「ABF」が生成AI時代の成長エンジンへ 証券各社も評価引き上げ、食品株から“AI関連銘柄”へ
7月1日の東京株式市場で、味の素株式会社(東証プライム・2802)の株価が急伸しました。一時は前日比438円(7.45%)高の6,311円まで買われ、6月22日以来となる上場来高値を更新しました。終値は6,175円となり、市場では改めて同社の電子材料事業、とりわけAIサーバー向け半導体に不可欠な「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」への期待が高まっています。
従来は食品メーカーとして知られてきた味の素ですが、生成AIブームを背景に「AI関連銘柄」としての評価が急速に高まっており、株価は3月末比で約4割上昇しています。
以下にて深堀していきましょう!!
AIサーバー需要拡大でABFの受注が想定超え
株価急騰のきっかけとなったのは、6月30日に開催された電子材料事業の説明会です。
電子材料事業を担う子会社・味の素ファインテクノは、AI向け高性能半導体需要の拡大を背景に、主力製品であるABFの需要が想定を大きく上回っていることを明らかにしました。
会社側によると、2027年3月期の電子材料事業売上高は、期初に掲げた「前期比約10%増」という計画をさらに上回るペースで推移していると説明しています。
市場では、「AIインフラ投資が続く限り、ABF需要は中長期的にも拡大する」との見方が広がり、説明会を受けて買い注文が膨らみました。
食品会社から半導体材料メーカーへ ABFが利益成長をけん引
ABFは、高性能CPUやGPU、AIアクセラレーターなど最先端半導体パッケージに使用される絶縁材料であり、生成AIの普及とともに世界的な需要が急拡大しています。
説明会では、単なる需要拡大だけではなく、新製品や高付加価値製品の投入によって利益率がさらに改善する可能性も示されました。
さらに、有機インターポーザー向け材料への展開、次世代半導体パッケージへの対応、周辺材料のラインアップ拡充など、中長期の成長戦略についても説明され、市場では「ABF単体ではなく電子材料事業全体の成長余地が広がった」と受け止められています。
食品事業が安定収益を生み出す一方、電子材料事業が利益成長をけん引する構図が一段と鮮明になってきました。
シティグループ証券「ABFは今後も主力材料」 成長継続を予想
証券会社の評価も強気です。
シティグループ証券は6月30日付のリポートで、仮に今後新しい基板技術が登場したとしても、「ABFは主要材料として引き続き使用される可能性が高い」と指摘しました。
同社は、ABFが今後も味の素の中核成長ドライバーであり続けると評価しており、株価はすでにTOPIX食品セクターを大きく上回るパフォーマンスを示しているものの、「さらなるアウトパフォームが期待できる」との見解を示しています。
AI半導体市場の拡大が続く限り、味の素の電子材料事業も長期的な成長軌道を維持するとの見方が市場で強まっています。
米系大手証券は目標株価を6,200円へ引き上げ
こうした期待を背景に、米系大手証券も投資判断を見直しました。
6月30日付で投資判断「中立」は据え置いたものの、目標株価は5,400円から6,200円へ約15%引き上げました。
一方、市場全体ではアナリスト9社によるレーティングコンセンサスが4.22と「やや強気」の水準を維持しており、目標株価コンセンサスも5,650円となっています。
今回の株価上昇により市場価格はコンセンサスを上回る水準となりましたが、AI需要拡大による業績上振れ期待から、今後さらに目標株価の引き上げが続く可能性も意識されています。
投資家が注目するのは「AIインフラ拡大」と電子材料事業の収益力
味の素は食品メーカーとして安定した収益基盤を持つ一方、AI時代の到来によって電子材料事業という新たな成長エンジンを獲得しました。
生成AIの普及に伴うデータセンター投資やAIサーバー向け半導体需要は、中長期的な成長テーマとして世界中で注目されています。その恩恵を受けるABF事業の拡大は、味の素の企業価値向上に直結する重要な要素となっています。
今後の焦点は、AI関連需要がどこまで持続するかに加え、高付加価値製品の拡販による利益率改善、さらには次世代半導体向け材料の開発がどの程度業績へ寄与するかです。
食品事業の安定性と、電子材料事業の高成長性を兼ね備えた味の素は、「食品メーカー」の枠を超えたAI関連銘柄として、今後も国内外の投資家から高い関心を集めそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Ajinomoto Shares Hit Record High on AI Chip Material Demand
TOKYO, July 1 — Ajinomoto Co. shares surged to a record high on Tuesday after the company highlighted stronger-than-expected demand for its Ajinomoto Build-up Film (ABF), a key insulating material used in advanced AI semiconductor packaging.
At a business briefing, Ajinomoto said its electronic materials business is growing faster than its initial fiscal 2027 plan, driven by robust demand from AI servers and high-performance chips. The company also sees further margin expansion through new high-value products and next-generation packaging technologies.
Citigroup maintained its positive long-term outlook, stating that ABF is expected to remain a core material even as semiconductor packaging technologies evolve, making it a key growth driver for Ajinomoto.
Separately, a major U.S. brokerage raised its target price on the stock from ¥5,400 to ¥6,200, reflecting stronger growth expectations.
Once viewed primarily as a food company, Ajinomoto is increasingly attracting global investors as an AI infrastructure beneficiary, supported by its fast-growing semiconductor materials business.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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