ディスコ、生成AI需要で利益急拡大!第1四半期経常益42%増、営業利益率42.9%――上期最高益・増配で半導体株の主役継続へ

ディスコ、生成AI需要で利益急拡大!第1四半期経常益42%増、営業利益率42.9%――上期最高益・増配で半導体株の主役継続へ 株式劇場

半導体製造装置大手の株式会社ディスコ(6146)が、生成AI市場の拡大を追い風に高成長を続けています。
同社は7月23日 16:00(取引終了後)、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比27.1%増の1,143億円、営業利益は同42.2%増の490億円、経常利益は同42.5%増の484億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同44.0%増の342億円となりました。
売上高の伸びを大幅に上回る利益成長を実現しており、生成AI向けの先端半導体投資がディスコの業績を力強く押し上げています。さらに、これまで非開示だった2026年4~9月期の業績予想を公表し、上期の経常利益が前年同期比31.9%増の1,048億円と、3期連続で過去最高益を更新する見通しを示しました。
業績拡大に伴い、中間配当予想も前年同期の129円から171円へ42円増額しました。増益、最高益更新、増配という好材料がそろった今回の決算は、ディスコの圧倒的な収益力をあらためて市場に印象づける内容となっています。
以下にて深堀していきましょう!!

第1四半期の経常利益は42.5%増、純利益も44%増

第1四半期の売上高は1,143億円となり、前年同期の899億円から約244億円増加しました。営業利益は前年同期の344億円から490億円へ、経常利益は339億円から484億円へ拡大しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益も、前年同期の237億円から342億円へ増加しました。1株当たり四半期純利益は、前年同期の219.23円から315.51円へ大きく伸びています。
今回の決算で注目すべき点は、単純な増収にとどまらず、売上高以上のペースで利益が増加していることです。売上高が27.1%増だったのに対して、営業利益は42.2%増、経常利益は42.5%増、純利益は44.0%増となりました。
この差は、製品構成の改善や円安効果などによって、売上高の増加が効率的に利益へ結びついたことを示しています。人件費や研究開発費といった販売管理費は増加したものの、それを吸収してなお大幅な増益を達成しました。

営業利益率42.9%、驚異的な収益性を実現

特に市場の注目を集めそうなのが、営業利益率の上昇です。
第1四半期の売上高営業利益率は42.9%となり、前年同期の38.3%から4.6ポイント上昇しました。売上高1,000円に対して約429円の営業利益を生み出す計算であり、製造業として極めて高い収益性です。
売上総利益率も前年同期の68.1%から71.3%へ3.2ポイント上昇しました。会社側は、為替の影響に加え、高付加価値製品の増加によって収益性が向上したと説明しています。
ディスコは、半導体ウエハーを切断する「ダイサ」や、薄く研削する「グラインダ」などの精密加工装置で高い競争力を持っています。生成AI向け半導体では、高性能化に伴ってチップの積層や薄型化、微細加工の重要性が増しているため、高精度な加工技術を持つディスコの製品価値も上昇しています。
単に設備投資の数量が増えているだけでなく、高付加価値な装置の販売比率が高まっていることが、利益率上昇につながったと考えられます。

生成AI・HBM向け需要が成長をけん引

好決算の最大の原動力は、生成AIの普及を背景としたデータセンター投資です。
AIサーバーには、GPUなどの先端ロジック半導体に加え、大量のデータを高速処理するためのHBM(高帯域幅メモリ)が搭載されます。HBMは複数。HBMは複のメモリーチップを垂直方向に積層するため、ウエハーの薄化や高精度な切断・研削といった工程が不可欠です。
こうした製造工程でディスコのダイサやグラインダが使用されることから、生成AI向け半導体の増産は同社に直接的な追い風となります。
会社側によると、第1四半期は先端ロジックやHBMなど、高性能半導体向けの需要が高水準で推移しました。精密加工装置の出荷は、生成AIを中心とするIC向けが好調だったほか、ダイサではパワー半導体向けも増加しました。
精密加工装置の第1四半期出荷構成比は64%で、このうちダイサが33%、グラインダが26%を占めました。精密加工ツールは20%となっています。
地域別では海外売上高比率が90.8%に達しており、アジアが全体の82%を占めました。台湾が34%、中国が27%、韓国が11%となっており、世界の主要な半導体生産拠点に対する高い供給力がディスコの成長を支えています。

