3,402円まで急騰し、年初来高値を更新しました。2027年4月期第1四半期の営業利益が前年同期比22%増の102億円となり、60億円強とされた市場予想を大幅に上回ったことが主因です。不採算自販機の撤去や事業集約、減価償却費・販促費の抑制、価格改定の浸透が採算改善に寄与しました。米国・欧州で「お~いお茶」が伸び、海外事業の営業利益も31%増加しています。通期営業利益計画200億円に対する進捗率は約51%に達し、上方修正への期待が高まりました。ただし、飲料需要の季節性や値上げ後の国内販売数量、原材料価格の動向には注意が必要です。
M&A・TOB・アクティビスト

なぜツインバードの株価が上昇したのか?――バッファロー社長・牧寛之氏が6.98%を取得、TOB価格引き上げへの思惑が浮上

9月2日のツインバード株は一時13.88%高の763円まで上昇し、終値は4.78%高の702円となりました。最大の材料は、バッファロー社長の牧寛之氏が同社株を6.98%保有する大株主に浮上したことです。牧氏が株主総利回りの最大化や、公平な支配権プレミアムを伴う買収取引を支持する姿勢を示したため、追加取得や株主提案への期待が高まりました。ツインバードはジャパネットHDによる1株800円のTOB提案に反対しており、市場ではTOB価格の引き上げや対抗提案も思惑視されています。ただし、いずれも現時点では未確定で、今後は牧氏の保有動向、ジャパネットHDの対応、新中期経営計画の実行力が焦点となります。
M&A・TOB・アクティビスト

なぜツムラは養命酒を買収したのか? ――68億円で400年ブランドを取得、ヘルスケアの第2の柱へ

ツムラは2026年9月1日、薬用養命酒を主力とする養命酒製造の全株式を68億円で取得しました。狙いは、医療用漢方製剤に偏った事業構造を広げ、一般用医薬品、健康食品、セルフメディケーションを担うヘルスケア事業を新たな収益の柱に育てることです。約400年の歴史を持つブランド、薬酒の製造技術、顧客基盤、研究開発機能に、ツムラのドラッグストア・調剤薬局網やオンライン販売力を組み合わせます。買収前には不動産や有価証券などの非事業性資産を切り離し、相乗効果を見込める事業に対象を絞りました。今後は販売低迷からの回復、クロス販売、新商品開発、ヘルスケアカンパニーのROICが評価の焦点となります。
住友グループ

なぜ住友化学の株価が急騰したのか?――AIデータセンター向けInPエピウエハー量産開始、光電融合の成長期待で上昇率首位

2026年9月1日の住友化学株は前営業日比8.37%高の620.1円で取引を終え、東証プライム市場の上昇率1位となりました。主因は、AIデータセンターや高速通信に使われるInPエピウエハーの量産・販売開始です。電気信号と光信号を高効率で変換する光半導体の中核材料で、同社は2030年代半ばに売上高100億円規模を目指します。国内でも限られる量産技術と、GaN・GaAsで25年以上培った結晶成長技術が評価されました。同日発表した3Dプリンター向けLCP材料も、半導体、ヒューマノイド、eVTOLなどへの展開期待を高めています。今後は顧客採用、生産拡大、利益率、実際の業績貢献が焦点です。
自動車株

ホンダ・日産、次世代SDVの共同開発で正式合意を発表!――車載OS・ECUを共通化、2029年度以降の実用化へ

ホンダと日産自動車は2026年8月31日、次世代SDVの中核となる複数のECU、車載OS、ミドルウェア、車両制御ソフトウェアの主要部分を共通化する共同開発契約を締結しました。共同開発したE&Eアーキテクチャーは2029年度以降の新型車への適用を目指します。両社は開発人材や技術を持ち寄り、開発スピードの向上、投資負担の軽減、部品調達のスケールメリットを追求します。経営統合協議は破談となったものの、案件単位の協業が実行段階へ進んだ点は重要です。一方、費用負担や搭載車種、収益効果は未公表であり、短期業績への影響は限定的です。今後は量産化の進捗とコスト削減効果、テスラや中国勢に対抗できるソフトウェア競争力を確立できるかが焦点となります。
M&A・TOB・アクティビスト

電通総研、伊藤忠商事による1株2880円のTOBで非公開化へ――CTCとの連携でAI・金融DX・リテールメディアを強化

伊藤忠商事は、子会社の合同会社VICを通じ、電通総研に1株2880円でTOBを実施し、同社を非公開化する方針を発表しました。買付総額は約2151億円です。電通総研株61.78%を保有する電通グループはTOBに応募せず、非公開化後も親会社として残ります。伊藤忠側は少数株主が保有する最大38.22%を取得し、株式併合を経て2027年3月ごろの非公開化を目指します。狙いは、電通総研のAI・金融システム・業務コンサルティング力と、伊藤忠の顧客基盤や海外ネットワークを融合することです。CTCとのIT事業連携、電通グループとのリテールメディア強化にも期待が集まります。TOBは競争法上の承認を前提に、2026年11月上旬の開始を予定しています。
M&A・TOB・アクティビスト

壱番屋に売却・非公開化観測、ハウス食品グループが保有株の売却を検討か ――複数の投資ファンドが関心、親子上場解消と「ココイチ」再成長への期待

ハウス食品グループ本社が、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する連結子会社・壱番屋の売却を検討していると報じられました。両社はファイナンシャルアドバイザーを決定し、複数の投資ファンドが買収に関心を示しているとされ、TOBを通じた株式非公開化が選択肢となります。壱番屋は2026年2月期に増収を確保した一方、原材料費や物流費の上昇で純利益は19.2%減少しました。売却が実現すれば、壱番屋にはTOBプレミアムと非公開化による改革加速への期待が生じます。ハウス食品グループにも、親子上場解消や売却資金の成長投資・株主還元への活用が期待されます。ただし、現時点では売却や買収価格は正式決定しておらず、交渉中止や条件変更のリスクには注意が必要です。
株クラ

元「なこなこカップル」こーくんが28歳で“FIRE”達成を告白――資産約2億円、米国社債1億2000万円から年間720万円の利息収入

元「なこなこカップル」のこーくんが、YouTubeチャンネル「さすがに無理か。」で、約2億円の資産を形成し、FIREを達成したと明かしました。本人によると、約1億2000万円をゴールドマン・サックス、オラクル、フォードなどの米国社債等へ投資し、おおむね年6%で運用。税引き前で年間約720万円、月平均約60万円の利息収入を得ているといいます。YouTuberという不安定な職業への不安から、収入を使い切らずに蓄積したことが資産形成の原動力となりました。ただし、社債には発行体の信用リスクがあり、ドル建て資産には為替リスクも伴います。今回の事例は、高収入そのものよりも、収入を将来のキャッシュフローを生む資産へ転換する重要性を示しています。