投資家心理に変化、ディスカウント局面入り
本日2025年10月14日、株式会社メタプラネット（以下、メタプラ）の株価が10％以上の暴落。企業価値が、同社が保有するビットコイン（BTC）の評価額を下回りました。こうなってくると、メタプラ株を持つよりも直接ビットコインを持ったほうが良いのではないか、という状態になってきますよね（笑。デジタル資産を中核とする「トレジャリー企業」として注目されてきたメタプラですが、ここにきて投資家の関心がやや冷え込みを見せています。
株価下落でmNAV「1」割れ
▼メタプラネット株価推移（2025年5月〜10月14日）
メタプラネット株価推移（2025年5月〜10月14日）
10月14日の東京株式市場では、メタプラ株が前日比67円安（-12.18%）の483円で取引されました。これにより、同社の企業価値を示す指標「mNAV（market Net Asset Value）」が0.99まで低下し、ついに重要な節目である「1」を下回る結果となりました。
mNAVとは、企業が保有するビットコインの時価と株式時価総額を比較して算出される指標です。1を上回る場合は、株価が保有資産価値に対してプレミアム（割高）で取引されていることを意味します。一方で1を下回ると、株価が資産価値を下回りディスカウント（割安）で評価されている状態を示します。
この変化は、メタプラを「日本版マイクロストラテジー」として位置づけてきた投資家にとって重要なシグナルとなります。市場が同社の保有ビットコインに対して慎重な姿勢を取り始めていることがうかがえます。
ビットコイン蓄積企業としての評価に転換点
メタプラは2024年4月よりビットコインの購入を開始し、現在では約3万BTC（時価総額約34億ドル）を保有しています。当初、株価は保有資産に対し大きなプレミアムで推移していましたが、6月の過去最高値を境に約7割下落。これにより、企業価値と保有資産の関係が逆転しました。
元ジェフリーズのアナリストで、現在はスマートカルマにて日本株を分析するマーク・チャドウィック氏は「デジタル資産トレジャリー株の下落は、バブルが一服した兆候」と指摘しています。その一方で「長期的なビットコイン強気派にとっては、現在のメタプラ株は割安感のある投資対象になり得る」との見方も示しました。
機動的な資金調達と今後の展望
メタプラは9月、海外募集による新株発行を通じて約2041億円を調達し、ビットコイン購入資金として活用しました。また、株主は優先株発行を可能とする計画を承認しており、今後も柔軟な資金調達体制を整える方針です。
市場では、同社株価の動向が今後のビットコイン相場とどのように連動するかが注目されています。mNAVが1を割り込む局面にある今、メタプラ株は「割安なビットコイン関連銘柄」として再評価される可能性もあります。
メタプラネット株のmNAVが「1」を下回ったことは、投資家心理に変化が生じたことを象徴しています。短期的には調整局面が続く可能性がありますが、長期的な視点でビットコインの成長を信じる投資家にとっては、新たな投資機会となるかもしれません。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。
STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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