【オリックス 決算発表】4~6月期純利益は2.6倍で過去最高!キオクシア株高が押し上げ、上期8400億円を予想

【オリックス 決算発表】4~6月期純利益は2.6倍で過去最高!キオクシア株高が押し上げ、上期8400億円を予想 株式劇場

オリックス<8591>が8月6日大引け後(15:30)に発表した「2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)の連結決算(米国会計基準)」は、株主に帰属する純利益が前年同期比2.6倍の2808億円となりました。資産運用、航空機リース、船舶、保険など幅広い事業で収益が伸びたことに加え、投資先の東芝が保有するキオクシアホールディングス株の株価上昇が利益を大きく押し上げました。4~6月期としては過去最高益です。

オリックス決算

営業利益は前年同期比12%増の1339億円となりました。一方、売上高営業利益率は前年同期の16.1%から15.3%へ低下しており、利益額の拡大と収益性の動きには差が見られます。

会社側は、これまで非開示としていた2026年4~9月期の純利益予想を8400億円としました。前年同期の約3.1倍に相当する水準です。もっとも、このうち5400億円はキオクシア株に関する売却・評価益であり、本業や通常の投資回収による「調整後利益」は3000億円を見込んでいます。

オリックス決算. キオクシア

業績の大幅な上振れを受け、未定としていた中間配当は1株107.27円とする方針です。前年同期の93.76円から13.51円増える見通しで、増配率は約14%となります。
オリックスの決算発表内容について、以下にて深堀りしていきましょう!!

キオクシア株高で1217億円、四半期利益を大きく押し上げ

今回の決算で最大の増益要因となったのが、東芝を通じて取り込むキオクシア株の売却・評価益です。

オリックスは、日本産業パートナーズが運営する投資ファンドを通じ、東芝に1000億円を出資しています。東芝は2026年7月15日時点でキオクシア株の15.1%を保有しており、オリックスは東芝の損益を3カ月遅れで持分法投資損益として取り込んでいます。

キオクシア株は3月末の1万9080円から6月末には8万9680円まで上昇しました。これを受け、オリックスはキオクシア株に関する売却・評価益として税引き前で約1798億円を認識しました。オリックスの第1四半期純利益に対する税引き後の押し上げ効果は1217億円です。

第1四半期の純利益2808億円のうち、キオクシア関連を除いた利益は1591億円となります。この水準でも前年同期の1073億円を約48%上回っており、過去最高益がキオクシア株高だけで生み出されたわけではありません。ただし、純利益全体の4割強をキオクシア関連が占めるため、今回の大幅増益を評価するうえでは、一時的・評価的な利益と基礎的な収益力を分けて見る必要があります。

ロベコの運用残高拡大、航空機・船舶も好調

基礎的な収益力の面では、欧州の資産運用事業と輸送機器関連事業が好調でした。
傘下のオランダの資産運用会社ロベコなどでは、運用資産残高の拡大を背景に資産運用手数料が増加しました。資産運用事業は、市場環境による変動を受ける一方、運用残高に応じた手数料を継続的に得られる点が特徴です。運用資産の積み上がりが続けば、オリックスのストック型収益を支える要素となります。

航空機関連では、持分法適用会社のアボロンが好調に推移しました。船舶事業も良好な用船市況を背景にリース収益を拡大しています。航空機や船舶は市況の影響を受けやすい事業ですが、今回の第1四半期では、資産運用事業とともに基礎利益の伸びをけん引しました。

欧米セグメントの利益は前年同期の106億円から630億円へ拡大しました。米国でプライベートエクイティ投資先の評価益を計上したことに加え、欧州でロベコなどの資産運用手数料が伸びたことが寄与しています。

一方、インフラセグメントの利益は前年同期の684億円から433億円へ減少しました。航空機や船舶の収益は拡大したものの、前年同期にはホテルやジークライトなどの大型売却益389億円を計上しており、その反動が出ました。当第1四半期の売却益は95億円にとどまっています。大型売却の反動を除けば、会社側は同セグメントの業績を堅調と評価しています。

保険は法人・富裕層向け高額契約が寄与

保険セグメントも増益となりました。セグメント利益は前年同期の241億円から280億円へ16%増加しています。

円建て終身保険を中心に、法人や富裕層向けの高額契約の獲得が進み、保険関係損益が改善しました。運用関係損益も好調でした。保険料収入の拡大を背景に運用資産も増えており、同セグメントの資産は前期末比610億円増の3兆2593億円となりました。

オリックスはリースや投資の印象が強い企業ですが、保険は比較的安定した金融収益を生み出す重要な事業です。資産運用や輸送機器とともに増益となったことで、第1四半期は複数の事業が利益を支える形になりました。

杉孝売却など、投資回収も順調に進展

国内では、建設用足場のレンタルを手がける杉孝グループホールディングスの売却益が大きく寄与しました。米国でもプライベートエクイティ投資先の売却や評価益を計上しています。