出荷額は過去最高、将来の売上につながる強い先行指標

第1四半期の出荷額は、前年同期比22.3%増の1,359億円となり、四半期ベースで過去最高を更新しました。
出荷額が売上高の1,143億円を上回っている点も重要です。ディスコは製品の検収時点で売上を計上しているため、すでに出荷したものの顧客による検収が完了していない装置は、将来の売上として計上される可能性があります。
実際、第1四半期末の棚卸資産は前期末から116億円増加し、1,529億円となりました。会社側は、主に出荷済みで未検収となっている製品在庫が増加したと説明しています。
これは短期的には在庫増加として表れますが、需要の強さを示す側面もあります。検収が順調に進めば、第2四半期以降の売上計上につながるためです。
さらに会社側は、7~9月期の出荷額を1,410億円と予想しています。第1四半期の1,359億円をさらに上回る計画であり、生成AI向けを中心とした需要が引き続き高水準で推移することを示唆しています。

上期経常利益は1,048億円、3期連続の最高益へ

ディスコは今回、これまで非開示としていた2026年4~9月期の連結業績予想を公表しました。
上期の売上高は前年同期比24.8%増の2,428億円、営業利益は同33.0%増の1,049億円、経常利益は同31.9%増の1,048億円、純利益は同32.0%増の738億円を見込んでいます。経常利益は3期連続で上期の過去最高を更新する見通しです。
第1四半期の実績から逆算すると、7~9月期には売上高約1,285億円、営業利益約559億円、経常利益約564億円、純利益約396億円を見込んでいることになります。
第2四半期の営業利益率は約43.5%となる計画で、第1四半期の42.9%をさらに上回る見通しです。四半期業績は検収時期によって変動しやすいものの、会社側の計画からは、高収益な製品構成が続くとの見方がうかがえます。
ディスコは、半導体・電子部品業界の設備投資需要が短期間で大きく変動することから、通期予想ではなく「1四半期先まで」の業績予想を開示しています。そのため、現時点では2027年3月期通期の業績予想は示していません。

中間配当は171円、前年同期から32.6%増配

好調な業績を受けて、ディスコは未定としていた中間配当を1株当たり171円とする方針を示しました。前年同期の129円と比べて42円、率にして約32.6%の増配です。
同社は原則として、連結半期純利益の25%を年2回の配当に充てる方針を採用しています。加えて、法人税と配当の支払い後に残る現預金が、設備拡張や技術取得などに必要な資金を上回った場合、その超過額の3分の1を目安として追加配当を実施する方針です。
つまり、ディスコの配当額は業績と資金需要に連動しやすく、利益成長が株主還元の拡大につながる仕組みになっています。
なお、期末配当は引き続き未定です。前期の年間配当は505円でしたが、今期の年間配当がこれを上回るかどうかは、下期の業績や設備投資、期末時点の現預金水準などによって決まることになります。

消耗品の過去最高更新も業績の安定性を高める

ディスコの強みは、精密加工装置の販売だけではありません。装置で使用される切断用ブレードなどの精密加工ツールも、継続的な収益源となっています。
第1四半期の精密加工ツール売上高は、顧客の設備稼働率上昇や為替の影響などによって前年同期から大幅に増加し、過去最高を更新しました。
装置販売は半導体メーカーの設備投資計画や検収時期によって変動しやすい一方、消耗品は納入した装置の稼働に伴って継続的に需要が発生します。装置の設置台数が増えるほど消耗品の販売機会も拡大するため、長期的には収益の安定化につながります。
生成AI向け半導体工場の稼働率が高水準を維持すれば、装置販売に加え、精密加工ツールの需要も増えるという二重の恩恵が期待できます。

