3メガバンクの決算が昨日11月14日発表され、いずれも好業績であることが明らかになりました。
好業績の要因としては、日銀の利上げにより融資の利ザヤが改善したことが大きいと思われますが、さらに、為替(ドル円)が円安方向へと動いていることも追い風となっているようです。
三菱UFJ銀行等を傘下に持つ三菱グループの金融持株会社「三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)」の亀澤宏規社長は「円安は基本的にはポジティブ。だいたい1円の円安で、純利益が70億くらいのプラス効果がある」と明かしました。
三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の中島達社長によると「10円円安になると、450億円の業務純益が増える」とのこと。
一方、別の見方もあります。みずほフィナンシャルグループ(MHFG)の木原正裕社長は「円安が中小企業に与える影響はよく見ないといけないと思うんですね。クレジット管理という意味では、しっかりやらないといけない。」と語り、顧客への影響にも言及しました。
木原社長が懸念するように、製造業の企業が立てている想定為替レートが変わると、業績予想も大きく影響を受けます。原料を輸入に頼っている製造業にとっては、円安はコスト増加を意味します。大王製紙の若林頼房社長によると「1ドルを150円で想定しており、1円の円安で5億円の減収になる」とのこと。若林社長は「トランプさんが大統領になったら円高になるのではないか、と言う人がいて、大変喜んでおったのですが、逆目に出ていて残念でありす。」と語っています。
若林社長の語る通り、トランプ大統領といえば「ドル安円高」志向のイメージですが、ここのところ、円安が加速しており、私も驚いております。パウエル議長は「利下げを急がない方針」を語っておりますし、日米金利差が縮まらない状況下では、なかなか円高方向へと転じるのは難しそうです。鍵を握るのは、やはり日銀。日銀が利上げをどのタイミングで実施するのかによって為替も変わってきそうです。年内の利上げがあるのか、年明けの実施なのか、ウォッチしていきたいと思います。
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