著名投資家の井村俊哉氏と竹入敬蔵氏が運用助言を行う公募投信「日本株Kaihouファンド」が、岐阜県大垣市に本店を置く地方銀行 大垣共立銀行(8361)に集中投資している可能性が高いことが分かりました。ファンドの月次レポートおよび7日に提出された大量保有報告書を照合した結果、ファンド全体の約23.5%を同銀行株が占めているとみられます。
ファンド全体の約23%を大垣共立銀に投資か
日本株Kaihouファンドは2024年1月に運用を開始した比較的新しい公募投信で、従来の分散投資型とは異なり「厳選集中投資」を掲げる点が特徴です。9月末時点での純資産総額は333億円、組み入れ銘柄は12銘柄と限定的です。銘柄名は非公表ながら、トップ銘柄の銀行株が組み入れ比率23.5%を占めることが開示されており、この銘柄が大垣共立銀行である可能性が高いとされています。
fundnoteが5.39%保有 「企業価値向上へ対話」方針も明示
運用実務を担う新興運用会社fundnote(東京都港区)は、7日付で関東財務局に提出した大量保有報告書において、大垣共立銀行株を225万3800株(発行済み株式の5.39%)保有していると報告しました。
保有目的については「Kaihouの投資助言に基づき、信託財産の運用のため」としたうえで、「IR・資本効率・ガバナンスの高度化を促す対話を通じて企業価値向上を目指す」と明記しています。さらに、「受益者の利益保全のため、将来的に重要提案行為を行う可能性がある」との文言も記載されており、経営への一定の発言権行使を視野に入れていることがうかがえます。
株価は急伸、約8年7カ月ぶり高値圏に
この報道を受けて、大垣共立銀行の株価は大きく上昇しました。株式市場では「fundnoteによる5%超保有」というニュースを材料視する買いが入り、同社株は2017年3月以来、約8年7カ月ぶりの高値圏に浮上しています。
▼大垣共立銀行 株価推移(2025年10月1日〜10日)

大垣共立銀行 株価推移(2025年10月1日〜10日)
なお、10月10日は、公明党の連立離脱など政局不安定な動きもあり、株価は調整しております。
背景に「地域銀行再編」と「アクティビスト投資」トレンド
現在、金融業界では地方銀行を中心とした再編・統合の動きが注目されています。こうした中、外部の機関投資家やアクティビストによるガバナンス改善の提案や対話型投資が増加傾向にあり、fundnoteの動きもその一環とみられます。
市場関係者の間では「5.39%という保有比率や『重要提案行為』の文言からみて、単なる資産運用を超えたエンゲージメント型投資の意図がある」との見方が広がっています。
一方で、同社のファンドは運用報酬が年率約2%と高めに設定されており、長期運用で投資家にどの程度のリターンをもたらすかが今後の焦点となります。
今後の見通し
大垣共立銀行は地銀の中でも健全な財務体質を持ち、地域密着型の事業展開を続けています。fundnoteおよびKaihouファンドによる株主としての関与が、経営効率化や資本政策の見直しにどう影響するか、今後の動向に注目が集まります。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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