【NTT 決算発表】今期は増収増益・16期連続増配へ!AI・データセンター成長鮮明も来期は最終減益見通し

【NTT 決算発表】今期は増収増益・16期連続増配へ!AI・データセンター成長鮮明も来期は最終減益見通し NTT

日本最王手の通信キャリア、NTT株式会社(エヌ・ティ・ティ/9432)は5月8日、2026年3月期決算を発表しました。営業収益は14兆4,091億円(前期比5.1%増)と過去最高を更新し、営業利益は1兆7,062億円(同3.4%増)、最終利益は1兆370億円(同3.7%増)となりました。一方で、2027年3月期は売上成長を維持するものの、最終利益は9,800億円(前期比5.5%減)を見込んでいます。

同時に、年間配当予想を前期比0.1円増5.4円とし、16期連続増配を予定。また、上限2,000億円・14億株の自己株取得枠も発表し、株主還元姿勢を継続する方針を示しました。

今回の決算は、「通信会社NTT」から「AI・データセンター・金融を軸とした次世代インフラ企業」への転換が鮮明になった一方、中期目標の後ろ倒しや既存通信事業の成長鈍化など、課題も浮き彫りとなる内容でした。決算発表された内容について、以下にて詳しく見ていきましょう!!

売上高は過去最高更新 グローバル事業が全体を牽引

2026年3月期の営業収益は14兆4,091億円となり、前期比で7,044億円増加しました。営業利益も増益を確保し、安定した通信インフラ収益に加え、グローバル・ソリューション事業の急拡大が全体業績を押し上げました。

セグメント別では、グローバル・ソリューション事業の営業利益が4,882億円と、前期比で1,643億円増加。増益率は50%を超えました。データセンター需要の拡大やAI関連案件、クラウド・セキュリティ分野の伸長が寄与しています。

特に注目されたのは、AI関連戦略です。NTTデータグループはOpenAIと連携し、「ChatGPT Enterprise」の日本初の販売代理店として展開を開始。また、Google Cloudとのパートナーシップを通じた業界特化型AIエージェントの開発も進めています。

加えて、NTT独自の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の進化版「tsuzumi 2」の提供を開始。軽量で高性能な日本語AIとして、企業向けAI需要の取り込みを狙います。

データセンター戦略が加速 “AIインフラ企業”への転換鮮明

今回の決算で市場が最も注目したのは、NTTのデータセンター戦略です。
NTTグループのデータセンター総受電容量は約2,000MWとなり、国内首位、世界でも上位規模に拡大。さらに2,700MW超の追加拡張計画を進めており、2030年度までに3,000MW体制を目指しています。

AIの普及に伴い、生成AIを支えるGPUサーバーや大規模計算基盤への需要は世界的に急増しています。NTTは通信インフラ企業としての強みを活かし、データセンター・海底ケーブル・光通信技術を一体化した「AI時代のインフラ企業」への変貌を進めています。

2025年にはシンガポール・マレーシア・インドを結ぶ海底ケーブル「MIST」の運用も開始。さらに日本―東南アジア間を結ぶ大型海底ケーブル「I-AM Cable」の建設計画も打ち出しました。

また、IOWN構想を軸とした次世代光通信技術にも注力しています。光電融合デバイス「PEC-2」や、将来的な「IOWN3.0」実現に向けた研究開発を進めており、AI時代の低消費電力・高速通信基盤の構築を狙っています。

一方で既存通信は苦戦 総合ICT利益は減少

一方で、従来型通信事業の厳しさも鮮明になりました。
総合ICT事業の営業利益は9,421億円となり、前期比7.7%減少しました。携帯通信市場の競争激化に加え、通信品質改善や5G基地局整備などの先行投資負担が重荷となりました。

NTTドコモは「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」など新料金プラン投入を進め、顧客基盤の維持・拡大を図っていますが、通信料金競争の長期化が収益性を圧迫している状況です。

地域通信事業では、固定電話などレガシー事業の縮小も継続しています。NTT東西はメタル回線による「加入電話」サービスを段階的に光・モバイル回線へ移行する方針を示しており、従来型通信ビジネスの縮小は今後も続く見通しです。

市場では、「AI・データセンターが伸びる一方、既存通信が重い」という二極化構造がより明確になったとの見方が広がっています。

中計見直しで市場に警戒感 EBITDA4兆円目標は2030年度へ後ろ倒し

今回の決算で最大の論点となったのが、中期財務目標の見直しです。
NTTは従来、2027年度に連結EBITDA4兆円を目指していました。しかし今回、その達成時期を2030年度へ後ろ倒ししました。背景には、既存通信分野の想定以上の競争激化と、AI・データセンター投資の拡大があります。

