【出光興産 決算発表】純利益65%増で着地!IFRS移行後の来期は減益見通しも株主還元強化へ

【出光興産 決算発表】純利益65%増で着地!IFRS移行後の来期は減益見通しも株主還元強化へ 株式劇場

出光興産株式会社<5019>が5月12日、「2025年度(2026年3月期)の連結決算」を発表しました。純利益は前期比65.2%増1719億円となり、大幅な増益を達成しました。一方で、「2026年度(2027年3月期)」は国際会計基準(IFRS)適用に伴い、純利益750億円を見込んでいます。原油価格下落を前提とした慎重な業績見通しを示したことで、市場では今後の収益動向への関心が高まっています。

今回の決算では、原油価格上昇に伴う「タイムラグ効果」が大きく利益を押し上げました。特に直近1〜3月期(第4四半期)は、前年同期233億円の赤字から1193億円の黒字へと大幅に改善しました。売上営業利益率も前年同期の1.7%から8.1%へ急改善しています。

会社側は決算説明資料の中で、「燃料油のプラスのタイムラグや電力・再生可能エネルギー事業の改善が増益に寄与した」と説明しています。

出光といえば、「出光丸」がホルムズ海峡通過したことで注目を集めたことも記憶に新しい企業。日本国民から喝采を浴びています。
本日の発表内容について以下にて詳しく見ていきましょう!!

燃料油事業が業績を牽引、製油所稼働率も改善

2025年度の営業利益と持分法投資損益の合計は2441億円となり、在庫影響を除いたベースでも前年から294億円の増益となりました。

特に燃料油事業が好調でした。タイムラグ効果が前年のマイナス185億円からプラス782億円へ改善したことに加え、輸出数量や輸出価格の上昇も追い風となり、燃料油セグメント利益は前年比551億円増の2071億円となりました。

また、製油所の稼働率改善も利益成長を支えました。定期修繕を除く製油所稼働率(BSD)は前年度の82%から86%へ上昇しました。会社側は、保安管理や設備管理の強化、デジタル技術活用など「重点4施策」の成果を強調しています。

一方、資源事業では石炭価格下落の影響が重荷となりました。石炭事業利益は396億円減少し、豪州一般炭スポット価格も前年度平均134.8ドルから105.4ドルへ低下しました。

来期は原油価格下落を前提に慎重な見通し

市場の注目は、2026年度業績予想にも集まっています。

出光興産は2026年度からIFRSを任意適用します。これに伴い、従来の「営業利益+持分法投資損益」に代わり、「金融費用除き税引前損益」を主要指標として開示します。会社計画では、金融費用除き税引前利益1400億円、純利益750億円を見込んでいます。

背景にあるのが、原油価格下落による「マイナスのタイムラグ影響」です。
同社は2026年度のドバイ原油価格前提を、第1四半期100ドル、第2・第3四半期80ドル、第4四半期65ドルと想定しており、通期平均では81.3ドルを見込んでいます。

石油元売り業界では、原油調達から販売まで時間差が生じるため、原油価格が下落局面に入ると利益が圧迫されやすくなります。同社も「2026年度は中東情勢鎮静化および原油価格下落によりマイナスのタイムラグが発生する」と説明しています。

会社試算では、燃料油事業で1897億円、基礎化学品事業で304億円のマイナス影響を見込んでいます。

もっとも、タイムラグ要因を除いた実態ベースの利益水準は堅調です。同社は、タイムラグを除いた2026年度純利益が1790億円となり、中期経営計画で掲げる2027年度水準と同程度になるとの見方を示しています。

中東情勢リスクを警戒、「国内供給優先」を明確化

今回の決算では、中東情勢への警戒感も色濃く示されました。
酒井則明社長は会見で、「いまは平時のように輸出でマージンを確保する状況ではない。当然国内向けが優先だ」と述べ、国内への安定供給を最優先する姿勢を強調しました。

決算資料でも、「国内に対する燃料油・石油化学製品等の安定供給を最優先とする」と明記しています。さらに、中東以外も含めた地域から原油やナフサを調達し、製油所の安定稼働を維持する方針を示しました。

ホルムズ海峡を巡る地政学リスクが高まる中、同社は追加コスト発生時には価格転嫁も進める考えです。

自社株買い実施、累進配当導入へ

株主還元策も強化します。
年間配当は前期と同じ36円を維持する方針です。加えて、最大250億円、2500万株を上限とする自社株買いを実施します。

さらに2026年度からは累進配当を導入し、2026〜2030年度の総還元性向を「在庫影響除き純利益に対して50%以上」とする方針も打ち出しました。

市場では、「減益見通しの中でも積極的な株主還元を維持した点は評価材料」との見方も出ています。

LNG・全固体電池・宇宙分野へ成長投資

中長期の成長戦略にも注目が集まっています。
同社は2030年度までの中期経営計画を公表し、5年間累計で1兆8000億円を投資する方針を示しました。ROE13%、金融費用除き税引前利益3600億円を目標に掲げています。

成長分野では、LNG事業への本格参入に向けMidOcean Energyへ5億ドルを出資します。また、全固体電池向け固体電解質の大型パイロット装置建設や、宇宙用CIGS太陽電池への投資など、次世代エネルギー・先端素材分野への取り組みも加速しています。

※関連記事:出光興産、全固体電池材料で「量産」へ踏み込む

石油元売り業界が脱炭素社会への対応を迫られる中、出光興産は総合エネルギー企業への転換を進めています。今後は、既存の燃料油事業による安定収益を維持しながら、新規成長分野をどこまで収益化できるかが焦点となりそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Idemitsu Posts 65% Profit Jump, Flags Lower Earnings Under IFRS Transition

TOKYO — Idemitsu Kosan Co. reported a sharp rise in annual profit for fiscal 2025, supported by strong fuel margins and favorable inventory timing effects, while guiding for lower earnings in fiscal 2026 as the company adopts IFRS accounting standards.

Net profit for the year ended March 2026 rose 65.2% year-on-year to ¥171.9 billion. In the January–March quarter alone, the company swung to a ¥119.3 billion profit from a ¥23.3 billion loss a year earlier.

The Japanese refiner said fuel oil operations drove earnings growth, helped by positive “time-lag” effects from rising crude prices and improved refinery utilization rates. Adjusted operating profit and equity-method earnings reached ¥244.1 billion.

For fiscal 2026, however, Idemitsu forecasts net profit of ¥75 billion under IFRS standards. Management expects falling crude prices to reverse the earlier inventory gains and create significant negative time-lag effects.

The company assumes Dubai crude prices will gradually decline from $100 per barrel in the first quarter to $65 by the fourth quarter.

President Noriaki Sakai emphasized energy security amid Middle East tensions, saying domestic fuel supply will remain the company’s top priority.

Despite the weaker earnings outlook, Idemitsu maintained its annual dividend at ¥36 per share and announced a share buyback program of up to ¥25 billion. The company also introduced a progressive dividend policy starting in fiscal 2026.

Separately, Idemitsu unveiled a new medium-term business plan targeting ROE of 13% by fiscal 2030 and total investments of ¥1.8 trillion over five years. Growth areas include LNG, solid-state battery materials, renewable energy and advanced materials businesses.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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