日本銀行(日銀)の追加利上げ時期がいよいよ近づいてきたかもしれません。
昨日11月29日 AM8:30に発表された「消費者物価指数」が前年同月比で2.6%上昇し、予想値 2.2%を大きく上回りました。伸び率は3カ月ぶりに拡大。エネルギー価格上昇が影響を与えていると思われます。日銀が目標とする2%を引き続き上回ったのです。これは日銀の利上げを後押しする材料になりそうです。
米国の物価上昇率(11/13発表)も2.6%だったので、日本の物価上昇率は並んだことになりますし、ドイツが2.2%なので、これを超えています。有効求人倍率は1.25倍に上昇し、東京のマンション価格は世界最大の上昇率です。利上げのための土壌は着実に整ってきていますよね。
ここで注目されるのが、日銀の植田和男総裁の発言です。
10月31日の金融政策決定会合では、利上げに「時間的余裕がある」表現をカットしており、利上げが現実的となってきたことを示唆しておりました。さらに、今月28日のインタビューでも、経済環境が日銀の想定通りに推移しており、追加利上げのタイミングが近づいていることを語っています。
早ければ、12月19日の日銀 金融政策決定会合で、利上げが発表されることも現実的となってきたのではないでしょうか。
これに敏感に反応したのが、為替(ドル円)。昨日11月29日は、149円台に突入しました。最近、円安傾向が目立っていましたが、ここへきて円高相場へと転換。米国FRBの利下げが難航しないかぎりは、このまま円高が進行していく可能性が高いと思います。日米金利格差が縮小していきますからね。安い金利で日本円を借りていた方々が返すために円を買う動きも活発化しそうです。今年8月初旬の「令和のブラックマンデー」の時と同じ動きですね(汗。
ここで気になるのが、株価への影響です。
一般的に円高になると日本企業の株価が下落する傾向にあります。日本企業のすべてに言えることではないものの、「今まで円安によって株価にゲタを履いている状態になっている構造だったものが正常な状態に戻る」と考えると、円高株安傾向が強まるかもしれません。
この年末、再び「令和のブラックマンデー」が起きるのでしょうか?
日銀 金融政策決定会合のある12月19日は木曜日。週明けの12月23日はブラックマンデーになるのでしょうか…
いずれにしても、現在の状況を見ていると、現金保有率を高めておくのが的確な動きにも思えます。暴落時に買い増す余力を持っておきたいですからね。
P.S.
なお、日銀は利上げ以外に「ETF売却」の課題もあります。”2026年4月に小規模開始か”との情報も流れ始めていますが、果たしていかに… 日銀は大量に日本企業の株を買ってきましたから、売却し始めた時の株価へのダメージは計り知れません。このテーマもウォッチしていきたいと思います。
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