研究開発とが高水準を維持すれば、装置販売に加え、精密加工ツールの需要も増えるという二重の恩恵が期待生産能力増強にも積極投資

業績が拡大するなか、ディスコは将来の成長に向けた投資も継続しています。
2027年3月期は、設備投資約330億円、減価償却費約160億円、研究開発費約380億円を計画しています。設備投資には羽田R&Dセンターの建て替えや、広島事業所における新工場の建設が含まれます。
羽田R&Dセンターの新棟には、2026年3月期から2028年3月期にかけて約140億円を支出する予定です。広島事業所の新工場には、同じ期間に約330億円を投じる計画です。
生成AI半導体は世代交代のスピードが速く、チップ構造やパッケージ技術も複雑化しています。ディスコが高い市場競争力を維持するためには、加工精度や生産性を高めるための研究開発が欠かせません。
短期的には人件費や研究開発費の増加要因となりますが、営業利益率が40%を超えるなかで積極投資を継続できていることは、財務体質と収益基盤の強さを示しています。

株価の焦点は「高成長の持続性」と「期待値の高さ」

今回の決算は、売上高、営業利益、経常利益、純利益がそろって大幅に増加し、営業利益率も上昇する力強い内容でした。上期最高益の更新と増配も加わり、業績面では非常に良好な決算と評価できます。
ただし、株価の反応を考える際には、実績の良さだけでなく、市場が事前にどこまで好業績を織り込んでいたかが重要です。
ディスコはAI・半導体関連株の代表格として投資家から高い成長期待を集めています。そのため、好決算であっても市場予想をどの程度上回ったか、第2四半期の出荷・利益計画が期待を満たしたかによって、株価が大きく変動する可能性があります。
また、第2四半期の想定為替レートは1ドル=159円、1ユーロ=182円です。海外売上高比率が90%を超えるディスコにとって円安は業績の追い風となりますが、急速な円高が進んだ場合は利益率の押し下げ要因になります。会社側はドル円の為替感応度について、年間換算で1円当たり約19億円と説明しており、為替変動の影響は小さくありません。
このほか、AIデータセンター投資の減速、先端半導体メーカーの設備投資計画変更、米中関係を巡る輸出規制、顧客による検収時期のずれなどにも注意が必要です。

ディスコは「生成AI設備投資の本命株」であり続けるか

今回の決算では、生成AI向けの先端ロジック半導体やHBM需要が、ディスコの装置出荷、消耗品販売、利益率を同時に押し上げていることが鮮明になりました。
第1四半期の出荷額は過去最高を更新し、第2四半期にはさらに高い1,410億円を見込んでいます。営業利益率は42.9%に達し、上期経常利益は3期連続で最高益を更新する見通しです。中間配当も前年同期から42円増額されるなど、成長の成果は株主還元にも反映されています。
ディスコはAI半導体そのものを製造する企業ではありません。しかし、半導体の高性能化や積層化が進むほど、高精度な切断・研削技術の重要性が高まるため、生成AI時代の半導体製造に不可欠な企業の一つと位置付けられます。
今後の焦点は、AI関連投資の勢いがどこまで続くか、過去最高の出荷が計画通り売上と利益に転換されるか、そして40%を超える営業利益率を維持できるかです。
今回発表された大幅増益、上期最高益予想、増配という三つの材料は、ディスコが生成AI・半導体設備投資相場の中心銘柄であることを、あらためて示す決算だったといえるでしょう。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

DISCO Posts 42% Profit Growth as AI and HBM Demand Drives Record Shipments

DISCO Corporation (TSE: 6146), a leading Japanese semiconductor equipment maker, reported strong results for the April–June quarter, supported by robust demand for advanced logic chips and high-bandwidth memory used in generative AI servers.

Revenue increased 27.1% year on year to ¥114.3 billion, while operating profit jumped 42.2% to ¥49.0 billion. Recurring profit rose 42.5% to ¥48.4 billion, and net profit climbed 44.0% to ¥34.2 billion.

Operating margin improved from 38.3% to 42.9%, reflecting a stronger mix of high-value products and favorable currency effects. Shipments reached a quarterly record of ¥135.9 billion, driven by wafer dicing and grinding equipment for AI-related semiconductors. Sales of consumable precision-processing tools also hit a record high.

For the first half ending September 2026, DISCO forecasts recurring profit of ¥104.8 billion, up 31.9% and marking a third consecutive record first-half result. The company also raised its interim dividend from ¥129 to ¥171 per share.

Investors will now focus on whether AI infrastructure spending remains strong, whether DISCO can maintain margins above 40%, and how currency movements affect earnings. Despite these risks, the results reinforce DISCO’s position as a key beneficiary of global AI and HBM investment.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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