【キオクシアHD決算】純利益46倍の8421億円、AI向けSSDが爆発的成長!最大8000億円の自社株買いと1対3の株式分割を発表

【キオクシアHD決算】純利益46倍の8421億円、AI向けSSDが爆発的成長!最大8000億円の自社株買いと1対3の株式分割を発表 半導体関連銘柄

キオクシアホールディングス(285A)は7月31日 15:30(大引け後)、「2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)の連結決算」を発表しました。生成AI向けデータセンター投資の拡大を背景に、主力のNAND型フラッシュメモリーやSSDの販売が急増し、売上収益と各利益項目はいずれも四半期として過去最高を更新しました。

売上収益は前年同期比415.5%増の1兆7671億円、営業利益は同約28倍の1兆2700億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同約46倍の8421億円となりました。売上収益は前年同期の約5.2倍、純利益は46倍という異例の増収増益です。

一方、純利益は会社が5月に示していた8690億円や、事前の市場予想平均である9687億円を下回りました。ただし、売上収益や調整後営業利益などの主要な事業指標は会社ガイダンスを上回っており、AI向け需要を背景とする本業の成長力は極めて強い内容となっています。

さらに同社は、2026年7~9月期の純利益が前年同期比約31倍の1兆2700億円になるとの見通しを公表しました。最大8000億円の自社株買いと、普通株式1株を3株に分割する株式分割も同時に発表しており、業績拡大に加えて大規模な株主還元策が投資家の注目を集めそうです。

最近では、株価が急落して話題となっておりましたが、本日は力強く株価が上昇。好決算の発表もあり、今後、巻き返しに期待が高まります。
本日のキオクシア決算発表内容について、以下にて深堀りしていきましょう!!

4~6月期は全利益項目が過去最高、3カ月で前年度の利益を上回る

2026年4~6月期の売上収益は1兆7671億円となり、前四半期の1兆29億円から76.2%増加しました。前年同期の3428億円と比較すると、わずか1年間で売上規模が5倍を超える水準まで拡大したことになります。

IFRSベースの営業利益は1兆2700億円となり、前年同期の449億円から利益規模が一変しました。前四半期の5968億円と比べても約2.1倍に増えています。営業利益率は約71.9%に達し、半導体メーカーとして極めて高い収益性を記録しました。

一過性項目などを調整したNon-GAAP営業利益は1兆3262億円で、前年同期比2833.2%増、前四半期比121.4%増となりました。Non-GAAP営業利益率は75.0%です。2026年3月期通期のNon-GAAP営業利益が8762億円だったことから、2027年3月期は第1四半期のわずか3カ月間だけで、前年度1年間の営業利益を4500億円上回った計算になります。

親会社の所有者に帰属する四半期利益は8421億円となり、前年同期の183億円から約46倍に急増しました。Non-GAAPベースの四半期利益は8870億円で、利益率は50.2%に達しています。販売価格の上昇が売上高の増加を上回るペースで利益を押し上げ、記録的な収益拡大につながりました。

AIデータセンター向け売上高が5倍超、SSD事業が成長の中心に

今回の決算をけん引したのは、生成AIサーバーやデータセンターで使用される大容量SSDです。
「SSD&ストレージ」部門の売上収益は前年同期比440.3%増、前四半期比95.7%増の1兆1747億円となり、過去最高を大幅に更新しました。キオクシア全体の売上収益に占める比率は66%まで上昇しています。

このうちデータセンター・エンタープライズ向けはSSD&ストレージ売上高の6割超を占めました。AIサーバー向けの旺盛な需要によって出荷量が過去最高となったうえ、販売単価も大幅に上昇しました。4~6月期のデータセンターなどに向けた売上高は、前年同期の5倍を超え、3カ月間で2026年3月期通期と同規模の売上高を計上したとされます。

スマートフォンや車載機器などを含む「スマートデバイス」部門も好調でした。売上収益は前年同期比565.1%増、前四半期比55.8%増の5257億円となり、こちらも過去最高を更新しました。