新たな2030年度目標としては、
・連結EBITDA 4兆円
・ROIC 5.5%
・有利子負債/EBITDA倍率 3.5倍程度
を掲げました。

NTTは今後もAI・データセンター・金融・グローバル領域へ大型投資を継続する方針であり、短期的には利益成長よりも成長投資を優先する姿勢が鮮明です。

実際、2026年度末の有利子負債は15兆7,116億円と前期末から5兆円超増加しました。NTTデータグループ完全子会社化や住信SBIネット銀行の連結子会社化など、大型投資の影響が表れています。

住信SBIネット銀行を子会社化 金融事業拡大へ

NTTは通信に続く収益柱として金融事業の強化も進めています。
2025年には住信SBIネット銀行を連結子会社化。取得総額は4,200億円に上りました。
ドコモ経済圏と金融サービスを統合することで、「d払い」「dカード」「d NEOBANK」などを軸とした金融プラットフォーム構築を進めます。
市場では、「通信+金融+AI」の複合経済圏形成が、今後のNTT成長戦略の重要テーマになるとの見方が強まっています。

来期は増収維持も最終減益予想 投資先行局面へ

2027年3月期の会社計画は、営業収益15兆600億円(前期比4.5%増)、営業利益1兆7,100億円(同0.2%増)と増収基調を維持する見通しです。

しかし、最終利益は9,800億円と5.5%減益を予想しています。AI・データセンター関連投資、金融事業強化、グローバル拡張などの先行負担が重くなるためです。
4Q(1〜3月期)単体でも最終利益は前年同期比25.7%減の1,109億円となり、収益性悪化への警戒感も出ています。

市場では、「安定高配当株」という従来のNTT像から、「AIインフラ成長株」への再評価が進む可能性がある一方、投資回収までの時間軸をどう評価するかが今後の株価の焦点になるとの声が出ています。

投資家の注目点は“AI投資の回収力”

今回のNTT決算は、足元では増収増益・増配・自社株買いと株主還元を維持した安定決算でした。
しかし、その内実は大きく変化しています。
従来の通信収益依存から脱却し、AI、データセンター、グローバルIT、金融を成長ドライバーへ転換する構造改革が本格化しています。

今後の投資家視点としては、
・既存通信利益の安定維持
・AI・データセンター需要の取り込み
・大型投資の収益化タイミング
・有利子負債拡大への対応
・2030年度EBITDA4兆円の実現可能性
・増配と自社株買いの継続性
などが重要テーマとなりそうです。

NTTは今回の決算で、「守りの通信株」から「AI時代のインフラ企業」へ転換する姿勢を明確に示したといえそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

NTT Posts Solid Earnings Growth, but Cuts Medium-Term Ambitions as AI Shift Accelerates

NTT Corp. (9432.T) reported higher revenue and profit for fiscal 2025, supported by strong growth in AI, data centers, and global IT services, while also announcing a dividend increase and a new share buyback program.

Revenue rose 5.1% year-on-year to ¥14.4 trillion, reaching a record high, while net profit increased 3.7% to ¥1.04 trillion. The company plans to raise its annual dividend to ¥5.4 per share and authorized a share repurchase program of up to ¥200 billion.

However, NTT forecast a 5.5% decline in net profit for fiscal 2026 to ¥980 billion, despite expecting continued revenue growth. The outlook reflects rising investment costs tied to AI infrastructure, data centers, and global expansion.
The company’s Global Solutions segment — including NTT DATA and data center operations — was the key growth driver, with operating profit surging more than 50% year-on-year. NTT is rapidly expanding its AI-related business through partnerships with OpenAI and Google Cloud, while also scaling its proprietary Japanese-language LLM “tsuzumi.”

At the same time, traditional telecom operations remained under pressure from intense competition and slowing growth in legacy communications services.
Investors also focused on NTT’s revised medium-term targets. The company pushed back its goal of achieving ¥4 trillion in EBITDA from fiscal 2027 to fiscal 2030, citing a tougher-than-expected environment in its core telecom business.

NTT has been accelerating its transformation from a domestic telecom operator into a global AI and digital infrastructure company. The group continues to invest heavily in data centers, subsea cables, optical networking, and financial services, including the acquisition of SBI Sumishin Net Bank.

While the latest results highlighted stable cash generation and shareholder returns, markets are increasingly focused on whether NTT can successfully monetize its aggressive AI and infrastructure investments over the long term.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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