兵庫県知事選挙は現代の「忠臣蔵」!?「マスコミ(既得権益) vs SNS(民衆)」の戦い

兵庫県知事選挙は現代の「忠臣蔵」 政治と株価

兵庫県知事選挙」が白熱してきました。11月17日(日)投開票に向けて、あと1週間に迫った本日10日。朝からYouTube生配信を通じて現地の様子が届けられています。神戸駅前で候補者の斎藤元彦(さいとう もとひこ)氏が演説をしており、大観衆が集まって激励している姿が映し出されていました。7人が立候補者しており、稲村和美氏がリードしているものの、これを斎藤元彦氏が猛追している状況。あと1週間で、稲村氏が逃げ切るのか、あるいは、斎藤氏が追い上げて返り咲きするのか。ギリギリのラインだからこそ、一層注目度が高まっているのでしょう。

まさに”劇場”のようなドラマティックな展開を見せている兵庫県知事選挙。振り返ってみると、今年の春、TVを中心としたマスメディアから斎藤知事のパワハラやおねだりといった問題が大量に発信されたことから始まりました。私も当時はTVで見ておりましたが、当時は”かなり悪い人もいるもんだな”と思いながら見ていました。ただ、あまりに毎日のように報じされているので、”これほど執拗に報じるのはなぜだろう?”という素朴な疑問を感じていたのも事実です。その後、兵庫県の百条委員会が開かれ、奥谷県議を中心に斎藤知事が激詰めされる光景がTVで流されました。そして、県議会による不信任決議が可決され、10日以内に県議会を解散しなかった事により、斎藤氏は9月30日付で兵庫県知事を失職。誰にも見送られず、たった一人で兵庫県庁を後にしました。そして始まった今回の兵庫県知事選挙。斎藤氏は出直し選挙に立候補して街宣を開始しました。連日、X(旧Twitter)等を通じて、地道に謙虚に兵庫県内を回っている姿が届けられ始めました。私が感じたのは、投稿内容はオーソドックスなものですが、写真の構図が上手いこと。背景をダイナミックに映しつつ、斎藤氏がたった一人で頑張っていることが伝わる写真が多いのです。斎藤氏のお友達のボランティアが手掛けているにしては ちゃんと考えられているな、と。PR会社がついているような気もしますが、なんとも言えないところです。投稿内容は極めて素朴でシンプルですし。
ここで大きな転換点となったのが、”NHKをぶっ壊せ”というキャッチフレーズで有名なNHKから国民を守る党の立花孝志氏が登場したことです。立花氏自身も兵庫県知事選に立候補しつつ、彼には投票しないことを呼びかけ、斎藤氏の正しさや兵庫県の既得権益層の問題点を指摘する展開を見せました。これにより、斎藤氏への注目度が一層高まったと言えます。立花氏が斎藤氏を応援したというよりも、兵庫県民をはじめ全国の視聴者が今までのマスコミ主導の意見を一旦なくしニュートラルな視点を持つきっかけを作った、という効果があったと言えそうです。結果、当初は組織票の応援を得ている稲村氏が圧倒的にリードすると思われていましたが、斎藤氏が猛追しており、本日の白熱ぶりを見せているのです。

県知事時代の斎藤氏に問題があったのか、あるいは他の県議会議員たちに問題があったのか、について詳細はわからない点も多々あります。ただ、今回の兵庫県知事選には、日本人が好きな典型的なドラマの構図があるように私には思えます。

そのドラマの構図とは、たとえば「忠臣蔵」のストーリーです。
最近の令和世代の方々には馴染みがないかもしれませんが、「忠臣蔵」とは、江戸時代中期の赤穂事件をもとに創作された物語で、以前は年末になるとよくTVドラマが放映されて、風物詩となっていたものです。赤穂事件とは、赤穂藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に切腹させられたことに怒った赤穂浪士が敵討ちをするお話。これが実に盛り上がるのです。視聴者は自らも赤穂浪士になった気持ちで、ドラマにのめり込んで応援します。偶然にも、赤穂は兵庫県でもあります。

今回の兵庫県知事選挙では、権力者である吉良上野介の役が、TVを始めとしたマスメディアであり、兵庫県の既得権益にしがみつく県議会議員達。そして、赤穂藩主・浅野内匠頭役が、斎藤元彦前知事。そして、敵討ちをするために立ち上がった赤穂浪士が立花孝志氏であり、さらには、斎藤氏を応援する兵庫県民、SNSを通じて応援する民衆。兵庫県民以外の人も「忠臣蔵」の熱烈な視聴者として応援。そんな構図ができていると思います。しかも、その構図は無理やり作られたものではなく、元々 要素としてあったものかと。それが様々な人の登場の中で浮き彫りにされてきた。