パソコン向けについても、販売単価の上昇を主因に売上高が増加しました。スマートフォンやパソコンの出荷台数そのものには慎重な見方が残る一方、データセンター向けの拡大が弱さを補い、NAND市場全体の成長を主導しています。

NAND販売単価は前四半期比約70%上昇、需給逼迫が利益率を押し上げ

キオクシアの収益を大きく押し上げたもう一つの要因が、NAND型フラッシュメモリーの販売価格上昇です。

4~6月期の米ドルベースの平均販売単価は、前四半期比で約70%上昇しました。出荷量も記憶容量ベースで1桁前半%増加しており、価格上昇と数量拡大が同時に進みました。為替が1ドル=160円と円安水準で推移したことも、円換算後の売上高と利益を押し上げました。

売上原価率は大幅に低下し、調整後Non-GAAP売上総利益は1兆4055億円、売上総利益率は80%に達しました。製造合弁事業に関連する売上高と原価を除いたベースでは、売上総利益率は82%となります。

半導体メモリー事業は、工場の固定費負担が大きいため、市況悪化時には利益が急速に縮小する半面、需要増加と販売価格上昇が重なる局面では利益が大きく伸びます。今回の決算は、この利益構造が強い方向に働いた形です。

第8世代「BiCS FLASH」の生産比率が50%を超えたことも、収益性改善に寄与しました。世代移行による生産効率向上に加え、高付加価値のデータセンター向け製品の販売構成比が高まったことで、売上高以上のペースで利益が拡大しています。

7~9月期も最高益更新へ、純利益は1兆2700億円を予想

キオクシアは、2026年7~9月期も成長が加速すると予想しています。
第2四半期の売上収益は前四半期比35.2%増の2兆3900億円を見込みます。Non-GAAP営業利益は同43.3%増の1兆9000億円、営業利益率は79.5%に上昇する見通しです。Non-GAAP当期純利益は同44.3%増の1兆2800億円を予想しています。

IFRSベースの連結純利益は前年同期比約31倍の1兆2700億円となる見通しです。事前の市場予想平均である1兆3431億円には届かなかったものの、第1四半期からさらに約4300億円増える高水準の計画となっています。

2026年4~9月期累計では、売上収益4兆1571億円、営業利益3兆1600億円、純利益2兆1121億円程度を見込んでいます。わずか半年間で純利益が2兆円を超える見通しであり、前年同期比では約35倍に拡大します。

なお、キオクシアは2027年3月期の通期業績予想を公表していません。メモリー価格や顧客の在庫、為替などの変動が大きく、下半期を正確に予測することが難しいためです。市場では、アナリスト17人による通期純利益予想の平均値が5兆3830億円とされています。

エージェンティックAI需要は「まだ立ち上がり段階」

会社側は、今回のAI向け需要拡大について、一時的なブームではなく、中長期的な市場拡大の入り口にあるとの認識を示しています。

生成AIは学習だけでなく、利用者からの指示に応じて処理する推論用途へと広がっています。さらに、複数の作業を自律的に判断・実行する「エージェンティックAI」の普及が進めば、AIサーバーが処理・保存するデータ量は一段と増加します。

キオクシアは、エージェンティックAI向けアプリケーションがNAND需要拡大の主要な成長ドライバーになるとみています。藤川俊彰執行役員は、推論AIやエージェンティックAIによるフラッシュメモリー需要の拡大について「まだ入り口にいる」との認識を示しました。

同社は2026年のNAND市場について、記憶容量ベースで10%台後半の成長を予想しています。2027年については、需要が供給を上回る状態が続くとの見通しです。

主要顧客との長期供給契約も拡大しており、2028年の出荷数量について50%を長期契約でカバーする目標に向けて進展していると説明しています。契約期間の長期化は、販売数量の見通しを高めるだけでなく、市況悪化時の収益変動を抑える効果も期待されます。

設備投資は年間4500億円を想定、需要次第では増額も

旺盛な需要に対応するため、キオクシアは四日市工場と北上工場を中心に生産基盤の強化を進めます。北上工場では第10世代BiCS FLASHの生産を開始し、四日市工場では研究開発機能と量産機能を生かして、世代移行を加速させます。

