【INPEX 決算発表】純利益予想を5100億円へ上方修正!イクシスLNG好調で最高益、増配・1400億円の自社株買いも

【INPEX 決算発表】純利益予想を5100億円へ上方修正!イクシスLNG好調で最高益、増配・1400億円の自社株買いも 株式劇場

上期純利益は17.7%増、従来の減益予想から一転して増益着地

大手石油開発企業、株式会社INPEX <インペックス/1605> [東証プライム]は8月7日大引け後、2026年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算(国際会計基準)を発表しました。親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比17.7%増の2631億円となり、上期として過去最高を更新しました。従来は11.9%の減益が見込まれていましたが、原油価格の上昇や円安、豪州の主力液化天然ガス事業「イクシスLNG」の好調な生産などを背景に、一転して増益で着地しています。

上期の売上収益は前年同期比4.6%減の1兆4億円、営業利益は同0.3%増の6187億円、税引前中間利益は同0.1%減の6443億円でした。売上高は減少したものの、最終利益段階では大幅な増益を確保しており、収益構造の強さを示す決算となりました。基本的1株当たり中間利益は226円33銭と、前年同期の186円65銭から21.3%増加しています。

直近3カ月に当たる4~6月期の親会社の所有者に帰属する利益は、前年同期比58.1%増の1537億円へ拡大しました。売上営業利益率も前年同期の57.2%から68.3%へ上昇しており、四半期ベースでも利益の伸びと採算性の改善が鮮明です。
INPEXの本日の決算発表内容について、以下にて詳しく見ていきましょう!!

原油販売量の減少を価格上昇と円安が吸収

上期は中東情勢の緊迫化を背景に、アブダビ事業の原油販売が制約を受けました。原油販売量は前年同期比22.8%減の5517万バレルとなり、原油部門の売上収益は同10.9%減の6949億円に落ち込んでいます。販売量減少による売上収益へのマイナス影響は1695億円に達し、このうち原油が1781億円の減収要因となりました。

一方、海外原油の平均販売価格は1バレル当たり79.51ドルと前年同期の73.51ドルから8.2%上昇しました。売上換算に用いる原油の平均為替レートも1ドル=158円40銭と、前年同期の148円43銭から約10円の円安となっています。販売価格の上昇が493億円、円安が原油と天然ガスを合わせて556億円の増収効果をもたらし、販売数量減少の影響を相当程度吸収しました。

天然ガス部門も堅調でした。液化石油ガスを除く天然ガスの売上収益は前年同期比8.2%増の2719億円となりました。販売量が同1.2%増加したほか、海外平均販売価格も1000立方フィート当たり5.24ドルと同4.2%上昇しています。

税負担の減少も最終利益を押し上げました。原油の減収・減益に伴う法人所得税費用の減少などが約400億円の増益要因となったほか、イクシス関連の減資に伴う為替差益なども利益に寄与しました。売上収益が減少するなかでも純利益が拡大した背景には、資源価格や為替だけでなく、税金費用や一時的な損益の改善も含まれています。

イクシスLNGが成長をけん引、利益貢献は上期1730億円

今回の決算で特に存在感を示したのが、豪州北部で展開するイクシスLNGプロジェクトです。同事業の上期の利益貢献額は前年同期比24.5%増の1730億円となり、前年同期の1390億円から340億円増加しました。

イクシスLNGは上期に64カーゴを出荷し、安定操業を継続しました。労使交渉中にストライキが行われたものの、操業への影響は軽微だったとしています。下期には低圧生産設備の接続作業に伴う一時的な操業停止を複数回予定していますが、上期の好調な生産を踏まえ、2026年のLNG出荷数は従来想定していた「月平均10カーゴ程度」を年間で数カーゴ上回る見通しです。

会社側は、イクシスによる通期の利益貢献額を約3800億円と見込んでいます。原油販売が中東情勢の影響を受けるなか、地理的にも商品面でも分散されたポートフォリオが業績の下支えとなりました。アブダビ事業の販売量減少によるマイナスを、イクシスを含む他地域の利益拡大が補う構図です。

通期純利益予想は5100億円、市場予想を上回る過去最高益へ

好調な上期実績を受け、INPEXは2026年12月期通期の親会社の所有者に帰属する当期利益予想を、従来の3500億~4500億円から5100億円へ上方修正しました。5月時点の中心的な予想だった4500億円と比べても600億円、13.3%の引き上げとなります。

修正後の純利益予想は前期比29.5%増となり、通期でも過去最高益を更新する見通しです。IBESが集計したアナリスト11人の予想平均4704億円も上回っており、市場の期待を超える強い業績計画といえます。

会社側は通期予想の前提として、ブレント原油価格を1バレル当たり平均81.4ドル、為替レートを1ドル=159円20銭としています。5月時点と比べると原油価格の前提は83ドルから1.6ドル引き下げた一方、為替前提は156円から3円20銭円安方向に見直しました。

通期利益予想の増額要因では、円安が69億円、原油価格などの影響が213億円、イクシスの販売量増加などが169億円、その他プロジェクトが124億円、それぞれ押し上げに寄与する見込みです。減損損失や資産除去債務などに関する一時的な損益も200億円のプラス要因として織り込まれています。一方、アブダビの販売量減少や販売コストの増加などは175億円のマイナス要因となります。

上期の純利益2631億円と通期計画5100億円から逆算すると、下期の純利益は2469億円程度となる計算です。前年同期との比較では約45%の増益に相当し、会社側は上期だけでなく下期も高水準の利益を確保する計画を示しています。

