村田製作所、株価急騰!AIサーバー需要が追い風、シティが「買い」へ格上げ

村田製作所、株価急騰!AIサーバー需要が追い風、シティが「買い」へ格上げ 半導体関連銘柄

MLCCの価格競争力に注目、2029年3月期まで営業増益シナリオも浮上

6月30日の東京株式市場で、電子部品大手の村田製作所(東証プライム・6981)の株価大幅反発しました。終値は前日比655円高(6.10%高)の11,395円となり、市場では改めてAI関連銘柄としての存在感を示しました。

▼村田製作所 株価推移(2026年6月25日〜30日)

村田製作所 株価推移(2026年6月25日〜30日)

村田製作所 株価推移(2026年6月25日〜30日)

今回の株価上昇のきっかけとなったのは、シティグループ証券による投資判断の引き上げです。同社は投資判断を「中立」から最上位の「買い」へ格上げするとともに、目標株価を従来の3,900円から15,000円へ大幅に引き上げました。

市場では、AIデータセンター向け需要の拡大によって、村田製作所が世界トップクラスの競争力を持つ積層セラミックコンデンサー(MLCC)の収益性が一段と高まるとの期待が急速に広がっています。ここ最近、下落モードだった同社の株価ですが、再び息を吹き返してきましたね。
以下にて詳しく見ていきましょう!!

AI時代の「心臓部」MLCCが爆発的な需要拡大へ

今回、証券会社が強気姿勢へ転じた最大の理由は、AIサーバー市場の急拡大です。
生成AIの普及に伴い、世界各地で巨大データセンターの建設が進んでいます。AIサーバーは従来型サーバーよりも圧倒的に多くの電子部品を必要とし、その中でもMLCCは欠かせない重要部品です。
一般的にAIサーバー1台には約1万5,000~2万5,000個ものMLCCが搭載されるとされ、GPUや高性能CPUへの電力供給を安定させる役割を担っています。
村田製作所は、このMLCC分野で世界トップクラスのシェアを持つ企業です。高性能・高耐久製品では高い技術力を誇り、AIサーバー向けの高付加価値品では競争優位性が極めて高いと評価されています。

シティグループ証券の担当アナリストは、「高付加価値MLCCは参入障壁が高く、価格引き上げを実施しやすい市場環境が続く可能性が高い」と指摘しており、今後も単価上昇による利益拡大が期待されています。

2027年3月期は営業利益34%増へ AI需要が本格的に業績を押し上げる

市場が特に注目しているのが、2027年3月期の会社計画です。
会社は売上収益を前期比7.1%増の1兆9,600億円、営業利益を34.8%増の3,800億円と見込んでいます。
営業利益の伸び率は売上成長を大きく上回る見通しであり、高採算のAIサーバー向けMLCC販売が利益率改善を牽引する構図となっています。
純利益も2,930億円と前期比25%超の増益を見込み、2026年3月期に更新した過去最高益をさらに更新する可能性があります。
特にデータセンター関連売上は前期比約84%増の3,250億円を計画しており、AI市場の成長がそのまま業績へ反映される構造になりつつあります。

村田製作所 東京支社/2026年6月、東京渋谷にて。撮影:SHUN (STOCK EXPRESS編集部)

村田製作所 東京支社/2026年6月、東京渋谷にて。撮影:SHUN (STOCK EXPRESS編集部)

AIデータセンター需要は供給能力の約2倍 設備投資も積極化

村田製作所は、現在の需要を一時的なブームとは見ていません。
同社はAIサーバー向けMLCC需要について、「供給能力のおよそ2倍の需要がある」と説明しています。
この需要増加に対応するため、2027年3月期の設備投資額は2,500億円へ引き上げられました。
さらに今後2年間で追加800億円を投資し、島根県など国内工場を中心にMLCC生産能力を10~15%増強する計画です。
設備投資をこれほど積極的に進める背景には、「AIデータセンター需要は数年間継続する」との強い確信があるとみられています。

