日新、上場廃止へ!ベインキャピタルとMBOで非公開化完了

日新、上場廃止へ!ベインキャピタルとMBOで非公開化完了 M&A・TOB・アクティビスト

物流大手の日新株式会社は10月14日、同社株式が翌15日付で東京証券取引所プライム市場から上場廃止となることを発表しました。米国の大手投資ファンド、ベインキャピタルと組んだMBO(経営陣による買収)により、非公開化の手続きが完了しました。

MBO成立までの経緯

日新は2025年5月、ベインキャピタルが設立した買収目的会社「BCJ-98」によるTOB(株式公開買付け)を受け入れる方針を決定しました。買付価格は1株あたり8,100円で、7月に買付が成立。続いて株式併合などの手続きを経て少数株主の持分が整理され、完全子会社化が実現しました。これにより、同社は70年にわたる上場企業としての歴史に幕を下ろすことになります。

非公開化の背景と狙い

今回のMBOは、パンデミック禍後の市況変化や2024年問題など、物流業界を取り巻く経営環境の急激な変化に対応するために実施されました。
上場企業としての制約のもとでは、短期的な株価評価に左右されるリスクが高く、長期的な構造改革や設備投資、M&Aの実行が難しいとの判断から、同社は非公開化を選択しました。

ベインキャピタルの持つ企業再生ノウハウやグローバルネットワークを活用することで、日新は経営基盤の強化と持続的成長を目指します。特に、海外展開やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、M&A戦略の実行に注力する方針です。

公正性の確保と株主への配慮

経営陣が関与するMBOであることから、日新は取引の公正性を担保するために独立した特別委員会を設置しました。同委員会は独自のアドバイザーを起用し、ベインキャピタルとの交渉過程やTOB価格の妥当性を検証。最終的にTOB価格は当初提示額の6,800円から8,100円へと引き上げられ、株主への公平な配慮が図られました。

また、第3位株主である日新商事に対しても、税務上の配慮を含む公正な条件で株式取得を行うなど、全株主に対して公正性を確保した形での非公開化となりました。

今後の展望

上場廃止後も、筒井雅洋代表取締役は引き続き経営に関与し、日新の事業運営にあたります。創業家の一部も買収目的会社の親会社に再出資する計画で、創業以来の企業文化や強みを維持しながら、外部資本との協業で新たな成長を目指します。

日新は今後、ベインキャピタルの支援を受けながら「サプライチェーン・ロジスティクス・プロバイダー」としての地位を確立し、グローバル規模での事業拡大と企業価値向上を図る方針です。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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