世界の株式市場が「眠らない時代」へ、日本市場の競争力が試される
世界の証券取引所が「24時間化」へ向けて大きく動き始めています。7月17日の記事(米国株が23時間取引へ!日本時間の日中でも売買可能に。)でお伝えしたように、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダックが2026年12月から平日23時間取引を開始します。それに続き、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)も2027年上期に夜間市場「LSE24」を開設すると正式発表しました。
世界の二大金融センターが事実上の24時間取引体制へ移行する一方、日本の東京証券取引所(東証)は依然として1日5時間半の現物株取引にとどまっています。
世界の投資マネーが24時間動く時代を迎える中、日本市場は今後どのような戦略を取るのでしょうか。投資家にとっても無視できないテーマとなっています。
以下にて深堀していきましょう!!
世界の主要市場が「眠らない証券取引所」へ
LSEGが発表した「LSE24」は、2027年6月頃の開始を目指す新たな夜間市場です。
当初はETFなどの上場取引型金融商品(ETP)が対象ですが、将来的には個別株式の取り扱いも視野に入れています。
既存市場がロンドン時間午前8時から午後4時30分までであるのに対し、新市場では午後5時から翌朝7時50分まで売買可能となります。短時間のシステム停止を除けば、ほぼ24時間取引が実現します。
一方、米国ではNYSEとナスダックが2026年12月6日から平日23時間取引を開始します。
これまで日本の投資家は米国株を深夜に取引する必要がありましたが、今後は日本時間の日中でもリアルタイム売買が可能になります。
これは単なる営業時間延長ではありません。
世界中の資金が24時間絶え間なく流動する、新しい資本市場の幕開けと言えるでしょう。
東証は依然「5時間半市場」
これに対し、東京証券取引所の現物株市場は依然として短時間取引です。
2024年11月に30分延長されたとはいえ、
・午前9時~11時30分
・午後0時30分~3時30分
合計5時間30分しか売買できません。
もちろん、日本にはPTS(私設取引システム)や夜間先物市場がありますが、主要取引所そのものが24時間近く稼働する米英とは事情が大きく異なります。
海外投資家から見れば、「東京市場だけ営業時間が極端に短い」という状況になりつつあります。
世界の資本市場がデジタル化・グローバル化する中、この差は今後さらに大きな競争力の違いにつながる可能性があります。
米国株への資金流入がさらに加速する可能性
米国市場はもともと、世界最大級の流動性、豊富な投資家層、AI・半導体など成長企業の集積という強みを持っています。
そこへ23時間取引という利便性が加われば、日本を含む世界中の個人投資家にとって米国株投資のハードルはさらに下がります。
これまで「夜中だから取引できない」という制約がなくなるため、日本時間の日中でも相場を見ながら売買できるようになります。
利便性向上は、個人投資家の米国株シフトをさらに後押しする可能性があります。
ロンドン市場の狙いは「データビジネス」
LSEGの狙いは単なる営業時間延長ではありません。
24時間市場では売買データや価格情報、注文情報など膨大なマーケットデータが蓄積されます。
LSEGは指数、データ配信、清算・決済など多角的な金融インフラ事業を展開しており、新市場を通じてデータ事業の収益拡大も目指しています。
また、ETFを中心とすることで、米国株や日本株など世界中の資産へ低コストでアクセスできる商品開発も可能になります。
つまり、「24時間市場」は取引所ビジネスだけでなく、金融データ産業全体の競争力を左右する重要な戦略でもあります。
東証も24時間取引を検討すべきか
今後、市場関係者の間では東証の取引時間延長を求める議論が一段と強まる可能性があります。
もっとも、24時間化には簡単には解決できない課題もあります。
証券会社やシステム運営会社の負担増加に加え、清算・決済インフラの再構築、システム障害時の対応、人員体制など、多くの制度設計が必要になります。
また、日本市場は個人投資家だけでなく機関投資家の取引比率も高く、流動性を維持したまま長時間取引へ移行できるかも重要な論点です。
そのため、いきなり24時間取引へ移行する可能性は高くないものの、夕方以降の夜間市場新設や段階的な営業時間延長などは、今後現実的な選択肢として議論される可能性があります。
投資家として注目すべきポイント
世界の証券市場は、「どこで上場するか」だけでなく、「いつでも取引できる市場」が選ばれる時代へ入りつつあります。
米国は23時間取引、ロンドンは24時間市場の構築へと舵を切り、日本だけが従来型の営業時間を維持すれば、海外投資家の資金や売買注文が海外市場へ流れる可能性も否定できません。
一方で、日本企業には依然として高い技術力や収益力を持つ企業が多く、東証が市場制度の見直しや利便性向上を進めれば、国際競争力を維持・強化できる余地もあります。
24時間化の流れは、単なる営業時間の問題ではなく、「世界の資本市場における競争力」を左右する構造変化です。
投資家にとっては、今後の東証の制度改革や市場戦略の行方が、日本株市場の評価を左右する重要なテーマの一つになりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
London Follows NYSE Toward Nearly 24-Hour Trading, Raising Questions for Japan
The London Stock Exchange Group (LSEG) has announced plans to launch LSE24 in the first half of 2027, offering near 24-hour trading for exchange-traded products (ETPs), with equities expected to follow in the future. The move comes after the NYSE and Nasdaq confirmed they will introduce 23-hour weekday trading from December 6, 2026.
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As global investors gain greater flexibility to trade U.S. and European markets, pressure is likely to increase on Japan to modernize its market structure. Investors will be watching closely to see whether the Tokyo Stock Exchange responds with longer trading hours or other reforms to remain globally competitive.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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