第1四半期のキャピタルゲインは1157億円となりました。会社側は2027年3月期通期で2500億円のキャピタルゲインを見込んでおり、第1四半期だけで計画の約46%を積み上げた計算です。

資産売却などによるキャッシュインは第1四半期に3000億円となりました。通期では1兆2000億円を見込んでいます。一方、新規投資などのキャッシュアウトは800億円で、通期計画は8000億円以上です。

オリックスは、保有資産や投資先を売却して資金を回収し、その資金を新たな成長案件へ振り向ける「キャピタルリサイクリング」を成長戦略の柱に据えています。第1四半期は売却が先行した格好ですが、今後は不動産、国内事業投資、航空機、大阪IRなどへの投資を進める方針です。

オリックス銀行売却益は7~9月期に計上へ

オリックスは8月3日、オリックス銀行の全株式を、大和証券グループ本社傘下の大和ネクスト銀行へ譲渡したと発表しました。今回の第1四半期決算にはまだ売却益は含まれておらず、2026年7~9月期に計上される見通しです。

銀行事業は非継続事業に分類されています。売却によってまとまった利益と資金回収が見込まれる一方、今後は銀行が生み出してきた収益が連結業績から外れるため、投資家は売却益だけでなく、売却後の利益構造にも目を向ける必要があります。

山田正啓専務執行役は決算会見で、今後の投資回収案件について、下期以降にも一定程度のパイプラインがあり、順調に進捗率を伸ばしていく想定だと説明しました。第2四半期にはオリックス銀行のほか、米国のプライベートエクイティ投資先であるNetwork Connexの売却も公表済み案件として控えています。

第1四半期の売却益が好調だっただけでなく、第2四半期以降にも案件が続く点は、通期のキャピタルゲイン計画に対する安心材料となりそうです。

セグメント利益は2.7倍、投資分野が計画超過

2027年3月期から採用した新たな4セグメント区分では、APAC、インフラ、欧米、保険のうち、インフラを除く3セグメントが前年同期比で増益となりました。

4セグメント合計の利益は前年同期の1553億円から4241億円へ、約2.7倍に拡大しました。通期計画7000億円に対する進捗率は61%です。ただし、この数字にはキオクシア関連の税引き前利益1798億円が含まれています。

収益を「金融」「事業」「投資」の3分類で見ると、金融分野の利益は452億円で、通期計画1700億円に対する進捗率は27%でした。保険の増益などが寄与しています。

事業分野の利益は554億円で、通期計画2400億円に対する進捗率は23%でした。ロベコなどの資産運用手数料や航空機、船舶の利益は伸びましたが、前年同期に計上した大型売却益の反動で前年同期比では減益となりました。

投資分野の利益は3235億円となり、通期計画2900億円を第1四半期の段階で上回りました。キオクシア関連の利益に加え、杉孝の売却や米国投資先の評価益が寄与しています。この計画超過は好材料ですが、市場価格に左右される評価益や投資回収益の比重が大きいため、そのまま年間の継続利益として見ることはできません。

上期純利益8400億円、うち5400億円は評価益

会社側は2026年4~9月期の純利益を8400億円と予想しています。前年同期比では約3.1倍となる大幅増益です。

内訳は、本業や通常の投資収益などによる調整後利益が3000億円、キオクシア株に関する売却・評価益が5400億円です。キオクシア関連が上期予想の約64%を占めることになります。

キオクシア株の評価には大きな変動リスクがあります。オリックスの試算では、キオクシアの株価が1万円変動すると、税引き後利益が約570億円増減します。6月末の株価は8万9680円でしたが、8月5日時点では5万4300円まで下落しています。

したがって、6月末時点の株価を基準とした第1四半期の大幅な評価益が、そのまま年度末まで維持されるとは限りません。東芝がキオクシア株の保有割合を減らした場合には、オリックス業績の株価感応度も縮小します。

投資家にとっては、キオクシア株の株価推移に加え、東芝による売却の時期と規模が今後の重要な確認事項になります。

上期予想が通期予想を上回る異例の構図

オリックスは上期純利益を8400億円とする一方、2027年3月期通期の純利益予想は前期比18%増の5300億円に据え置きました。上期予想が通期予想を3100億円上回る、通常とは異なる形です。
これは業績悪化をあらかじめ想定しているというより、キオクシア株に関する売却・評価益の年度末時点での着地を合理的に予測することが難しいためです。株価変動や東芝による株式売却によって、評価益の金額や会計上の取り扱いが変わる可能性があります。

会社側は通期予想について、キオクシア関連の影響を予想することが困難として、5月11日に公表した5300億円を変更しませんでした。そのため、表面的に上期予想と通期予想を比較して下期に大幅赤字が見込まれていると受け取るのは適切ではありません。

一方で、通期予想5300億円に対する第1四半期の進捗率は53%に達しています。キオクシア関連を除いた利益も増えていることや、オリックス銀行を含む追加の売却案件が控えていることを考えると、基礎利益とキャピタルゲインが計画通り推移するかが、今後の実質的な業績評価の焦点となります。

