沖電気工業<6703>に対する株式市場の視線が大きく変わり始めています。5月26日、同社が古河電工グループのライテラジャパン、慶應義塾大学と共同で、空孔コア光ファイバーを用いた次世代光回線の実証実験に成功したと発表したことで、同社株には買いが集中。市場では「AI時代の通信インフラ関連銘柄」としての期待が高まっており、防衛関連事業と合わせて成長テーマ性を兼ね備えた企業として再評価の動きが鮮明になっています。
今回の発表では、1.26~1.58マイクロメートルという広帯域波長多重信号の1芯双方向伝送に世界で初めて成功したことが明らかにされました。生成AIの普及によって世界的にデータ通信量が急増するなか、高速・大容量かつ低消費電力の通信網を実現する重要技術として、市場関係者の注目を集めています。
以下にて詳しく見ていきましょう!!
AI時代の“本命技術”として期待される空孔コア光ファイバー
今回の技術で中核となるのが、「空孔コア光ファイバー」です。従来の光ファイバーは石英ガラスをコアに用いていましたが、空孔コア光ファイバーは中心部が空気層になっている点が大きな特徴です。
通常、光はガラス中を通過する際、空気中より約30%速度が低下するとされます。また、光の強度や波長にも制約が生じるため、AI時代に求められる超高速・超大容量通信では限界が意識され始めていました。
これに対し、空孔コア光ファイバーでは光を空気中に近い状態で伝送できるため、低遅延化と大容量化の両立が可能になります。特に生成AIでは、大規模データセンター間で膨大なデータを高速処理する必要があり、通信遅延や電力消費が重大な課題となっています。
OKIが今回成功した実証では、1本の光ファイバーで広帯域多重信号通信を実現しただけでなく、通信状況に応じた最適な収容切替による消費電力最小化も確認されました。実用化された場合、通信トラフィック増大に対応しながら、電力消費を最大10分の1まで削減できる可能性があるとされています。
これは、NTT<9432>が推進する次世代通信基盤「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」や、100Gbps級通信を目指す「100G-PON」とも親和性が高く、日本の次世代通信インフラ構築において重要な役割を担う技術として期待されています。
“通信機メーカー”から“AI・防衛成長株”へ
市場でOKIへの評価が変化している背景には、単なる通信技術だけではない複数の成長テーマへの関与があります。
従来、OKIは「電電ファミリー御三家」の一角として知られ、NTT向け通信機器メーカーのイメージが強い企業でした。しかし現在は、AI、半導体、防衛、宇宙、海洋、防災など、政府成長戦略に合致する事業領域を数多く抱える企業として位置づけが変わりつつあります。
特に市場で注目度が高まっているのが防衛分野です。
OKIは潜水艦向けパッシブソナーなど、防衛省向けシステムを手掛けており、海洋探知技術では一定の技術力を持っています。防衛装備庁の調達実績ベースでは、防衛関連売上比率は約15%とされ、三菱重工業や川崎重工業に次ぐ水準に位置しています。
日本株市場ではここ数年、防衛関連銘柄への資金流入が続いており、三菱重工、川崎重工を筆頭に株価が大幅上昇。その流れが中堅防衛関連株にも波及し始めており、OKIもその対象として認識され始めています。
実際、同社株は5月13日に3735円まで上昇し、2006年以来およそ20年ぶりの高値圏に到達しました。
中期経営計画では“攻めの投資”を本格化
OKIは現在、事業構造改革を進めながら成長分野への大型投資を本格化させています。
2022年に就任した森孝広社長の下、プリンター事業ではリコー・東芝テック連合への開発生産集約を進め、ATM事業でも日立製作所系との統合を決定。成熟事業の再編によって収益安定化を図る一方、成長領域へ経営資源を振り向ける体制を整えてきました。
5月に公表した中期経営計画では、2031年度に売上高6000億円超、営業利益420億円超を掲げています。これは2025年度見通しから大幅な成長を見込む野心的な内容です。
さらに6年間で2400億円の戦略投資を予定し、そのうち470億円を高成長分野へ投下する計画です。
中でも注目されるのが、光電融合やパワー半導体向け用途が期待される化合物半導体接合技術です。AIデータセンター向け需要拡大を背景に、今後の成長余地が大きいとみられています。
今回発表された空孔コア光ファイバー技術も、こうしたAI・次世代通信投資戦略の一環として位置づけられます。
“割安な成長株”との見方も
一方で、市場では依然としてOKIの株価指標には割安感が残るとの見方があります。
日本の防衛関連株はここ数年でPBR(株価純資産倍率)が大きく切り上がってきましたが、OKIのPBRはなお1倍台半ばにとどまっています。
証券会社によるカバレッジも依然少なく、市場での認知度は高いとは言えません。ただ、野村証券は新規に投資判断「買い」でカバレッジを開始しており、防衛関連メーカーの中での割安性や、事業再編による収益安定化を評価しています。
市場関係者の間では、「ATM・プリンター企業」という従来イメージから、「AIインフラ・防衛・次世代通信関連企業」へと投資家認識が転換するかが、今後の株価評価を左右するポイントになるとの見方が強まっています。
今回の世界初実証成功は、その転換を後押しする材料として受け止められており、OKI株への中長期的な関心は一段と高まりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
TOKYO — OKI Electric Industry Co. announced that it has successfully demonstrated what it claims to be the world’s first proof-of-concept for next-generation optical communication technology. The breakthrough is expected to significantly improve data transmission capacity and energy efficiency, supporting future demand from AI infrastructure and advanced defense systems.
The development has also renewed investor interest in OKI as a low-PBR Japanese stock with growing exposure to both defense and AI-related markets. Analysts note that the company could benefit from rising global investment in data centers, secure communications, and next-generation network infrastructure.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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