同社は2026~2028年度に、年間平均4700億円の設備投資を計画しています。2027年3月期については4500億円程度を計画に織り込んでいますが、市場環境や需要動向によっては、設備投資を柔軟に増やす可能性もあります。

もっとも、積極的な設備投資は将来の供給能力を拡大する一方、業界全体で増産が進めばNAND価格の下落要因となります。需要を上回る過度な能力増強を避けられるかが、中長期的な収益性を左右します。

コア・フリーキャッシュフロー8272億円、ネットキャッシュへ転換

利益の急拡大に伴い、財務体質も大きく改善しました。
4~6月期の営業キャッシュフローは前四半期の約3倍となる8663億円に達し、過去最高を更新しました。設備投資負担などを差し引いたコア・フリーキャッシュフローも8272億円となり、前四半期比で約3.4倍に増加しました。

同社はこのキャッシュを活用し、4075億円のシニアローンを全額返済しました。6月末の現金及び現金同等物は7910億円、社債及び借入金は6346億円となっています。

現預金から借入金などを差し引いたネット有利子負債は、2026年3月末の5521億円からマイナス1867億円へ転じました。実質的なネットキャッシュ状態を達成したことになります。ネットD/Eレシオは39%からマイナス8%へ改善し、親会社所有者帰属持分比率も38%から51%に上昇しました。

キオクシアは上場前に1兆円を超える有利子負債を抱えていましたが、急速な利益拡大によって財務上の懸念は大幅に後退しました。今後は負債削減だけでなく、設備投資や株主還元にキャッシュを振り向けられる段階へ入ったといえます。

最大8000億円の自社株買い、発行済み株式の5.5%を取得へ

キオクシアは今回、取得総額を最大8000億円とする大規模な自社株買いを発表しました。
取得株式数は上限3000万株で、自己株式を除く発行済み株式総数の5.5%に相当します。取得期間は2026年8月3日から10月30日までで、東京証券取引所における取引一任契約に基づく市場買い付けを予定しています。

自社株買いには、市場に流通する株式数を減らし、1株当たり利益を押し上げる効果があります。発行済み株式の5.5%という規模は大きく、実際に上限まで取得されれば、株式需給の改善も期待されます。

河村芳彦副社長は、株価が高値から大幅に下落した足元の水準について、資本効率を改善するうえで自社株買いを行う良いタイミングだと判断した趣旨を説明しました。急増した余剰キャッシュフローを株主へ還元しながら、株価下落局面で効率的に株数を減らす狙いがあります。

中間配当については無配としました。ただし、会社側は配当についても議論を続けており、今後のキャッシュフロー次第では下期に配当を実施する可能性を検討していると説明しています。現時点では自社株買いを先行させた形ですが、業績とキャッシュ創出が計画どおりに進めば、期末配当への期待も高まりそうです。

1株を3株に分割、約400万円の最低投資金額を引き下げ

同社は、2026年9月30日を基準日として、普通株式1株を3株に分割することも発表しました。効力発生日は10月1日です。

キオクシア株は6月12日に時価総額が約44兆円に達し、一時は国内首位となりました。株価も6月下旬に11万円を超え、上場来高値を記録しています。その後はAI・半導体投資の過熱懸念や米国での特許侵害訴訟などを受け、株価が高値から約3分の1の水準まで急落しました。

それでも、分割発表前の最低投資金額は約400万円と、東京証券取引所が望ましい水準として示す50万円未満を大幅に上回っていました。1対3の株式分割後は理論上、最低投資金額が従来の3分の1程度になります。

依然として投資金額は高めとなる可能性がありますが、分割によって個人投資家が参加しやすくなり、株主層の拡大や売買流動性の向上が期待されます。業績成長、自社株買い、株式分割という三つの材料を同時に打ち出したことは、株価下落に対する経営陣の強い問題意識を示すものとも受け止められます。

決算期待でストップ高、発表後の焦点は成長の持続性

決算発表当日のキオクシア株は、前日比7000円、17.72%高の4万6500円でストップ高比例配分となりました。米国の半導体関連株が上昇したことに加え、直前までの株価急落に対する買い戻しや、好決算への期待が重なりました。

