【マツダ決算】4~6月期は純利益296億円へ黒字転換、売上高は過去最高!新型CX-5と円安がけん引も、通期据え置きで株価は3%安

【マツダ決算】4~6月期は純利益296億円へ黒字転換、売上高は過去最高!新型CX-5と円安がけん引も、通期据え置きで株価は3%安 自動車株

自動車メーカー、マツダ株式会社(7261)は8月4日後場、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比16.9%増の1兆2857億円となり、第1四半期として過去最高を更新しました。

営業損益は328億円の黒字となり、前年同期の461億円の赤字から789億円改善。経常損益も428億円の黒字と、前年同期の342億円の赤字から大幅に回復しました。親会社株主に帰属する純損益は296億円の黒字となり、前年同期の421億円の赤字から黒字転換を果たしています。

純利益は市場予想の平均である187億円を大きく上回りました。米国の自動車関税による負担が続いたものの、前年同期に比べて関税の影響が軽減したほか、出荷台数の増加、車種構成の改善、円安、構造的なコスト削減が利益を押し上げました。

一方、好調な第1四半期決算にもかかわらず、2027年3月期の通期業績予想は据え置かれました。市場では業績予想の上方修正を期待する見方もあったとみられ、決算発表後の株価は一時、前日比47円安の1095円まで下落。終値は31円50銭安の1110円50銭と、2.8%安で取引を終えました。

マツダの決算発表内容について、以下にて詳しく見ていきましょう!!

売上高は第1四半期として過去最高、営業利益率も2.6%へ急回復

2026年4~6月期の売上高は1兆2857億円となり、前年同期の1兆998億円から1859億円増加しました。増収率は16.9%に達し、第1四半期として過去最高を記録しています。

営業利益は328億円で、前年同期の461億円の赤字から黒字に転換しました。売上高営業利益率は前年同期のマイナス4.2%からプラス2.6%へ、6.8ポイント改善しています。

経常利益は428億円となり、前年同期の343億円の赤字から771億円改善しました。純利益も前年同期の421億円の赤字から296億円の黒字へ転換し、改善額は717億円に上ります。1株当たり利益は前年同期のマイナス66.8円から47.0円へ回復しました。

前年同期は米国の追加関税への対応や販売奨励金の増加などが収益を大きく圧迫しました。今期第1四半期は、関税の影響がなお残る中でも、販売数量の回復や円安、コスト改善によって収益構造が正常化に向かっていることが示されました。

純利益296億円はQUICKコンセンサスの187億円を約58%上回っており、市場予想に対しては明確な上振れとなりました。

出荷台数の増加と関税負担の軽減で434億円の増益効果

第1四半期の営業利益は、前年同期から789億円改善しました。増益への寄与が最も大きかったのは「台数・構成」で、434億円の押し上げ要因となっています。

このうち、出荷台数の増加や車種構成、価格改善などによる効果が364億円、米国の自動車関税の影響軽減が203億円の増益要因となりました。一方、販売奨励金は209億円の減益要因でした。

前年同期には関税への対応から販売奨励金が膨らんでいましたが、足元では通常の競争環境に近い水準へ戻りつつあります。関税負担そのものは第1四半期に約300億円発生したものの、前年同期と比べれば影響が軽減しており、利益回復につながりました。

連結出荷台数は前年同期比5%増の28万台でした。グローバル生産台数も7%増の29万6000台となり、関税影響を受けて落ち込んだ前年同期から回復しています。

円安が413億円の増益要因、ドル・ユーロとも想定を上回る水準

為替変動は営業利益を413億円押し上げました。第1四半期の平均為替レートは1ドル=160円と、前年同期の145円から15円の円安となりました。ユーロも1ユーロ=185円と、前年同期の164円から21円以上円安に振れています。

通貨別では、米ドルが98億円、ユーロが66億円、豪ドルが86億円、メキシコペソが60億円の増益要因となりました。タイバーツについては32億円の減益要因でした。

マツダは海外での販売比率が高く、輸出企業として円安の恩恵を受けやすい収益構造です。第1四半期は円安が業績回復を支えましたが、会社側は足元の為替変動が極めて大きいことにも警戒感を示しています。

2027年3月期の通期為替前提は1ドル=155円、1ユーロ=180円に据え置きました。第1四半期の実績は前提より円安でしたが、会社側は年度後半に円高方向へ進む可能性も考慮し、現時点では想定レートを変更しない方針です。

今後、円相場が急速に円高へ転じた場合には、為替による利益押し上げ効果が縮小する可能性があります。このため、為替頼みではない利益体質を構築できるかが中長期的な焦点となります。

構造的原価低減で157億円改善、原材料・物流費の上昇を吸収

コスト改善は営業利益を157億円押し上げました。このうち、設計や調達、生産工程を含めた構造的原価低減活動が119億円、ベースとなるコスト改善が38億円の増益要因となっています。

一方、インフレや中東情勢の影響により、原材料費・物流費などは240億円の減益要因となりました。原材料費だけで249億円の負担増となっており、資材価格の上昇が引き続き収益の重荷となっています。

