EV戦略見直しで経営転換へ 三部社長「成長軌道へ必ず戻す」
大手自動車メーカー、本田技研工業株式会社(ホンダ)は6月26日、東京都内で第102回定時株主総会を開催し、三部敏宏社長ら取締役11人の選任議案を可決しました。2026年3月期は、電気自動車(EV)戦略の見直しに伴う巨額損失を計上し、1957年の東証上場以来初となる最終赤字へ転落したことから、会場では株主から経営責任や今後の成長戦略について厳しい質問や意見が相次ぎました。
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株主総会の冒頭、三部社長は「前期の決算が赤字となり、株主の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。そのうえで、事業構造の改革を進め、早期に成長軌道へ戻す考えを強調しました。
本日のホンダ株主総会の模様について、以下にて詳しく見ていきましょう!!
EV戦略の大転換が上場来初の赤字を招く
ホンダの2026年3月期連結決算(IFRS)は、最終損益が4239億円の赤字となりました。前期は8358億円の黒字であり、一転して過去最大級の業績悪化となりました。最大の要因は、EV市場の急速な環境変化を受けた戦略見直しです。
北米市場ではEV需要の伸びが想定を下回ったことから、開発を進めていたEV「0(ゼロ)シリーズ」の一部車種や北米向けEV3車種の開発・販売を中止。減損損失や部品メーカーへの補償費用などが一括計上され、巨額赤字につながりました。
三部社長は総会で、「市場が激変する中で事業化を強行することは未来のホンダのためにならないと判断した。大変苦渋の決断だった」と説明し、損失を受け入れてでも将来の収益性を優先した経営判断だったことを強調しました。
「責任を明確にしてほしい」株主から厳しい声
今回の株主総会では、業績悪化を受けて株主から厳しい意見が相次ぎました。
30年以上株式を保有する株主からは「4239億円もの赤字について経営責任をもっと明確にしてほしい」との声が上がったほか、「F1参戦と撤退を繰り返すなど経営に一貫性が感じられない」「株価も低迷している」といった経営姿勢を疑問視する意見も出されました。
さらに総会では、議案採決前に三部社長の解任を求める動議を提案する株主も現れましたが、正式な議案としては取り上げられませんでした。
それでも会社側が提出した取締役11人の選任議案はすべて可決され、三部社長を含む10人が続投することになりました。
次世代ホンダを担う48歳の新取締役が誕生
今回の総会では、新任取締役として四竈真人(しかま・まさと)氏が選任されました。
四竈氏は48歳で、企業変革責任者(Chief Transformation Officer)を務めています。これまでレベル3自動運転技術や、ソフトウエア更新によって性能を進化させるSDV(Software Defined Vehicle)の開発を主導してきた人物であり、ホンダが「ソフトウエア企業」へ変革していく中核人材と位置付けられています。
EV戦略を修正しながらも、自動運転やSDVなど将来技術への投資を継続する姿勢は変わらず、四竈氏の取締役就任はその象徴とも言えそうです。
三部社長「成長軌道へ戻すことが経営責任」
三部社長は株主に対し、「ホンダをいち早く成長軌道へ戻すこと、ホンダらしい多様なモビリティを世界へ届け続けることをスピード感を持って実行し、結果を出すことが私の経営責任だ」と強調しました。
ホンダは今後、EV一本足打法ではなく、ハイブリッド車(HEV)、内燃機関(ICE)、カーボンニュートラル燃料など複数の技術を組み合わせた「マルチパス戦略」へ舵を切ります。また、収益力の高い二輪事業や金融サービス事業を成長ドライバーと位置付け、四輪事業の収益改善を進める方針です。
投資家が注目するのは「信頼回復」と「利益体質への転換」
今回の株主総会では、経営陣への信任は維持されたものの、株主からの期待は決して楽観的なものではありませんでした。
EV市場を巡る急激な環境変化に対応するための戦略転換は一定の理解を得た一方、結果として上場以来初の赤字を計上した責任や、今後どのように収益性を回復していくのかについては、投資家の視線はこれまで以上に厳しくなっています。
今後は、四輪事業の収益改善、次世代ハイブリッド車の拡販、自動運転・SDV分野での競争力強化などを着実に実行し、「EV戦略の失敗」から「持続的成長への転換」へと結び付けられるかが最大の焦点となります。
ホンダは今回の株主総会を機に、新たな経営体制の下で再び成長企業としての姿を取り戻せるのか。市場は今後の実行力を厳しく見守っています。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Honda Shareholders Approve Board as Company Faces Historic Loss After EV Strategy Reset
TOKYO, June 26 — Honda Motor shareholders approved all 11 director nominees, including President Toshihiro Mibe, at the company’s annual general meeting on Thursday, despite mounting investor criticism following the automaker’s first-ever net loss since its 1957 stock market listing.
Opening the meeting, Mibe apologized to shareholders for the FY2026 loss, which totaled ¥423.9 billion ($2.7 billion) and was driven by massive impairment charges linked to Honda’s electric vehicle (EV) strategy overhaul. He pledged to restore the company to a growth trajectory through structural reforms and disciplined capital allocation.
Honda defended its decision to cancel several North American EV projects, saying deteriorating market conditions made further investment unjustifiable. Mibe described the move as a “difficult but necessary decision” to protect the company’s long-term competitiveness.
Shareholders questioned management’s accountability for the historic loss and criticized the company’s inconsistent long-term strategy. One shareholder even proposed Mibe’s dismissal during the meeting, although the motion was not formally considered.
Investors will now focus on whether Honda can successfully execute its revised strategy, which places greater emphasis on hybrid vehicles, software-defined vehicles (SDVs), autonomous driving technologies, and profitability after scaling back its aggressive EV expansion.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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