古河電気工業が一時14%超の急騰、4,000円台を回復
2026年9月9日の東京株式市場で、古河電気工業(東証プライム、証券コード5801)の株価が急騰しています。株価は一時、前日比530円高、率にして14.45%上昇の4,196円を付けました。短期間で大幅な値上がりとなり、東証プライム市場でも強い動きが目立つ銘柄の一つとなっています。終値は4,129円。この日の東証プライム株価値上がり率ランキングで2位となりました。
▼古川電工 株価推移(2026年9月4日~9日)

古川電工 株価推移(2026年9月4日~9日)
今回の株価上昇を直接的に後押ししたのは、前日の米国株式市場で光ファイバーや光通信関連企業の株価がそろって上昇したことです。とりわけ、世界的な光ファイバー大手である米コーニングの株価が7%あまり上昇したことで、日本市場でも光ファイバー関連企業を見直す動きが広がりました。
古河電気工業だけでなく、住友電気工業、フジクラ、SWCCなどの電線株にも買いが波及しました。さらに、精工技研やsantec Holdingsなど、データセンター向けの光学部品・光デバイスに関係する企業も上昇しています。
つまり、今回の古河電気工業の急騰は、同社固有の新たな材料だけによるものではありません。米国で示された大規模な光ファイバー需要をきっかけに、日本の光通信関連株全体へ資金が流入したことが最大の理由でしょう。
古川電工の株価上昇理由について、以下にて深堀してみます。
最大の材料は、コーニングとベライゾンの数十億ドル規模の契約
今回の相場を動かした中心的なニュースは、米コーニングと米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが、光ファイバーおよび接続ソリューションの長期供給契約を締結したことです。
両社が2026年9月8日に発表した内容によると、契約期間は2027年から2032年までで、契約額は数十億ドル規模となります。コーニングはベライゾンに対し、8,000万マイルを超える高密度光ファイバーと接続ソリューションを供給する予定です。
契約の目的は、全米における家庭・企業向けブロードバンド網の拡大だけではありません。生成AIの計算処理を担うデータセンター同士を結ぶ、高容量かつ低遅延の長距離通信網を整備する狙いもあります。ベライゾンは、通信サービスとAIインフラを支えるネットワークを一体的に構築する方針を示しています。
今回の契約は、一企業による単発の設備投資とは規模も期間も異なります。2032年まで続く長期契約であり、発注規模も数十億ドルに上ります。このため市場では、AI向けの光通信需要が一時的なテーマではなく、中長期的な設備投資サイクルへ発展する可能性が強く意識されました。コーニングとベライゾンの発表
生成AIの拡大には、半導体だけでなく「光の通信網」が必要
AI関連銘柄というと、これまではGPUをはじめとする半導体、半導体製造装置、データセンター向けサーバーなどが注目される傾向にありました。しかし、生成AIの利用が世界的に拡大するにつれ、データを高速で送受信する通信インフラの重要性も急速に高まっています。
大規模言語モデルの学習や推論では、膨大な数の演算装置を連携させる必要があります。データセンターの内部だけでなく、離れた場所にある複数のデータセンターや利用者を結ぶネットワークにも、高い通信容量と低い遅延性能が求められます。
この役割を担うのが光ファイバーや光コネクター、光デバイスなどの光通信関連製品です。AI半導体の性能が高まっても、その間を結ぶ通信網が十分でなければ、システム全体の能力を引き出せません。そのため、光通信インフラはAIデータセンター時代のボトルネックを解消する重要分野として再評価されています。
コーニングとベライゾンの契約は、生成AIの普及に伴って光ファイバー需要が実際の大型発注に結び付いていることを示しました。市場が反応したのは、契約そのものの大きさに加え、AIインフラ投資の裾野が光ファイバー分野まで本格的に広がってきたと受け止められたためです。
なぜ米国の契約が古河電気工業の買い材料になるのか
コーニングとベライゾンの契約は、古河電気工業が直接受注したものではありません。したがって、契約額がそのまま古河電気工業の売上高や利益に計上されるわけではない点には注意が必要です。
それでも古河電気工業が大きく買われたのは、同社が光ファイバー、光ケーブル、接続部品、光デバイスなど、AIデータセンターを支える光通信領域に幅広く関わっているためです。同社は「フォトニクス」を中核技術の一つに位置付け、光ソリューション事業を展開しています。古河電気工業公式サイト
世界的な通信会社やクラウド事業者が光通信網への投資を拡大すれば、関連する部材や機器の市場全体も成長する可能性があります。米国の大手企業による大型契約は、その需要の強さを確認する先行指標として受け止められます。
株式市場では、一社の大型受注をきっかけに、その企業と類似した製品を扱う企業や、同じ需要拡大の恩恵を受ける可能性がある企業まで買われることがあります。今回もコーニングの株価上昇を起点として、古河電気工業やフジクラ、住友電気工業など、日本の電線・光通信関連企業へ連想買いが広がった格好です。
古河電工は「電線会社」からAIインフラ企業へ再評価されるのか
古河電気工業は、光ソリューションのほか、情報コンポーネント、エネルギーインフラ、自動車電装システム、メタルソリューションなど、幅広い事業を展開しています。市場では伝統的な電線メーカーとして認識されることも多い企業ですが、現在はAI・データセンター市場との接点が株価評価を左右する重要な要素になっています。
特に注目されているのが、古河電工グループの光通信事業を担うLighteraです。同社は光ファイバーや光ケーブルなどを通じて、AI・データセンター市場への取り組みを進めています。古河電気工業自身も公式サイトで、AI・データセンター市場へグローバルに挑む事業としてLighteraを紹介しています。
生成AI市場が拡大するなかで、投資家は企業を従来の業種区分だけで評価しなくなっています。電線メーカーであっても、高密度光ファイバーや高速通信関連製品を供給できれば、AIインフラの成長企業として評価される余地があります。
今回の株価急騰には、米国発の好材料に反応した短期的な買いだけでなく、古河電気工業の事業構造を「AIデータセンターを支える光通信企業」として見直す動きも含まれていると考えられます。
コーニングだけでなく、米国の光通信関連株が軒並み上昇
9月8日の米国市場では、コーニングに加え、光学製品を手掛けるルメンタム・ホールディングスやコヒレントなども大幅に上昇しました。AI関連株全般の地合いが改善するなか、データセンター間通信を担う光通信企業へ買いが集まったことが、日本株にも波及しました。
複数の米国光通信株が同時に上昇したことは、今回の動きが特定企業の一時的な材料だけではなく、光通信セクター全体に対する成長期待を伴っていることを示します。