26年3月期は利益横ばいも、四半期では改善が鮮明に

一方、直近の2026年3月期決算では、売上収益が過去最高を更新したものの、利益成長は限定的でした。
売上収益は前期比5.0%増の1兆8,309億円となった一方、営業利益は2,818億円と0.8%増にとどまりました。
背景にはスマートフォン向け部品価格の下落や固定費増加、高周波フィルター事業に関するのれん減損などがありました。
しかし、足元の四半期だけを見ると状況は大きく変化しています。
2026年1~3月期の最終利益は前年同期比約2.4倍となる765億円へ拡大し、営業利益率も11.1%から17.1%へ大きく改善しました。
AIサーバー向け製品の販売増加に加え、生産効率向上や高付加価値製品へのシフトが利益改善につながっており、市場では「利益成長フェーズ入り」との見方が強まっています。

株価は3カ月で約3.8倍 AI関連株として市場評価が一変

株価の上昇スピードも市場の大きな話題となっています。
2026年3月末には3,381円だった株価は、6月18日に12,850円まで上昇し、わずか約3カ月で約3.8倍という驚異的な値上がりを記録しました。
これまで2,000~4,000円台で推移していた株価は、AI関連銘柄として評価が一変し、国内外の投資マネーが流入しています。
中期経営方針「2027」では、AIによるデジタルツインや次世代ITインフラ市場を重点成長分野に位置付けており、この戦略も投資家から高く評価されています。

一方でPER約74倍 期待先行との見方も

急騰した一方で、株価のバリュエーションには慎重な見方もあります。
2026年6月時点ではPER(株価収益率)は約74倍、PBR(株価純資産倍率)は約8倍まで上昇しており、過去と比べても非常に高い評価水準となっています。
市場は2027年3月期以降の大幅増益を織り込んでいるため、今後もし利益成長が期待に届かなければ、高PERが株価調整要因となる可能性があります。
その意味では、今後発表される四半期決算において、データセンター関連売上、MLCC販売単価、営業利益率、BBレシオ(受注高÷売上高)といった指標が極めて重要になりそうです。

為替・地政学リスクにも注意

AI需要が追い風となる一方で、リスク要因も存在します。
会社計画の前提為替レートは1ドル=150円であり、円高が1円進むごとに営業利益は約45億円押し下げられると試算されています。
仮に10円の円高となれば、営業利益は約450億円減少する計算となり、利益計画への影響は小さくありません。
また、中東情勢の悪化によるホルムズ海峡封鎖や、サプライチェーンの混乱、物流コスト上昇なども会社がリスクとして挙げています。
現在の株価には高い成長期待が織り込まれているだけに、こうした外部要因が顕在化した場合には、株価変動が大きくなる可能性もあります。

今後の焦点は「AI需要が本物か」

今回の株価急騰は、単なる証券会社の格上げだけではありません。
背景には、AIデータセンター市場の急拡大と、それを支えるMLCC需要の急増という構造変化があります。
世界トップクラスの技術力を持つ村田製作所は、その恩恵を最も受ける企業の一つとして市場の期待を集めています。
一方で、株価はすでに将来の成長を大きく織り込んでおり、今後は期待どおりに利益成長が実現するかが最大の焦点となります。
7月31日に予定されている次回決算では、データセンター関連売上の伸び、営業利益率の改善、MLCC需要の持続性、そして受注動向が注目されます。
AIブームが一過性ではなく、持続的な業績拡大へと結び付くことを数字で示せるか――。村田製作所は今後も、日本のAI関連銘柄を代表する存在として投資家の視線を集め続けそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Murata Manufacturing Surges as AI Demand Drives Bullish Outlook

Murata Manufacturing’s shares jumped 6.1% on June 30 after Citigroup upgraded the stock to “Buy” from “Neutral” and raised its target price to ¥15,000, citing strong growth potential in AI-related electronic components.

The key driver is the booming demand for MLCCs (multilayer ceramic capacitors) used in AI servers. With a leading global position in high-end MLCCs, Murata is expected to benefit from both rising shipment volumes and stronger pricing power as AI data center investment accelerates.

For fiscal 2027, the company forecasts 7% revenue growth to ¥1.96 trillion and a 35% increase in operating profit to ¥380 billion, supported by expanding AI server demand. Murata is also increasing production capacity through significant capital investment, reflecting confidence that AI infrastructure spending will remain strong over the coming years.

While the stock has rallied sharply in recent months and now trades at a premium valuation, investors will closely watch upcoming earnings to confirm that AI-driven demand continues to support the company’s ambitious growth outlook.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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