東京証券取引所(東証)の取引時間が、11月5日(火)から延長となります。現物株取引の終了時間は今まで午後3時まででしたが、今後は午後3時30分まで延長。「取引時間の変更って、聞いたことがないな」と思いましたが、それもそのはず、東証の取引時間はなんと70年ぶりなのだそうです。目的は、投資家の売買チャンスを増やすことだそう。確かに後場終了間近の3時頃は取引に熱中している方が多い時間でしょうから、30分も伸びると取引も増えそうですよね。
企業の決算発表のタイミングはどうなるのか?
東証の取引時間延長に伴い、注目すべきは、決算発表のタイミングでしょうね。
決算発表は今まで、東証の取引時間終了後に行われることが多く、24年4-6月期の決算発表の実に80%もの企業が、取引時間終了後に行われていました。3時ちょうどのところが多かったですよね。なので、決算発表直前の取引は、読みが当たるのか外れるのか、ちょっとスリリングでしたよね。外れた場合、翌営業日までどうすることもできなく、ヤキモキしながら見守るしかなかったのです。
今回、東証の取引時間延長がまもなくスタートするにあたり、多くの企業が今まで通りの3時に決算発表をするとなると、”引け直前”に決算発表がなされることになりますw 決算発表時というのは、投資家が内容を吟味し、”内容が良いのか悪いのか”情報を消化する時間も必要ですよね。3時に決算発表がなされ、3時半に取引時間が終了すると、決算発表の情報を投資家が消化している間に引けてしまうことにもなりかねないな、とも思います。「企業の決算発表の時間も後ろ倒して、引け後にするのかな?」と私は思いましたが。情報をいち早く市場に流し、取引活性化につなげようとする企業も多いようで、決算発表が取引時間内に前倒しして行われるケースも増えそうです。実際に、東証も上場企業に対して「より速やかに情報開示すること」を促しているようで、決算発表前倒しの動きを後押ししていきそうです。東証は、前場の取引開始前やお昼休みなどに開示することを提案しているようです。
この方向性を受け、早速 決算発表の時間を前倒しした企業の事例を下記に掲載してみます。
・ホンダ:午後1時(11月6日)
・IHI:午後1時(11月6日)
・H2O:午後2時(11月6日)
・富士フイルムHD:午後2時(11月6日)
場中発表が増えそうですね。
取引時間内に決算発表が行われるようになると、投資家にとってどんな変化が起きるのか?
今までは、3時に決算発表がなされ、翌営業日までにどう動くかを決めれば良かったのですが、今後は、発表タイミングで張り付いて見ていないといけなくなる場面も多くなりそうです。サラリーマンの方がトイレに駆け込む場面も出てくるのではないでしょうか?w
また、取引をする企業が1社のみであれば、集中して見ていれば対応はできますが、同日に複数企業の決算発表がある場合、同時に判断をしなくてはならなくなり、聖徳太子なみのスピーディーな判断力、同時処理能力が求められる場面も出てきそうですw こうなってくると、AIに依頼せざるをえなくなりそうですよね。機械取引(アルゴリズム取引)の強みは増しそうです。そうなると、投資家が判断している間に株価が動き始めてしまい、アタフタする場面も増えるかも。機械に人間が負ける場面も出てきそうですですよね(汗。
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