日本には古河電気工業、住友電気工業、フジクラという世界的な技術力を持つ電線大手があります。このため、米国でAI向け光通信投資が盛り上がると、翌日の東京市場では日本の電線株が関連銘柄として買われやすくなります。
9月9日の市場で複数の電線株や光学デバイス株がそろって値上がりしたことも、古河電気工業の急騰が個別要因ではなく、セクター全体への資金流入によるものであることを裏付けています。
AI向け需要と一般ブロードバンド需要が同時に拡大
今回のコーニングとベライゾンの契約で注目すべき点は、供給される光ファイバーがAI専用ではないことです。家庭や企業向けの高速ブロードバンド、携帯電話基地局、企業のデータセンター、AIハイパースケーラー向けの長距離通信網を、共通の大容量ネットワークで結ぶ計画です。
これは、光ファイバー需要に複数の成長要因が存在することを意味します。AI投資が拡大すればデータセンター間の通信需要が増加し、一般家庭への高速インターネット普及が進めばアクセス網の整備需要も増えます。通信会社がモバイルと固定回線を統合すれば、ネットワークの高密度化や更新投資も必要になります。
AIだけに依存せず、ブロードバンド、モバイル、企業通信という複数の用途から需要が発生する点は、光通信市場の中長期的な成長性を考えるうえで重要です。古河電気工業に対する投資家の期待も、こうした世界的な通信インフラ投資の広がりを背景としています。
今後の焦点は、期待が実際の受注と利益に結び付くか
もっとも、株価が急騰したからといって、古河電気工業の業績拡大が直ちに確定したわけではありません。今回発表された大型契約の当事者はコーニングとベライゾンであり、古河電気工業が直接の受注企業ではないことは冷静に確認する必要があります。
今後の株価を左右するのは、世界的な光ファイバー需要の拡大が、古河電気工業の受注高、売上高、利益率、設備稼働率にどこまで反映されるかです。AIデータセンター向け製品は高い成長が期待される一方、需要に対応するための設備投資負担や研究開発費、競合企業との価格競争も考慮しなければなりません。
また、今回のように海外市場の材料をきっかけとして急騰した銘柄は、短期的な利益確定売りによって値動きが荒くなる可能性があります。1日で14%を超える上昇は、市場の期待が急速に株価へ織り込まれたことを意味するため、上昇後の値動きには注意が必要です。
投資家にとっては、今後の決算説明資料や会社側のコメントを通じ、データセンター向け光通信製品の受注動向、生産能力の増強、採算改善の進捗を確認することが重要になります。
古河電気工業の急騰は「AIの次の主役」を探す動き
古河電気工業の株価が急騰している最大の理由は、コーニングとベライゾンによる数十億ドル規模の長期契約を受け、AI時代の光ファイバー需要が一段と拡大するとの期待が高まったことです。
AI関連投資の中心が半導体から、データを運ぶ光ファイバー、光デバイス、電力設備、冷却設備などへ広がるなか、古河電気工業はその恩恵を受け得る日本企業として注目されました。米国の光通信関連株の上昇、国内電線株への連想買い、AI関連株全体の良好な地合いが重なり、株価を一気に押し上げたと考えられます。
今回の急騰が持続的な上昇相場につながるかどうかは、期待だけでなく、古河電気工業自身の具体的な受注と利益成長にかかっています。AIインフラ投資という大きな追い風を、同社がどの程度業績へ取り込めるかが、今後の最大の注目点となりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK
EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Why Is Furukawa Electric’s Share Price Surging?
Furukawa Electric shares surged as much as 14.45% to ¥4,196 on September 9, following a rally in U.S. optical communications stocks. Corning gained more than 7% after announcing a multi-year, multi-billion-dollar supply agreement with Verizon.
Under the agreement, Corning will supply more than 80 million miles of high-density optical fiber and connectivity solutions between 2027 and 2032. The infrastructure will support broadband expansion and high-capacity, low-latency networks connecting AI data centers.
The announcement strengthened expectations that generative AI growth will drive sustained demand not only for semiconductors but also for optical fiber, cables and related components. Buying consequently spread to Japanese cable and optical communications stocks, including Furukawa Electric, Sumitomo Electric Industries, Fujikura and SWCC.
Furukawa Electric is viewed as a potential beneficiary because it operates across optical fiber, cables, connectivity products and optical components. However, it is not a direct party to the Corning-Verizon agreement. Investors will therefore focus on whether broader market growth translates into stronger orders, revenue and profitability for the company.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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