【フジクラ 決算発表】データセンター需要で利益急拡大!27年3月期経常益を4530億円へ上方修正、過去最高益を大幅更新へ

【フジクラ 決算発表】データセンター需要で利益急拡大!27年3月期経常益を4530億円へ上方修正、過去最高益を大幅更新へ 半導体関連銘柄

第1四半期の経常利益は2.7倍、利益率も異例の水準に上昇

いわゆる”電線御三家”(住友電気工業・古河電気工業・フジクラ)の一角、株式会社フジクラ <5803> [東証プライム]は8月7日午後2時、「2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算」を発表しました。売上高は前年同期比50%増の4020億円、営業利益は同2.6倍の1048億円、経常利益は同2.7倍の1115億円、親会社株主に帰属する純利益は同2.6倍の804億円となり、各段階利益で第1四半期としての過去最高を更新しました。

フジクラ決算

生成AIの普及やクラウドサービスの拡大を背景に、世界各地でデータセンターへの投資が活発化しています。こうしたなか、同社の光コンポーネント光ケーブルデータセンター向けエンジニアリング事業が大きく伸び、全社業績を強力に押し上げました。

特に目を引くのが収益性の急改善です。第1四半期の売上高営業利益率は26.1%となり、前年同期の15.3%から10.8ポイント上昇しました。売上高が約5割増えた一方、営業利益は約2.6倍に拡大しており、単なる販売数量の増加だけでなく、値上げや高採算製品へのシフト、品種構成の良化が利益成長に大きく寄与したことが分かります。

第1四半期の経常利益は、従来の上期予想1770億円に対して63%まで進捗しました。純利益についても従来上期予想1280億円に対する進捗率は63%に達しており、期初段階から会社計画を大きく上回るペースで推移していました。

情報通信事業が成長を主導、営業利益率は37%に到達

業績拡大の中心となったのは情報通信事業です。同事業の第1四半期売上高は前年同期比1206億円増の2644億円、営業利益は同640億円増の980億円となりました。営業利益率は前年同期の23.6%から37.0%へ上昇しています。

情報通信事業だけで全社営業利益1048億円の大部分を稼ぎ出しており、現在のフジクラがデータセンター関連需要の恩恵を非常に強く受ける収益構造になっていることが鮮明になりました。

米国内外でデータセンター投資が拡大するなか、光コンポーネント、光ケーブル、データセンター向けエンジニアリングの受注が堅調に推移しました。とりわけ、米国以外の新規データセンター案件として受注した光コンポーネント製品の販売増加が利益成長に寄与しています。

営業利益の前年同期比637億円の増加要因を見ると、売上増加に伴う限界利益の増加が361億円、値上げや品種構成の良化などが234億円となりました。為替影響による94億円、銅価格の影響による9億円に加え、国際緊急経済権限法に基づく関税の還付も38億円の増益要因となっています。一方、人件費や事業拡大に伴う費用などの固定費増加が99億円の減益要因となりましたが、売上拡大と採算改善による効果がこれを大幅に上回りました。

売上高の増加額1341億円のうち、為替の影響が326億円、銅価格の影響が87億円、これらを除く実質的な増収が929億円でした。円安や銅価格上昇が売上高を押し上げた面はあるものの、業績拡大の中心は実需の増加であり、データセンター関連製品・サービスの販売成長が基礎となっています。

光ファイバーの供給制約に対応、コンポーネントとエンジニアリングを拡大

世界的に光ファイバーの需給が逼迫するなか、フジクラは光ファイバーの販売数量だけに左右されにくい事業領域へ経営資源を投入しています。具体的には、高付加価値の光コンポーネント製品やデータセンター向けエンジニアリング事業を拡大し、需要の取り込みと利益率の向上を同時に進めています。

供給体制については、国内の光ケーブル新工場で生産性改善が進んでいるほか、複数のサプライヤーから光ファイバーを外部調達することで供給能力を強化しています。需要が旺盛でも製品を供給できなければ売上高には結びつかないため、外部調達を含む供給力の確保は今後の成長を左右する重要な取り組みです。

また、当初懸念されていた水素の調達不足についても、第1四半期は在庫の活用や使用量削減策によって業績への影響を抑えました。会社側は、調達先の多様化や自社生産の一部前倒しも進めており、水素供給問題による業績への影響は、6月18日時点の想定より緩和したと説明しています。

通期経常利益を4530億円へ43%上方修正

好調な第1四半期実績と最新の受注状況を受け、フジクラは2027年3月期の通期業績予想を大幅に引き上げました。

通期売上高予想は従来の1兆4620億円から1兆7550億円へ、営業利益予想は3100億円から4320億円へ、経常利益予想は3160億円から4530億円へ、純利益予想は2290億円から3260億円へ上方修正しました。

経常利益の修正幅は1370億円、率にして43.4%に達します。前期実績の1994億円に対する増益率は、従来予想の58.4%増から約2.3倍へ拡大しました。5期連続となる過去最高益の更新を見込むだけでなく、その最高益予想を大幅に上積みした形です。