中間配当107.27円、通期187.36円の試算を維持

オリックスは配当方針も変更しました。東芝向け投資損益のうち、キオクシア株に関する売却・評価益を除いた「調整後利益」に39%を乗じ、配当額を算出する方針です。

上期純利益8400億円からキオクシア関連の5400億円を除いた調整後利益は3000億円となります。これに39%を乗じた金額を基に、中間配当を1株107.27円としました。前年同期の93.76円を上回ります。

通期配当については、調整後利益に対する配当性向39%で算出した金額と、前期実績の1株156.10円のいずれか高い方を採用します。通期純利益が会社予想の5300億円となった場合、年間配当は1株187.36円になるとの従来試算を維持しました。

巨額の評価益をそのまま配当原資に含めないことで、株価変動により配当額が大きく上下することを避ける設計です。一方、キオクシア関連を除く調整後利益が想定を上回れば、配当の上振れ余地につながります。

株主還元では、2500億円を上限とする自己株式取得も進めています。2026年7月末までに784億円を買い付け済みで、取得枠に対する進捗率は31%です。会社予想通りの純利益と年間配当を前提にすると、総還元性向は85.9%になる試算です。

投資家の焦点は「最高益の大きさ」から「利益の持続性」へ

今回の決算は、純利益が2.6倍となり、四半期として過去最高を更新した点で強い内容です。キオクシア株の上昇が利益を大きく押し上げたものの、それを除いた第1四半期利益も前年同期を上回りました。ロベコの資産運用手数料、アボロン、船舶、保険など、複数の事業で収益が伸びた点も評価材料です。

また、杉孝などの売却が進み、オリックス銀行をはじめとする追加の投資回収案件も控えています。自己株式取得と増配を組み合わせた積極的な株主還元も、株価を支える要因となりそうです。
一方、純利益の増加額の多くは、キオクシア株に関する評価益や投資先の売却・評価益によるものです。売上高営業利益率が15.3%へ低下したことも含め、見出し上の最高益だけで事業全体の収益性が一段と高まったと判断するのは早計です。

今後は、キオクシア株価と東芝による保有株売却、オリックス銀行の売却益、下期以降の投資回収案件、資産運用事業の運用残高、航空機・船舶市況、そして調整後利益の進捗が注目されます。

第1四半期決算は、オリックスの投資会社としての収益力と、事業ポートフォリオの広さを改めて示しました。次の焦点は、巨額の評価益を除いても利益成長を継続できるか、回収した資金を将来の収益につながる案件へ再投資できるかに移っていきそうです。

大引け後に発表されたオリックスの決算。PTSで株価は上昇しています。明朝の株価に注目したいと思います。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

ORIX First-Quarter Profit Hits Record High on Kioxia Gains

ORIX Corporation reported record first-quarter earnings on August 6, with net income attributable to shareholders rising 2.6-fold year on year to ¥280.8 billion for the April-June quarter of fiscal 2027.
The sharp increase was driven partly by a ¥121.7 billion after-tax gain related to the rise in Kioxia Holdings shares held by Toshiba, in which ORIX has invested through a Japan Industrial Partners fund. Excluding the Kioxia-related impact, quarterly net income was ¥159.1 billion, still well above ¥107.3 billion a year earlier.

Core Businesses Deliver Solid Growth
Underlying earnings were supported by higher asset-management fees at ORIX Europe, including Robeco, as assets under management increased. Aircraft leasing, shipping and insurance also performed well.
ORIX booked gains from the sale of construction-scaffolding rental company SGK Holdings and other private-equity investments. First-quarter capital gains totaled ¥115.7 billion, compared with the full-year target of ¥250 billion.

First-Half Forecast Raised to ¥840 Billion
ORIX forecast first-half net income of ¥840 billion, including ¥540 billion in Kioxia-related gains and ¥300 billion in adjusted profit. The company estimates that a ¥10,000 change in Kioxia’s share price would move its after-tax earnings by approximately ¥57 billion.
Despite the unusually high first-half forecast, ORIX maintained its full-year net income target of ¥530 billion, citing difficulty in predicting Kioxia’s year-end share price and potential share sales by Toshiba.
ORIX Bank’s sale to Daiwa Next Bank was completed in August, with the related gain expected to be recognized in the July-September quarter. Management also said it has a pipeline of additional asset exits for the second half.

Higher Dividend and Share Buybacks
ORIX plans to pay an interim dividend of ¥107.27 per share, up from ¥93.76 a year earlier. Its full-year dividend estimate remains ¥187.36 per share, based on adjusted earnings that exclude Kioxia-related gains.
The company has also completed ¥78.4 billion of its ¥250 billion share-buyback program as of the end of July.
For investors, the key question is whether ORIX can maintain growth in its core businesses after excluding volatile valuation and disposal gains. Future catalysts include the ORIX Bank sale, further investment exits and continued expansion in asset management, aircraft leasing and insurance.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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