ＮＴＴ（9432）は4日、2025年4〜9月期の連結決算（国際会計基準）を発表しました。この企業も、三菱商事に続いて私のメイン保有銘柄の一つでもあり、注目しておりました。
発表された内容は、純利益は前年同期比7.4％増の5,956億円となり、堅調な成長を維持しました。営業収益は3％増の6兆7,727億円で、上期としては過去最高を更新しました。営業利益も3％増の9,450億円と、安定した収益基盤を示しています。
純利益は市場予想平均（QUICKコンセンサス：6,248億円）をやや下回ったものの、データセンターの不動産投資信託（REIT）化による増収効果やグループ各社の法人ビジネス拡大が寄与しました。携帯電話販売促進などによるコスト増を十分に吸収した格好です。以下に詳しく見ていきましょう。
通期見通しは据え置き、成長基盤の強化を継続
2026年3月期通期の業績見通しは据え置かれ、営業収益は前期比4％増の14兆1,900億円、純利益は同4％増の1兆400億円を見込んでいます。上期の進捗率は57.3％と、過去5年平均の56.3％とほぼ同水準です。
会社側の試算によると、下期（10〜3月）の純利益は前年同期比0.2％減の4,443億円とほぼ横ばいが見込まれています。
島田明社長は決算会見で、「下期もＮＴＴドコモにおいて顧客基盤の強化やモバイルネットワーク品質向上に向けた取り組みを加速し、将来の成長基盤拡大を図っていきたい」と語りました。また、グループの中核を担うＮＴＴドコモには「市場シェア拡大に向け、コストをかけてでも販売体制の強化を図る正念場」と強調しました。
WOWOWとコンテンツ事業で提携、エンタメ領域を強化
同日、ＮＴＴドコモはＷＯＷＯＷ（4839）と業務提携契約を締結しました。音楽、ドラマ、アニメなどエンターテインメント分野での共同調達・制作・配信を進め、映像配信サービスの強化を目指します。この取り組みを通じて、加入者拡大や顧客エンゲージメントの向上を狙います。
新政権への期待と経済安全保障への言及
島田社長は、高市早苗新首相に対しても言及し、「先進的なテクノロジーへの理解が高く、民間と政府が一体となって半導体や研究開発を進めるリーダーシップを期待している」とコメントしました。サイバー攻撃の多発を背景に、経済安全保障に対する関心が高い高市政権への「期待は大きい」と述べました。
投資家視点での注目ポイント
営業収益・営業利益ともに過去最高を更新し、事業基盤の堅調さを示す内容でした。一方で、純利益が市場予想を下回った点は投資家にとってややネガティブ材料となる可能性があります。ドコモを中心とした成長戦略の実行や、コンテンツ事業強化による新たな収益機会が注目されます。また、政府との連携強化を背景に、通信インフラ・データセンター・安全保障分野での中長期的な成長も期待されます。
ＮＴＴは国内外の事業環境が変化する中でも安定した収益を確保し、成長投資を継続しています。短期的な利益変動よりも、通信・データ・コンテンツを融合した次世代インフラ戦略の進展が、今後の株価動向を左右するカギとなりそうです。
これほどの好決算だったにも関わらず、なぜか株価が下落しているのが気になりますが… 市場の期待はもっと大きいということですかね？
▼NTT株価推移（2025年10月31日～11月4日）
NTT株価推移（2025年10月31日～11月4日）
本日の終値：155.4円（前日比 -3円。-1.90%）
“160円の壁”がまた遠のきつつあります（汗。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。
STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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