BJC(ビージェイシー)が、2025年10月28日に東証グロースへ新規上場(IPO)します。仮条件は1,640~1,680円と、当初想定レンジ(1,860~2,210円)から上限で約24%の下方修正となりました。ブックビルディングは10月10日~17日です。案件は売出100%(公募0株)の大型で、需給面のハードルが意識されています。
事業概要:サロン専売のヒット商材を展開
同社は理美容室・エステサロン向けの専売チャネルに強みを持ち、「SPICARE V3ファンデーション」や「Lashaddict(ラッシュアディクト)まつ毛美容液」などを展開します。製品はサロン専売の立て付けで、代理店と協働し全国のサロンに浸透させるモデルです。
販売モデルとしては、代理店産経由で全国のサロンに展開し、営業人員は抑えつつ効率的に販路を広げているようです。グループ内にOEM(他社ブランド製品の製造を受宅する会社)とか販促支援会社も持ってるのも特徴。 製品開発から製造、販売、そして導入後のサポートで一貫して自社グループ内で完結できる体制は強みと言えるでしょう。 業績も伸びており、特に2023年の10月期以降の急上昇ぶりが顕著。 2024年10月期には売上高100 億円の大台を突破して前期比で 32.5%増。 経常利益は前期比で169.9%も増えています。この成長力もIPOにおいて魅力でしょうね。
サロン向け美容商品というと、8月10日の記事でご紹介したミルボンなどが想起されますが、 BJCについて以下に考察していきましょう。
投資家として押さえるべき3つのポイント
1) 需給:売出100%×大型吸収で厳しめ
公募0株・売出(OA含む)714.9万株。当初約795万株から約10%減へ見直しが入りましたが、それでも枚数は多く、資金吸収の重さが初値形成の重しになり得ます。
主要株主には180日ロックアップがかかる一方、「既存株主の換金色」が強い“EXIT色”案件と受け止められやすく、需給の改善効果は限定的との見方が優勢です。
2) バリュエーション:仮条件下げで水準は緩和も、強い割安感までは…
仮条件引き下げで割高感は一定程度緩和。ただし、初値予想は「公募同値~公募割れ」を警戒する声が多く、強い割安ディスカウントを評価する空気感には至っていません。
3) 配当方針:配当性向50%目安、25年10月期は期末配当のみ予定
目論見書では通期配当性向50%を掲げ、2025年10月期は期末配当のみの実施方針が明記されています。上場(10/28)直後に権利付き最終日が10/29というタイミングも話題です(実施・金額は業績等により変更の可能性)。
マーケットの初期評価とスタンス
複数のIPO情報サイトでは、人気薄/公募割れリスクを示唆する評価が目立ちます。特に大型×売出中心という設計、および仮条件の大幅下方がネガティブシグナルとして映っています。
一方で、業績成長の強さやサロン専売のヒットブランド群、ロックアップの存在はポジティブ要因です。中長期では、D2C展開・海外・M&Aなどの成長ストーリー具現化が評価を押し上げるカタリストとなり得ます(目論見書開示の成長戦略)。
スケジュール
・仮条件提示:10月9日
・BB(抽選申込):10月10日~10月17日
・売出価格決定:10月20日
・購入申込:10月21日~10月24日
・上場日:10月28日
・主な幹事:SMBC日興証券(主幹事)/SBI証券(共同主幹事)。
今後の展望
短期(初値):需給面の逆風(大型・売出100%・下方修正のシグナル)を重視し、慎重に評価します。初値レンジは公募同値~公募割れシナリオを中心に想定する向きが優勢です。
中長期:製品開発から製造、販売、そして導入後のサポートで一貫して自社グループ内でできる力に価値がありますし、右肩上がりの成長をしている点にも将来性を感じます。上場後は成長戦略の実行(新チャネル/D2C、海外、M&A)と株主還元方針の継続性が信認の鍵。開示の質と継続的なガイダンスが、EXIT色の印象をどこまで払拭できるかの分岐点になりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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