なぜ円安なのに株安になるのか?
ここ最近、為替(ドル円)は円安方向に動いていて、今日は152円台まで進んでいます。今までは、為替が円安方向に進むと株高になる傾向がありました。円の価値が下がるわけですから、株価を円で計算した時に「ゲタを履く」構図で高くなる傾向があったのと思います。企業価値が高まったわけではないのに、株価が上昇している状態。それでも、株価が上がっていたので、すこしは救われた感があったものです。しかし、今回は、円安方向へと進んでいるにもかかわらず、株価が上がるどころか下がっているのです。今までの「円安=株高」という方程式が崩れ、「円安株安」状態になってしまっているのです。なぜ、円安なのに株安になっているのでしょうか?円安なのに株安になっている理由は、「円安が進むと日本銀行が追加利上げを早めに実施するであろう」という憶測が世界的になされるから、というものが最も強い理由として考えられます。業種にもよりますが、利上げは、基本的には株価に逆風になる場合が多いですよね。なので、日経平均株価としては、下落方向に進みがちなのかと。では、なぜ円安が進むと、日銀が追加利上げを早める可能性が高まるのでしょうか?これは、ちょうど7月末頃にそうであったように、「円安を抑えるために利上げに踏み切る」という意味合いもあると思います。円安への牽制。ただ、もっと強い理由として、「円安が進めば物価上昇率が高まるため、追加利上げ実施のための条件が整うから」というものがあると思われます。ましてや、現政権の総理 石破茂氏は、もともと追加利上げに積極姿勢をお持ちの方ですし。石破氏は総理就任後、「今はまだ利上げする環境にはない」と発言して柔軟な姿勢を見せているものの、逆に言えば「環境が整えば利上げする」という意味でもあります。