2025年10月30日、半導体製造装置向け部品メーカーの株式会社フェローテックホールディングス(以下、フェローテック)の株価が急騰しました。
これは、アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の長女・野村絢氏が、同社株の5.31%を取得したとの報道を受けた動きです。最近、野村絢氏の活動が活発化してますよね。以下に詳しく見ていきましょう。
村上ファンド系がフェローテック株を5.31%取得
10月29日、旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が関東財務局に大量保有報告書を提出しました。
報告書によると、野村絢氏が250万1200株(5.31%)を保有し、シティインデックスイレブンスも100株を保有しています。
保有目的については「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」と記載されており、アクティビストとしての積極的な関与が示唆されています。
このニュースを受け、フェローテック株は取引開始直後から買いが殺到。
一時5,190円の上場来高値を記録し、終値は前日比大幅高の4,985円で取引を終えました。
この上昇により、同社は念願のPBR1倍を達成しています。
▼フェローテック株価推移(2025年10月27日〜30日)

半導体市場の追い風とフェローテックの強み
フェローテックは、半導体製造装置に不可欠な基幹部品や消耗部品を供給する世界的メーカーです。
真空環境を維持するためのパーツや、精密温度制御に用いる電子機器、さらには石英・セラミックスといった素材製品など、同社は半導体製造プロセスを幅広く支えています。
1980年の設立以来、同社は独自技術である「磁性流体」の開発から事業をスタートしました。
その後、M&Aを通じて事業領域を拡大し、半導体プロセスの各段階で欠かせない製品ポートフォリオを形成してきました。
現在では、生成AIやデータセンター需要の拡大に伴い、フェローテックの製品需要も着実に高まっています。
新たな成長拠点「熊本工場」竣工
さらに、フェローテックは10月29日に熊本県菊池郡大津町に建設していた「熊本工場」の竣工式を開催しました。同工場は、半導体製造装置向け精密部品再生洗浄サービスを提供する国内最大級の拠点です。
このサービスでは、製造工程で使用される部品に付着した汚れを除去し、摩耗・損傷した部材を修理・再生します。
特に、ナノメートル単位の微細加工が進む中で、最先端の一桁ナノ領域に対応する洗浄技術を有しており、製造装置メーカーごとの多様なニーズに応えています。
また、フェローテックグループは石英・セラミックス・シリコン・CVD-SiCといった素材の製造からコーティング・再生まで一貫対応体制を構築しており、サプライチェーン全体での付加価値創出を目指しています。
今後の見通し
アクティビストの参入による経営改革期待に加え、半導体産業の回復基調と熊本工場の稼働開始が重なり、フェローテックは今後さらなる成長局面を迎える可能性があります。アクティビストとしてその名を轟かせている村上ファンド系が5.31%取得したことも追い風となり、フェローテックの株価は上場来高値を更新し、PBR1倍を達成。新工場の竣工により、成長基盤がさらに強化。半導体市場の追い風と経営改善期待が株価を押し上げる要因となっています。
株価の上昇は一時的な動きにとどまらず、企業価値向上への転機となるか、注目していきたいと思います。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699





コメント