本日、私も三菱商事の株主になれました。
一昨日の記事で予告させていただいたように、私は本日 三菱商事の株を買ったのです。旧財閥系である三菱グループ企業。私は以前から銀行(MUFG)とリース(三菱HCキャピタル)の株を保有していたのですが、三菱商事の株はまだ保有できていなかったので、ずっと買おうと思っていたのです。ただ、今年の1月に3分割されるまでは単元株単価が高かったですし、3分割後もどんどん株価が上昇して5月には単元株 37万円を超えていたので、なかなか手を出しにくかった… それが、5月をピークに右肩下がりに株価が下落し、最近では26万円台で買えるところまで降りてきてくれました。ようやく、私も手を出しやすい価格帯になった。そこで、満を持して本日買った次第。すっきりしましたw
ちなみに、購入価格は、単元株 267,000円。(まだ下げ途上である可能性も高いので、100株にとどめておいた次第。)
昨年末から本日までの「三菱商事株価チャート」を振り返ってみると、、
三菱商事株。最近では買いやすい価格帯となったことは喜ばしいことでもありますが、5月以降下落し続けている状態。本日購入した私にとって今日の株価が”底値”であればベストではありますが。株の名言”落ちてくるナイフはつかむな”で言うところの、まだ落ちている状態かもしれません。
そこで、三菱商事の株価が下落している要因と、どこまで下落が進むのか、について考えてみたいと思います。
決算の中身を見てみると…
三菱商事が11月1日に発表した決算(2024年4〜9月期の連結決算)は、数字だけ見ると好調なものでした。純利益は6181億円(前年同期比32.6%増。通期予想との比較で進捗率65%)。
ただ、中身を見てみると…
・オーストラリア原料炭事業の売却益(900億円)
・日本KFCホールディングスの売却益(205億円)
・グループ企業 ローソンが子会社から持ち分法適用会社に変わったことに伴う株式の再評価益(1225億円)
…と、一過性利益が利益の占める割合が大きいことがわかります。
まあ、三菱商事としては、積極的な事業売却で確保したキャッシュを今後注力する事業に再投資する構想でしょうけれども、どんな事業に投資するかがわからないと”効果的なのかどうか”は、現時点では不透明です。
また、ローソン持分法適用会社化に伴う再評価益に関してはノンキャッシュの利益計上です。
こうした一過性利益を除いた純利益の金額を過去の同時期(4〜9月期)と比較してみると、、2022年、2023年よりも低く、右肩下がりに下落していることがわかります。
なので、今月発表となった決算を単純に”好決算”として喜べる状況ではないと言えるでしょう。こうした点も、株価を下落させる要因となっているのかもしれません。
自社株買いの完了
また、三菱商事が進めてきた自社株買いの5,000億円分を消化し切ったことも株価下落の要因の一つかもしれません。
三菱商事は、9月30日までに発行済み株式の10%にあたる4億1700万株(5000億円分)を上限として予定していましたが、予定通り完了しています。自社株買いをすれば株の希少価値が上がって株価が上昇する傾向がありますが、それが終わったわけですから、その後押しはなくなります。先日の決算発表では自社株買いが発表されなかったので、当面はこの要素に期待出来なさそうです。
資源エネルギー価格の低下も懸念
三菱商事といえば、資源エネルギー事業に強く、資源が占める割合が大きいことでも知られています(割合は 資源 2:非資源 3)。すこし前までは、世界的な資源不足という背景もあり、この事業を握っていることの希少価値が高まっていたので、追い風でした。
しかし、最近ではどうでしょう?米国大統領に新たに就任するトランプ氏は、資源エネルギー増産の考えをお持ち。増産されれば供給過多となり、価格の下落が想定されます。
また、鉄鉱石や石炭などの調達や販売を行っていますが、中国の景気悪化の影響で、鉄鋼向けの需要が減少していることも売上減少に繋がってしまう要因でしょう。中西勝也社長は11月1日の決算発表の記者会見で”中国景気が想定以上に悪い”ことを語っていました。中国経済の回復に期待するしかないですが、米中貿易摩擦の懸念もあり、これも不透明です。
三菱商事以外の日本の大手商社も資源事業が売上に占める割合が高いですが、今年4-9月期の決算では、三井物産・住友商事・丸紅が減益となっています。
なお、米国のトランプ次期大統領が掲げる関税引き上げ構想も三菱商事のような商社にとっては懸念材料です。最近の株価下落で、すでに織り込んでいるところもあると思いますが、実際に実施された際のショックでまだ下げる材料にはなる可能性が高そうです。
また、現在の為替は円安傾向にありますが、これが円高方向へと転じると、三菱商事の株価にはマイナス影響を与える懸念もあります。円安状況下では、実際の企業の価値以上にゲタを履いたような価格になりがちですが、円高となると、そのゲタがなくなる状態になりますからね。
”配当金利回り4%・PBR1”になる株価 2,500円が”底値”か
ということで、株価下落に繋がる要因が多い三菱商事。一方、株価下落に伴い、配当金の利回りは高まっています(※最近の配当金推移)。現在、3.7%強。高配当の部類に入るレベルです。このまま株価が下落し続けると、4%まで高まっていることになりますが、さすがに4%手前でお得感が出て、買いがたくさん入るのではないでしょうか?三菱グループのリース会社 三菱HCキャピタルなどでは、1株1,000円でちょうど配当4%なのですが、なんども1,000円に近づきつつ、それより上に戻っていく傾向があります。
三菱商事の配当利回りが4%になる株価は、2,500円。なので、株価が2,500円以下までは下落しにくい気がします。逆に言えば、2,500円くらいまでは進む可能性も…
まあ、これは配当が現状維持した場合で計算していますが、減配があった際には、まだ底値の水準が下がる可能性もあると思いますが。
また、三菱商事のPBR(株価純資産倍率)は現在、約1.1。
PBRが1倍割れすると、”企業が解散して財産を株主で分けた方がお得”という状態になってしまうわけですから、1倍割れするところまでは株価は下落しないと思います。
PBRが1を切るラインが、株価 約2,500円あたりですかね。
・PBR=株価(2,670円)÷BPS(2,509)= 1.06?
※ BPS = 純資産(10,094,829,000,000円) ÷ 発行済み株式数(4,022,391,153 株)= 2,509
ということで、配当利回り的にもPBR的にも 株価 2,500円あたりが節目かなと思います。
三菱商事の株価は下落が続いており、まだまだ下げる要因はあるものの、もう少し下げたところ(2,500円くらい)で下げ止まるのではないでしょうか?
とはいえ、8月5日の日本株大暴落の際にはもっと低い株価になっておりましたし、一時的に2,500円を割る場面もありそうです。
気づけば、早くも年末。本日、私も株主となったこともあり、年末から年始にかけての三菱商事の株価を”自分ごと”としてウォッチしていこうと思います。
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