― ローソンの持分法適用化や資源事業の反動減が影響 ―
三菱商事株式会社(証券コード:8058)は、2025年11月4日に2026年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表しました。同社の中間期(2025年4月~9月)の収益は8兆6,378億円で、前年同期比7.7%減、親会社株主に帰属する中間利益は3,558億円(前年同期比42.4%減)となりました。私のメイン保有銘柄の一つでもあり、注目しておりましたが、なかなか厳しい数字ではありましたね。
この発表を受けて、株価は大きく下落し、終値3,568円で、前日比-144円(-3.88%)となりました。
▼三菱商事 株価推移(2025年10月30日~11月4日)

三菱商事 株価推移(2025年10月30日~11月4日)
今回の発表内容について、以下にて詳しく見ていきましょう。
減益の主因はローソンの持分法適用化と資源関連の一過性要因
売上総利益は7,065億円(前年同期比3,521億円減)と大幅に減少しました。主な要因は、2024年度に子会社であったローソンが持分法適用会社となったことによる影響です。また、前年に計上された豪州原料炭事業の売却益の反動や千代田化工建設関連の引当金戻入の反動もあり、営業利益段階でのマイナス要素が続きました。
その一方で、持分法投資損益は2,369億円(前年同期比+64億円)と堅調であり、特にエネルギーおよび電力ソリューション事業が貢献しました。
財務基盤は堅持、自己株式取得進展で資本構成を最適化
総資産は21兆5,002億円と前期末比ほぼ横ばいで推移しましたが、自己株式の取得により親会社株主帰属持分は減少しています。
資本比率は41.4%(前期末43.6%)とやや低下しましたが、依然として高水準の財務健全性を維持しています。
また、自己株式の期末残高は約6億9,449万株に達し、資本効率の向上を図る方針が明確に示されています。
キャッシュ・フローは前期比減少も健全推移
営業キャッシュ・フローは4,280億円(前年同期比▲5,235億円)と減少しましたが、営業収入や受取配当金による資金流入が継続しています。
投資キャッシュ・フローは▲1,988億円で、LNG関連事業やフィリピンのデジタル金融事業など、成長分野への新規投資が実施されました。
最終的に、現金及び現金同等物の残高は1兆3,438億円となり、前期末から1,928億円減少しています。
セグメント別ではエネルギー・電力ソリューション事業が堅調
セグメント別では、「地球環境エネルギー」部門の収益が1兆5,449億円、「電力ソリューション」部門が5,033億円と堅調に推移しました。一方、「マテリアルソリューション」「金属資源」分野では前年の特需反動により減益となりました。
これにより、各事業のバランスを取りながら収益基盤の多角化が進んでいます。
配当方針:累進配当継続、年間110円を予定
三菱商事は、持続的な利益成長に合わせて累進配当方針を継続するとし、中間配当を1株当たり55円、年間配当予想を110円としています。
業績予想(通期)については変更なく、親会社株主に帰属する当期利益を7,000億円(前年比26.4%減)としています。
株主として考える
同社は、「収益の多様化」と「資本効率の向上」を両立させる方針のもと、長期的な持続成長を目指しています。短期的な減益は、前年の特殊要因の反動によるものであり、LNGやデジタル金融などの新規投資を通じて中長期的な成長を確保する姿勢がうかがえます。
今回の中間決算では一時的な減益となり、株価が下落しているのは残念ではございますが、財務体質は堅調で、持続的な株主還元姿勢が評価できます。エネルギー・社会インフラを軸に、次世代事業への投資拡大が続くことから、中長期的な企業価値の向上を期待したいと思います。私は株主としては当面、ガチホしていく予定です。なお、三菱商事の決算発表につられて三井物産の株価も下落しており、ある程度下げれば保有の機会を狙っていこうかと思っております。昨日の記事(今週の決算スケジュール)でもお伝えしたように、三井物産の決算発表は明日11月5日。動向を注視してまいります。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699





コメント