営業利益率の通期予想も、従来の21.2%から24.6%へ3.4ポイント引き上げられました。売上高の上方修正率を営業利益の上方修正率が大きく上回っているため、追加受注の採算性が高いことがうかがえます。

会社側は今回の上方修正について、期初計画を上回る受注の進捗に加え、光コンポーネント製品の大型案件について受注確度が高まったと判断したためと説明しています。

6月に続く再上方修正、下期の大型案件も業績予想に反映

フジクラは6月18日にも、光コンポーネント製品の大型案件における上期受注分などを反映し、業績予想を上方修正していました。今回は、それから約1カ月半での再上方修正となります。

6月18日時点の予想には主として上期受注分が反映されていましたが、今回の8月7日予想では、下期についても米国以外の新規データセンター向け大型案件の受注確度が高まったと判断し、通期計画に織り込みました。

上期についても、売上高予想を7780億円から8210億円へ、営業利益予想を1740億円から1980億円へ、経常利益予想を1770億円から2090億円へ、純利益予想を1280億円から1490億円へ引き上げました。

上期経常利益は前年同期の917億円に対して約2.3倍となる見通しで、3期連続となる上期の過去最高益予想を一段と上積みしています。

もっとも、第1四半期の営業利益1048億円に対し、上期予想は1980億円であるため、会社計画から逆算した第2四半期の営業利益は約932億円となります。第1四半期からはやや減少する想定ですが、前年同期の491億円と比べれば約9割の増益となる計算です。上方修正後の計画も、引き続き高い利益水準を前提としています。

さらに、下期の営業利益予想は2340億円であり、上期予想の1980億円を上回ります。今回の修正が第1四半期の好調だけを反映したものではなく、下期の大型案件や旺盛な需要の継続を見込んだ内容であることは、投資家にとって重要なポイントとなります。

情報通信事業の通期営業利益を4018億円へ引き上げ

セグメント別の通期予想では、情報通信事業の売上高を従来の9383億円から1兆1942億円へ、営業利益を2843億円から4018億円へ引き上げました。営業利益の上方修正額は1175億円に達し、全社営業利益の修正額1220億円のほとんどを情報通信事業が占めています。

同事業の営業利益率予想は30.3%から33.6%へ上昇しました。前期の情報通信事業の営業利益は1527億円だったため、今期予想の4018億円は約2.6倍に相当します。フジクラの業績変化は、データセンター向け光関連事業の急成長によってもたらされていることが明確です。

エネルギー事業についても、高採算案件の獲得や売価改善を背景に、売上高予想を1517億円から1770億円へ、営業利益予想を102億円から148億円へ引き上げました。第1四半期は売上高436億円、営業利益53億円と増収増益で、営業利益率も前年同期の9.4%から12.1%へ上昇しました。

エレクトロニクス事業では、通期売上高予想を1710億円とほぼ据え置く一方、営業利益予想を92億円から107億円へ引き上げました。第1四半期はスマートフォン向け製品の品種構成変化や材料費高騰の影響を受け、売上高353億円、営業利益4億円にとどまりました。ただ、データセンター向け需要の拡大を背景にHDD関連は堅調であり、歩留まり改善や生産性向上による挽回を見込みます。

自動車事業は、欧州での増産などにより売上高予想を1835億円から1961億円へ引き上げましたが、営業利益予想は59億円から42億円へ引き下げました。新車種の立ち上げに伴う費用や生産性の課題が残っており、情報通信事業とは対照的に収益性改善が今後の課題となります。

為替前提の変更も上方修正に寄与

今回の業績予想では、第2四半期以降の為替前提を1ドル=160円とし、従来の150円から円安方向へ変更しました。フジクラの対ドル為替感応度は、1円の変動につき年間営業利益で約27億円とされています。

円安前提への変更が上方修正を支える一因になっているため、今後急速に円高が進んだ場合は、円換算後の売上高や利益に下押し圧力がかかる可能性があります。一方、今回の上方修正は為替効果だけでは説明できず、光コンポーネント製品の大型案件や受注拡大、値上げ、品種構成の改善が中心です。

関税については、国際緊急経済権限法に基づく関税の還付62億円を上期計画に織り込む一方、米通商法301条に基づく新たな関税の影響も予想に反映しています。第1四半期に計上した関税還付など、一時的な利益押し上げ要因が含まれる点には注意が必要ですが、それを除いても本業の増益額は大きいとみられます。

事業拡大で運転資本は増加、財務の健全性は維持

2026年6月末の総資産は1兆707億円となり、3月末から1012億円増加しました。データセンター向けを中心とする事業拡大を背景に、売上債権が619億円増の3145億円、棚卸資産が259億円増の2097億円となり、運転資本が拡大しています。

急成長局面では、売上高や利益が伸びても、売上債権や在庫の増加によって現金化までの時間が長くなる場合があります。今後は利益成長だけでなく、営業キャッシュフローや在庫回転、売上債権の回収状況も確認する必要があります。