成長投資も98億円の減益要因でした。広告宣伝費が94億円増加したほか、ITセキュリティー関連投資なども負担となりました。ただし、研究開発費などを含む固定費では123億円の改善効果が発生し、原材料高や成長投資による負担の一部を吸収しました。

マツダは通期で776億円のコスト改善を計画しています。このうち構造的原価低減による効果を481億円と見込んでおり、年度後半に向けて一段の収益改善を目指します。

世界販売は1%増、日本・北米・欧州が成長

第1四半期のグローバル販売台数は前年同期比1%増の30万4000台でした。大幅な台数増ではないものの、日本、北米、欧州の主要市場が堅調に推移しました。

日本での販売台数は3%増の3万3000台でした。新型CX-5の販売が前年同期比91%増となり、来店客の増加にも寄与しました。CX-5との比較検討が増えたCX-30も12%増となったほか、生産終了前の需要が高まったMAZDA2も19%増と好調でした。

北米は5%増の15万4000台となりました。このうち米国は7%増の10万7000台で、ハイブリッド車需要を取り込んだCX-50や、乗用車のMAZDA3が販売をけん引しました。メキシコも16%増の2万7000台と伸長しましたが、カナダは燃料価格の上昇やEV需要の拡大などを背景に17%減の1万9000台となりました。

欧州は12%増の4万3000台でした。新型CX-5に加え、中国の長安汽車との協業によるバッテリーEV「MAZDA6e」が販売増に貢献しています。

中国は1%増の1万8000台でした。市場全体の需要環境が厳しい中でも、長安汽車との協業モデル「EZ-60」やCX-5が下支えし、前年並みの販売規模を維持しました。

一方、その他市場は14%減の5万6000台となりました。豪州が22%減の1万9000台となったほか、中東情勢の悪化やモデル切り替えの影響が販売を押し下げました。

新型CX-5の受注は計画超過、第2四半期以降に本格貢献へ

今期の成長を左右する主力モデルが、全面改良した新型「MAZDA CX-5」です。欧州、北米、日本の主要市場ですでに販売を開始しており、導入はおおむね計画通りに進んでいます。

6月末時点の受注台数は欧州で2万台超、日本で1万台超となり、会社の当初想定を上回るペースで推移しています。在庫車販売が中心となる米国でも、6月と7月の個人向け販売は前年同月比で約10%増加しました。

第1四半期は市場への導入途中だったため、新型CX-5の業績貢献はまだ限定的です。ジェフリー・H・ガイトンCFOは、本格的な台数貢献は第2四半期以降になるとの見通しを示しています。

7月からは豪州を含む各市場でも順次販売を開始しました。今後、北米や欧州で新型CX-5の供給と販売が本格化すれば、販売台数の増加に加え、商品構成の改善による利益率の上昇も期待されます。

新型CX-5はデザインや居住性、乗り心地、静粛性だけでなく、安全性能でも高い評価を受けています。米国のIIHSでは最高評価の「トップセイフティピック+」を獲得。欧州のEuro NCAP、豪州・ニュージーランドのANCAPでも最高評価を獲得しました。

マツダによるIIHSのトップセイフティピックおよびトップセイフティピック+の累計獲得回数は、ブランドとして100回に達しました。最高評価を獲得したモデル数は3年連続で全ブランド中最多となっており、高い安全性能をブランド価値の向上につなげる考えです。

MAZDA6eとCX-6eも成長ドライバーに

マツダは新型CX-5に加え、電動車「MAZDA6e」と「MAZDA CX-6e」を第2四半期以降の成長ドライバーに位置付けています。

MAZDA6eは長安汽車との協業を活用したバッテリーEVで、欧州での出荷が本格化しています。豪州では7月から販売を開始したほか、タイにも投入。今期中にシンガポールやインドネシアへ展開する計画です。

クロスオーバーSUVのCX-6eについても、欧州で今夏、豪州では今秋の発売を予定しています。自社ですべての開発・生産資産を抱えるのではなく、協業を活用して商品ラインアップを拡充する「ライトアセット戦略」の具体化が進んでいます。

世界的にEV需要の伸び方に地域差が生じる中、マツダは内燃機関車、ハイブリッド車、バッテリーEVを市場ごとに組み合わせる「マルチソリューション戦略」を採用しています。協業モデルを活用しながら投資負担を抑え、各地域の規制や需要に対応する方針です。

通期純利益900億円を据え置き、経常利益の進捗率は30.6%

マツダは2027年3月期の通期業績予想を据え置きました。売上高は前期比11.8%増の5兆5000億円、営業利益は約2.9倍の1500億円、経常利益は6.2%増の1400億円、純利益は約2.6倍の900億円を見込んでいます。

売上高営業利益率は前期の1.0%から2.7%へ改善する計画です。年間配当予想も1株当たり60円を維持しました。

第1四半期終了時点の進捗率は、営業利益が21.9%、経常利益が30.6%、純利益が32.9%です。特に経常利益の進捗率は、赤字期を除いた過去5年間の平均である23.8%を上回っています。