決算発表後の夜間取引でも東証終値を上回る場面があり、記録的な業績や8000億円の自社株買い、株式分割を前向きに評価する動きが先行しました。

ただし、第1四半期のIFRS純利益が会社計画や市場予想を下回ったこと、第2四半期の純利益見通しも市場予想に届かなかったことは注意点です。株価が決算前にストップ高まで上昇しているため、短期的には材料出尽くしの売りや、利益確定売りが出る可能性もあります。

投資家が注視すべきリスクはNAND価格と設備投資競争

今回の決算は、AI向け需要がキオクシアの業績を実際に大きく押し上げていることを示しました。一方で、NAND型フラッシュメモリーは市況変動の激しい製品です。現在の利益率は、販売価格が前四半期比で約70%上昇するという極めて強い環境によって支えられています。

今後、競合メーカーが生産能力を増強すれば、需給が緩み、販売価格が下落する可能性があります。大手顧客による在庫調整、AIデータセンター投資の鈍化、円高への転換も収益を押し下げる要因です。

また、会社が通期業績予想を公表せず、9月中間期までの見通しにとどめた点も慎重にみる必要があります。これは必ずしも下期の業績悪化を示すものではありませんが、経営陣にとってもメモリー市況や価格動向を長期間予測することが難しい状況を表しています。

設備投資を柔軟に増額する方針についても、AI需要を取り込むためには合理的ですが、投資負担の増加や将来的な供給過剰につながらないかを確認する必要があります。長期供給契約によって収益の安定性をどこまで高められるかも重要になります。

今後の株価は「利益の大きさ」から「利益の持続性」が評価軸に

キオクシアの第1四半期決算は、売上収益1兆7671億円、営業利益1兆2700億円、純利益8421億円という記録的な内容でした。AIデータセンター向けSSDの販売拡大とNAND価格の上昇が重なり、3カ月間で前年度通期を上回る営業利益を稼ぎ出しています。

第2四半期には売上収益2兆3900億円、Non-GAAP営業利益1兆9000億円を見込み、成長ペースはさらに加速する計画です。ネットキャッシュへの転換、最大8000億円の自社株買い、1対3の株式分割も、財務面と株式需給面の両方から株価を支える材料となります。

一方、第1四半期の純利益と第2四半期の純利益予想は市場期待に届きませんでした。すでに株価は大きな上昇と急落を経験しており、投資家の評価軸は単純な利益額の大きさから、その利益をどこまで長く維持できるかへ移っていくと考えられます。

エージェンティックAIの普及によるNAND需要の拡大が、会社側の想定どおり「まだ立ち上がり段階」なのか。それとも現在の価格上昇が半導体市況の短期的なピークなのか。第3四半期以降もデータセンター向けの販売量と高い販売価格を維持できるかが、上場来高値への再挑戦を左右する最大の焦点となりそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Kioxia Posts Record Q1 Profit, Announces ¥800 Billion Buyback and 3-for-1 Stock Split

Kioxia Holdings reported record results for the April–June 2026 quarter, driven by soaring demand for NAND flash memory and enterprise SSDs used in AI data centers.

Revenue surged 415.5% year on year to ¥1.767 trillion, while operating profit reached ¥1.270 trillion. Net profit jumped roughly 46-fold to ¥842.1 billion, although it fell short of company guidance and market expectations.

SSD and storage revenue nearly doubled from the previous quarter to ¥1.175 trillion. NAND selling prices rose approximately 70% quarter on quarter, supported by tight supply and strong demand from generative and agentic AI applications.

For the July–September quarter, Kioxia forecasts revenue of ¥2.390 trillion and net profit of about ¥1.270 trillion. Management expects NAND demand to continue exceeding supply in 2027, describing AI-driven storage growth as still being in its early stages.

The company also announced a share buyback of up to ¥800 billion, equivalent to 5.5% of outstanding shares, and a 3-for-1 stock split effective October 1. Strong cash generation helped Kioxia achieve a net cash position, improving its capacity for future investment and shareholder returns.

Investor attention will now shift from the scale of current profits to their sustainability, particularly as NAND prices remain highly cyclical.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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