一方、自己資本比率は56.8%と高い水準を維持しています。ネットキャッシュは3月末の962億円から6月末には764億円へ減少しましたが、引き続き現預金が有利子負債を上回っており、財務基盤は健全です。設備投資や供給能力の拡充を進めながら、株主還元を強化できる余力を有していると考えられます。

配当予想は38円で据え置き、増配余地が焦点に

業績予想を大幅に引き上げた一方、年間配当予想は1株38円で据え置きました。内訳は中間配当19円、期末配当19円です。

ただし、同社は2026~2028年度を対象とする中期基本方針において、配当性向40%を目安に株主還元を実施する方針を示しています。今回引き上げた1株当たり年間利益予想は196.88円であり、年間配当38円を前提とした予想配当性向は約19%にとどまります。

会社側は、2027年3月期の配当予想の修正について、第2四半期決算を踏まえて決定するとしています。このため、現時点での配当据え置きは業績改善を株主還元に反映しないという意味ではなく、上期実績や下期の受注状況を確認したうえで改めて判断する姿勢とみられます。

仮に配当性向40%を機械的に当てはめれば、現在の利益予想に対する年間配当の目安は1株当たり約79円となります。ただし、実際の配当額は投資計画や資金需要、利益の持続性などを踏まえて決まるため、必ずしもこの水準まで引き上げられるとは限りません。それでも、業績予想の大幅な上方修正を受け、第2四半期決算時の増配発表に対する市場の期待は高まりそうです。

投資家の焦点は成長の持続性と受注の実現度へ

今回の決算は、第1四半期の大幅増益、通期計画の再上方修正、利益率の急上昇という複数の好材料がそろった内容です。データセンター向け需要の拡大を数量増加だけでなく、高付加価値製品、値上げ、品種構成改善によって高い利益成長へつなげている点が評価材料となります。

また、6月時点では上期分を中心に織り込んでいた大型案件について、今回は下期分の受注確度も高まったとして業績予想へ反映しました。これは、足元の好調が一時的なものではなく、少なくとも今期後半まで継続するとの会社側の見方を示しています。

一方、通期計画に占める情報通信事業の割合が一段と高まるため、データセンター投資の変動、主要顧客の設備投資計画、光ファイバーや水素の供給制約、為替相場、関税政策などが業績に与える影響も大きくなります。自動車やエレクトロニクスといった非情報通信分野の採算改善が遅れている点も、事業ポートフォリオ全体を見るうえで無視できません。

今後の株価を考えるうえでは、大幅な上方修正そのものに加え、第2四半期以降に光コンポーネントの大型案件が計画通り売上高へ転化するか、情報通信事業の30%を超える営業利益率を維持できるか、増加した運転資本をキャッシュフローへつなげられるかが重要になります。さらに、第2四半期決算時に予定される株主還元方針の見直しも大きな注目材料です。

フジクラは新たな中期経営計画で掲げる「第4の創業」に向け、極めて力強いスタートを切りました。今期予想を達成すれば、経常利益は前期の2倍を超え、ROEも47.1%という高水準に達する見通しです。データセンター関連企業としての成長評価が一段と高まる可能性がある一方、株式市場では今後、急成長をどの程度継続できるかという、より高い水準の期待に応え続けることが求められそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Fujikura Raises Full-Year Profit Forecast as AI Data Center Demand Fuels Growth

Fujikura Ltd. (TSE: 5803) reported a sharp rise in first-quarter earnings, driven by strong global demand for optical components and cables used in data centers.

For the April–June quarter, revenue rose 50% year on year to ¥402.0 billion. Operating profit surged 155% to ¥104.8 billion, while recurring profit increased 167% to ¥111.5 billion. Net profit attributable to shareholders reached ¥80.4 billion, up 157%.

The operating margin climbed to 26.1% from 15.3% a year earlier, supported by higher sales, price increases and an improved product mix.

Fujikura’s Telecommunications Systems segment was the main growth driver. Segment revenue rose to ¥264.4 billion, while operating profit nearly tripled to ¥98.0 billion. Its operating margin expanded to 37.0%, reflecting robust investment in AI and cloud data centers in the United States and other markets.

Following the strong results and improved order visibility, Fujikura raised its full-year recurring profit forecast by 43.4%, from ¥316.0 billion to ¥453.0 billion. This would represent a 127% increase from the previous year and mark a fifth consecutive record high.

The company also lifted its full-year revenue forecast to ¥1.755 trillion and operating profit forecast to ¥432.0 billion. It said the revision reflects stronger-than-expected orders and increased confidence in securing large optical-component projects for the second half.

Fujikura maintained its annual dividend forecast at ¥38 per share but said it would reconsider shareholder returns after the first-half results. With the company targeting a payout ratio of around 40%, a potential dividend increase is likely to remain a key focus for investors.

Looking ahead, investors will monitor whether Fujikura can sustain its high margins and convert large data center orders into sales. Foreign-exchange movements, supply constraints and the growing concentration of earnings in the telecommunications business remain key risks.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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