「マスコミ(既得権益層) vs SNS(民衆)」
以前に痛い思いをさせられた”敵”がいるからこそ、その敵を見返してやろう、と思う気持ちもアツくなるものですよね。
兵庫県知事選挙は「令和の忠臣蔵」とも呼びたくなるようなドラマティックな要素があるように感じます。

兵庫県知事選挙について考えてみると、ここまで盛り上がっている背景には、今年の春先にTVを通じて、コテンパンに斎藤前知事がやられたからこそでしょう。そう考えてみると、やはりTVの影響力というものは、まだまだ強いものであることも実感させられますよね。斎藤前知事にとって、そのTVの影響力というものが当初は彼自身のマイナスなイメージを広めることに繋がってしまいました。ところで、そこで得た知名度があるからこそ、最近の逆転劇を狙うドラマティックな展開を人々から応援されるとも言えると思います。彼は、ピンチをチャンスに変えたのです。
さらに、インターネットが普及し、SNS全盛の現代という時代性も斎藤氏にとって追い風となっていると思います。

さてさて、投開票まであと1週間に迫り、これからの週は、さらにヒートアップすると思います。「忠臣蔵」で言えば、討ち入りに入るクライマックスシーンとも言えるでしょう。
果てして結果はいかに…
当初、稲村氏が圧倒的にリードしている状況でしたが、その後、斎藤氏が急激に追い上げている現在。稲村氏の場合、組織票が軸であるため、ここから先の伸び代はあまりないかもしれませんが、斎藤氏の場合、応援者が民衆。これから伸び代があると思われるので、逆転する可能性は残されているでしょう。あとは投票率がどこまで上がってくるか。兵庫県民の皆様の関心が高まり、投票率が上がった時、斎藤氏が勝利する可能性は高いと思います。

なお、今回の兵庫県知事選挙の結果が企業の株価にどのような影響を与えるか?
という点に関して、おそらく影響としては地元企業にとどまるかな、と思いますが、果たして… こちらも動向をチェックしていきます。

(追加)斎藤元彦氏 当選!! そして、”ドラマ第2章”へ?

11月17日、斎藤元彦氏 当選しました。
兵庫県民をはじめ日本中の民衆がSNSパワーにより 既得権益やマスコミに勝利した瞬間ですね。
一時は大劣勢だった状態からの大逆転劇。
この1ヶ月でのメイクミラクル!
すごいドラマでした。

今回の選挙は「SNSを通じた民衆が、マスメディアを通じた既得権益に勝利した」という点で後世に残るターニングポイントになったと思います。
ただ、単に「SNSの力が強まった」というだけでなく、「令和の忠臣蔵」とも言うべき構図の効果が強かったとも思います。

なお、この”ドラマ”は、これからも続くと思います。斎藤氏が兵庫県知事に復帰するまでが”第1章”で、知事就任後が”第2章”。今まで彼を叩いていたマスメディアや兵庫県議は やや大人しくはなるものの反抗を続けると思うので、”この対立構図がどのように展開していくのか”についてアテンションを集め続けることでしょう。これは兵庫県の話ではありますが、SNSが普及していることもあり、”常に全国放送されているドラマ”のように展開されていくように思います。

つくづく思うのは、放送作家によって作られた”TVドラマ”を見るよりも、今回の選挙のような現実世界で起きている出来事(”リアルドラマ”)の方が面白いな、と。20年くらい前、ライブドアが騒がれていた頃、私はこうしたことを感じたことがありましたが、今回の選挙であらためて実感しました。

(追加 2)
11月23日:「兵庫県知事選挙物語」第2章
https://stockexpress.jp/hyogo20241123/

コメント

PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

▼お問い合わせ

REQUEST(お問い合わせ)

▼Privacypolicy

Privacy policy (プライバシーポリシー)
私達のサイトアドレスは です。当サイトは、個人情報の保護に関する法令及び規範を遵守するとともに、以下のプライバシーポリシーに従い、ご提供いただいた個人情報を適切に取り扱い、及び、保護に努めます。また継続的な見直し、改善を行ないます。【個人情…

PVアクセスランキング にほんブログ村

タイトルとURLをコピーしました