ただし、下期の想定ブレント原油価格は1バレル当たり75ドルと、上期実績の87.60ドルを下回ります。一方、下期の想定為替レートは1ドル=160円と、上期以上の円安を見込んでいます。原油価格に一定の保守性を持たせながら、円安とイクシスの生産好調を織り込んだ予想とみられます。

年間配当112円に増額、1400億円の自社株買いを決定

業績予想の上方修正に合わせ、株主還元も大幅に強化します。2026年12月期の1株当たり年間配当予想は、従来計画の108円から112円へ4円増額しました。前期実績の100円と比べると12円の増配となります。中間配当と期末配当はいずれも56円を予定しています。

さらに、総額1400億円の自己株式取得も決定しました。会社側は、過去最高益が見込まれることに加え、現在の株価が同社の成長性を十分に反映しておらず、割安な水準にあるとの認識を示しています。

配当と自社株買いを合わせた2026年の株主還元総額は約2703億円と、過去最高となる見込みです。総還元性向は約53%を想定し、中期経営計画で掲げる「総還元性向50%以上」の方針を上回る水準を維持します。業績拡大を増配だけでなく大規模な自社株買いにも振り向ける方針は、1株当たり利益や資本効率の改善を意識する投資家にとって、今回の発表の大きな評価材料となりそうです。
インペックス配当

営業キャッシュフローは1兆円超、成長投資との両立を図る

2026年12月期の営業キャッシュフローは、イクシス下流事業会社を含む会社独自の管理ベースで1兆550億円を見込んでいます。投資キャッシュフローは8590億円、フリーキャッシュフローは1960億円となる計画です。

投資額のうち6760億円を成長投資に充てるほか、インドネシアで進めるアバディLNG開発の準備資金として2000億円を追加で積み立てます。これにより、2026年末のアバディ開発準備資金は7700億円強に達する見込みです。当初は2027年末に6000億~8000億円を確保する計画でしたが、目標水準への到達を1年前倒しすることになります。

アバディLNGでは、海底設備などの基本設計を完了し、2026年7月からEPC入札を開始しました。買い手候補5社と基本合意を締結しており、現在はLNG売買契約の交渉を進めています。会社側は2027年半ばごろの最終投資決定を目指し、2030年代初頭の生産開始を計画しています。

短期的な株主還元を拡大しながら、アバディやイクシス第3系列、アブダビの生産能力増強といった中長期の成長案件にも資金を配分する構えです。2026年のROE予想は10.5%、ROIC予想は8.2%とされ、いずれも5月時点の予想から引き上げられました。

投資家の焦点は業績上振れの持続性と中東リスク

今回の決算は、減収ながら過去最高の上期純利益を確保し、通期予想も市場予想を上回る5100億円へ引き上げたという点で、株価に対してポジティブな内容です。イクシスLNGの安定操業、円安効果、資源価格の上昇に加え、増配と1400億円の自社株買いを同時に打ち出したことも、投資家の評価を高める要因になります。

一方、上期増益には法人所得税費用の減少や為替差益なども寄与しており、利益のすべてが継続的な事業成長によるものではない点には注意が必要です。また、アブダビ事業では販売量の減少が続き、通期の販売見通しも5月時点から約3割引き下げられています。

今後は、中東情勢やホルムズ海峡周辺の物流、原油価格、為替相場が業績を左右します。特に会社側は下期の為替レートを1ドル=160円と想定しているため、急速な円高が進んだ場合には利益の下振れ要因となります。イクシスでも設備接続に伴う一時的な操業停止を予定しており、作業が計画通り完了するかが注目されます。

もっとも、原油販売量が大きく減少する逆風下でも最高益を見込める収益力と、LNGを軸とする事業ポートフォリオの強さは確認されました。業績予想の上方修正、増配、大規模な自社株買いという三つの好材料がそろった今回の発表は、INPEX株の割安感や中長期的な成長力を見直す契機となる可能性があります。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

INPEX Raises Full-Year Profit Forecast, Boosts Dividend and Launches ¥140 Billion Buyback

Japan’s INPEX Corp. (TSE: 1605) raised its full-year net profit forecast after reporting record first-half earnings, supported by strong production at its Ichthys LNG project, higher energy prices and a weaker yen.

Net profit attributable to owners of the parent rose 17.7% year on year to ¥263.1 billion for the six months ended June, despite a 4.6% decline in revenue to ¥1.00 trillion. Lower crude oil sales volumes, partly reflecting disruptions to the company’s Abu Dhabi operations, were offset by higher selling prices, favorable currency movements and reduced tax expenses.

Ichthys LNG remained the main earnings driver, contributing ¥173.0 billion in segment profit, up 24.5% from a year earlier. INPEX now expects the project’s full-year profit contribution to reach approximately ¥380.0 billion.

The company lifted its 2026 net profit forecast to a record ¥510.0 billion from its previous range of ¥350.0 billion to ¥450.0 billion. The revised outlook exceeds the market consensus of roughly ¥470.4 billion.

INPEX also raised its annual dividend forecast to ¥112 per share from ¥108, compared with ¥100 in the previous year. In addition, it announced a ¥140.0 billion share buyback, bringing its projected total shareholder return ratio to approximately 53%.

The earnings upgrade and enhanced shareholder returns are positive for the stock. However, investors should continue to monitor Middle East geopolitical risks, crude oil prices, foreign-exchange movements and scheduled maintenance-related shutdowns at Ichthys LNG.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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