米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の保有株式をすべて売却しました。2008年の出資以来17年にわたる投資を完全に引き揚げた格好で、今後の投資戦略の方向性に注目が集まっています。
17年間の投資に幕
バークシャーは2008年、当時副会長だった故チャーリー・マンガー氏の提案を受け、BYDに約10%を出資しました。出資額は約2億3000万ドルで、購入株数は2億2500万株に及びます。以降、BYDはEVや電池事業を軸に急成長し、株価は当初の4香港ドル台から20倍以上に上昇しました。バークシャーは22年8月以降、段階的に売却を進め、24年6月時点で出資比率は5%を下回っていましたが、ついに全株を処分しました。
BYD広報部門の李雲飛氏は中国SNS「微博」で、「買いがあれば売りがあるのは自然なことだ」と述べ、バフェット氏とマンガー氏の17年間の支援に謝意を表明しました。
売却の背景にある3つの要因
市場関係者の間では、今回の売却には以下の要因があるとみられています。
1.中国EV市場の競争激化
中国大手自動車メーカーの業績は価格競争の影響で軒並み減益傾向にあり、BYDも増益を確保したものの成長率は鈍化しています。
2.株価の割高感
BYD株は長期的に大きな上昇を遂げており、利益確定の好機と判断した可能性があります。
3.地政学リスクの回避
米中対立や台湾有事リスクを背景に、中国企業への長期投資を縮小する姿勢が鮮明です。バークシャーは台湾積体電路製造(TSMC)株もすでに大幅に処分しています。
投資テーマは日本株へ
一方でバークシャーは、日本の大手商社株への投資を拡大しています。昨日の記事でもお伝えしたように、三井物産によれば、バークシャーの保有比率は議決権ベースで10%以上に達しました。また、それより先行して三菱商事の保有比率も10%以上になっています。バフェット氏は株主総会でも「日本での投資はまだ完了していない」と強調しており、中国リスクを避けつつ、日本市場に中長期的な成長機会を見出している姿勢がうかがえます。
市場への影響
バークシャーによる全株売却の発表を受けて、BYDの株価は香港市場で一時前日比4%安となりました。長期にわたり「バフェット銘柄」として投資家に注目されてきた同社株の全株売却は、中国EV業界の先行きや地政学的リスクを改めて意識させる材料となっています。
バークシャーによるBYD株の全株売却は、単なる利益確定にとどまらず、米中対立を背景にした投資方針転換の象徴的な動きといえます。今後の注目点は、日本商社株への長期スタンスが本当に「第2のBYD投資」になるのかどうかです。私自身、三菱商事の株主としても期待していきたいと思います。
念の為ではございますが、投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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