10月17日、NTTの株価が、市場全体の軟調地合いを尻目に上昇しました。一時158.6円の高値をつけ、終値は158円(前日比+2円、+1.47%)。株主の私としても「160円突破」を再び意識し始めました。
※160円の壁については、8月25日の記事も参照:(NTT、再び“160円の壁”に跳ね返され150円台 — 1年超つづく上値圧力を検証)
▼NTT株価推移(2025年10月14日〜17日)

NTT株価推移(2025年10月14日〜17日)
今週のNTT株価は好調で右肩上がりでしたね!
米地銀不安の影響でディフェンシブ銘柄に資金が流入した可能性もあるのでしょうか。ずっと下落基調だったKDDIの株価も上昇しておりました。
NTT株について以下にて詳しく見ていきましょう。
長期にわたる「160円の壁」
NTT株はここ1年以上、160円近辺で上値を抑えられる展開が続いています。
今年に入ってからも、5月30日には終値160円を付けた後に反落、8月8日も同水準で伸び悩むなど、いずれも「160円到達→売り圧力」というパターンが繰り返されてきました。
市場関係者の間では「160円は強固なレジスタンスライン」との見方が根強く、出来高が膨らむ局面では戻り売りが優勢になりやすい状況です。
チャート上でも中期線がフラット化しており、下値は固いものの、明確な上昇トリガーがない限り、160円を明確に突破・定着させるのは容易ではないと考えられます。
▼NTT株価推移(2025年1月〜10月17日)

NTT株価推移(2025年1月〜10月17日)
ブレイクの鍵は「質」と「量」
今後、160円を超えて上昇トレンドを築くには、以下のような要素が求められます。
利益率の底打ちが明確になること(コスト抑制やPMIの進展)
・政策・規制リスクの後退(通信市場の競争環境安定)
・高出来高を伴う上抜け(投資家の本格参入のサイン)
この“質”と“量”の裏付けがそろわない限り、心理的・需給的な節目である160円を明確に超えるのは難しいと見られています。
ファンダメンタルズの現状:成長投資が利益率を圧迫
NTTが8月に公表した2025年度第1四半期決算は、「増収・減益」となりました。
営業収益は3兆2,620億円(+0.7%)と微増でしたが、営業利益は4,052億円(▲7.0%)、当期利益は2,597億円(▲5.3%)。
費用増や成長投資による一時的な利益率低下が見られますが、長期的にはIOWN構想などの先行投資が将来的な収益拡大につながるとの期待も残ります。
したがって、短期的な減益をネガティブ要因と捉えすぎるのは早計でしょう。
「IOWN構想」への期待が再燃
NTT株を下支えする材料として、政府主導の通信インフラ実証も注目されています。
総務省はシンガポールで2026年にも、NTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用した大規模実証事業を開始する予定です。
これはデータセンター間を国境を越えて結ぶ高速通信網の性能検証を目的とするもので、日本の通信技術輸出にとって大きな一歩となる可能性があります。
こうした報道は中長期的な成長シナリオを支えるポジティブ要因です。
今後の注目ポイント:出来高と需給動向
一方で、現状のNTT株は信用買い残が多く、一定水準まで上昇すると利確売りが出やすい構造です。
そのため、160円を前に再び反落する可能性も否定できません。
逆に、160円を高出来高で突破し、終値ベースで定着できれば、次の上値目標として170円台が意識される展開も見えてくるのではないでしょうか。
突破か、再び跳ね返されるか
現状のNTT株は、150〜160円のレンジ内での攻防が続く状況です。
160円は心理的・需給的な「厚い天井」として機能しており、これを打ち破るには、決算や政策メッセージなどによる「質の違う買い」を呼び込めるかが鍵となるでしょう。
次の一手を見極める局面に差しかかったNTT株。
株主としては、「出来高を伴う160円超え」が見られるかどうかを、当面の注目ポイントとして追っていきたいところです。
私は日々、日本企業株の売買高ランキングをウォッチしているのですが、NTTは常に上位にランクインしています。私のように新NISAで買っている方も多いのでしょうね。多くの方々の期待を背負っているNTT。ここからの躍進に期待したいところです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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