三井物産株式会社(8031)は本日11月5日、2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の連結決算を発表し、親会社株主に帰属する中間利益が4,237億円(前年同期比2.9%増)となり、2期連続で過去最高水準を更新しました。エネルギー分野を中心とする事業好調が収益を押し上げる一方、資源価格の下落や一部事業の減損が利益を圧迫しました。堅調な発表を受け、株価は上昇。終値 3,933円。前日比+177円 (+4.71%)
▼三井物産 株価推移(2025年11月4日〜5日)

三井物産 株価推移(2025年11月4日〜5日)
三井物産の決算発表の内容はどのようなものであったのか、以下に見ていきましょう!
売上・利益動向
連結収益は6兆7,591億円(前年同期比7.8%減)と減収でしたが、税引前利益は5,466億円(同2.3%増)と増益を確保しました。エネルギー分野ではLNGプロジェクト関連の配当増加やガス価格上昇が寄与し、利益を大きく押し上げました。一方、金属資源分野では鉄鉱石・原料炭価格の下落が響きました。
セグメント別では、
・エネルギー部門:中間利益1,029億円(前年同期653億円、+57.6%)
・機械・インフラ部門:1,020億円(同1,482億円、−31.2%)
・化学品部門:435億円(同221億円、+96.8%)
が主なけん引役となりました。
特にエネルギー部門では、オマーンLNGやカタールLNGなどの配当増が大きく貢献しています。
財務基盤とキャッシュ・フロー
総資産は17兆3,937億円(前期末比+5,822億円)と増加しました。
親会社株主に帰属する持分比率も46.1%(前期末44.9%)へ上昇し、財務基盤の強化が進んでいます。
営業活動によるキャッシュ・フローは4,287億円(前年同期比−1,670億円)と減少しましたが、LNG関連や金属資源分野への成長投資を継続しています。フリーキャッシュ・フローは1,876億円と黒字を維持しました。
通期見通しと株主還元
同社は、2026年3月期通期の親会社株主に帰属する当期利益を8,200億円(前期比+6.5%)へ上方修正しました。
エネルギー、金属資源、機械・インフラ分野での堅調な配当収入・関連会社利益の増加を織り込んでいます。
年間配当金は1株あたり115円(前期比+15円)とし、累進配当方針を堅持します。中間配当55円に加え、期末配当60円を予定しています。
さらに、2,000億円規模の自己株式取得と全株消却を発表しており、株主還元強化への姿勢を鮮明にしています。
今後の展望
三井物産は、LNGや再生可能エネルギーなど「エネルギートランジション分野」を成長の柱と位置づけ、戦略的な投融資を継続する方針です。
また、Mainstream Renewable Power関連で一部減損を計上したものの、洋上風力・太陽光発電の開発再編を進め、持続的な成長に向けたポートフォリオ転換を加速させています。
市場では、三井物産の高水準のキャッシュ創出力と株主還元方針の一貫性が評価されており、総合商社の中でも安定性・収益性の両立が際立っています。今後は、資源価格の変動リスクや地政学的リスクに加え、脱炭素関連投資の成果が焦点となります。
昨日は三菱商事の決算発表につられてか三井物産の株価まで下落しておりましたが、本日の決算発表で一気にその懸念を払拭しましたね。株を保有する視点で見ると、新規購入のハードルが上がりつつありますが(汗、動向を見守りながらチャンスをうかがいたいと思います。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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