ただし、通期純利益予想の900億円は、IBESがまとめたアナリスト予想平均の962億円を下回ります。第1四半期の純利益が市場予想を大きく上回っただけに、通期計画の据え置きは保守的にも見えますが、市場にとっては物足りない内容と受け止められました。

通期のグローバル販売台数についても、前期比8%増の132万4000台とする従来計画を維持しました。地域別では、日本が6%増の15万3000台、北米が8%増の62万9000台、欧州が21%増の19万7000台を計画しています。米国は10%増の43万5000台、豪州は13%増の10万台を見込みます。

第1四半期の世界販売は1%増にとどまっているため、年間8%増の計画達成には第2四半期以降の販売加速が必要です。会社側は、新型CX-5、MAZDA6e、CX-6eの寄与によって台数成長を実現する考えです。

好決算でも株価下落、上方修正を見送ったことが失望材料に

8月4日の東京株式市場で、マツダ株は決算発表後に下げ幅を拡大しました。一時は前日比47円、率にして約4%安の1095円まで下落し、終値は31円50銭安の1110円50銭でした。

第1四半期は売上高が過去最高となり、純利益も市場予想を大幅に上回りました。経常利益の進捗率も良好で、決算内容そのものは力強いものでした。

それでも株価が下落したのは、好調なスタートを受けても通期業績予想を引き上げなかったことが主因とみられます。さらに、通期純利益予想が市場コンセンサスを下回っていることや、第1四半期の利益改善に円安効果が大きく寄与していることも、投資家の慎重姿勢につながった可能性があります。

足元の収益回復が為替による一時的な押し上げなのか、新型車の販売増と構造的コスト削減による持続的な利益成長なのかを見極めたいとの市場心理が表れた格好です。

熊本地震による生産への重大な影響は現時点で確認されず

本日の決算説明会では、7月28日に発生した令和8年熊本地震の影響についても説明がありました。
マツダは取引先や部品供給網の状況を引き続き調査していますが、現時点で得られている情報からは、車両生産を継続できると判断しています。事業や収益に重大な影響を与える状況ではないとの認識を示しました。

被災地域にはマツダの販売拠点が8店舗あり、そのうち4店舗は損害が軽微で営業を継続しています。被災した利用者の移動手段を確保するため、補修部品をできるだけ早く供給するほか、義援金や輸送サービスを通じた支援も進めています。

現段階では通期計画への影響は織り込まれていませんが、部品メーカーを含むサプライチェーンへの影響が長期化しないか、引き続き確認が必要です。

投資家の注目点はCX-5の販売加速と利益率の持続性

マツダの第1四半期決算は、売上高が過去最高となり、すべての利益段階で前年同期の赤字から黒字へ転換する力強い内容でした。市場予想を上回る純利益、関税負担の軽減、出荷台数の増加、円安、コスト改善が重なり、収益は急速に回復しています。

今後の最大の注目点は、新型CX-5が第2四半期以降にどこまで販売台数と収益を押し上げるかです。日本と欧州での受注は会社計画を上回っており、米国の販売も好調な滑り出しを見せています。販売数量だけでなく、高付加価値モデルの構成比上昇によって採算が改善するかが重要になります。

一方、原材料費や物流費の上昇、為替相場の反転、米国の関税政策、中東情勢、豪州など一部市場の販売低迷はリスク要因です。第1四半期のフリーキャッシュフローも692億円の赤字となっており、利益回復を安定したキャッシュ創出につなげられるかも確認したいところです。

第1四半期の経常利益と純利益の進捗率は高く、今後のCX-5販売が計画を上回れば、通期業績の上方修正余地が意識される可能性があります。ただし、会社側は為替や原材料価格などの不確実性を考慮し、現時点では慎重な見通しを維持しています。

マツダ株が再評価されるためには、第2四半期以降、新型CX-5の販売加速と構造的原価低減によって、円安効果を除いても利益率が改善していることを示す必要がありそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Mazda Returns to Profit in Q1 as Sales Hit Record High; Shares Fall on Unchanged Outlook

Mazda Motor reported a net profit of ¥29.6 billion for the April–June quarter, reversing a ¥42.1 billion loss a year earlier and beating the market consensus of ¥18.7 billion.

Revenue rose 16.9% to a record ¥1.286 trillion for a first quarter. Operating profit recovered to ¥32.8 billion from a ¥46.1 billion loss, supported by higher shipments, an improved product mix, reduced U.S. tariff pressure, cost savings and a weaker yen.

Global vehicle sales increased 1% to 304,000 units. The redesigned CX-5 showed strong initial demand, with orders exceeding 20,000 units in Europe and 10,000 in Japan. Mazda expects the model to contribute more significantly from the second quarter.

The automaker maintained its full-year forecast for revenue of ¥5.5 trillion and net profit of ¥90 billion, as well as its global sales target of 1.324 million vehicles. Mazda shares closed 2.8% lower, as investors were disappointed by the lack of an earnings upgrade despite the strong quarterly results.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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