株式劇場

連休明けの日本株はどう動く?――日経平均7万円再挑戦を左右する米CPI・半導体決算

連休明けの日本株は、日経平均7万円の再奪回に向け、米物価と半導体決算を見極める局面です。10月9日の日経平均は6万9,030円92銭と小幅続落した一方、TOPIXは上昇し、指数だけでは市場全体の強さを判断できません。14日夜の米CPIは長期金利や為替を通じて日本株に影響し、14日のASML、15日のTSMC決算はAI需要と設備投資の持続性を探る材料になります。物価への警戒が和らぎ、半導体企業の利益見通しが強ければ上昇を支える一方、物価上振れと見通し悪化が重なれば調整圧力が強まる可能性があります。投資家は7万円突破だけでなく、受注・利益率・業績予想、市場全体への買いの広がりを確認することが重要です。
NTT

なぜ、NTTの株価は2年半ぶり高値圏まで上昇したのか? ――ドコモの値上げと業績底打ち期待が支える再評価、次の焦点は金融・AI・データセンターの収益化

NTT(9432)の株価上昇は、ドコモの料金改定による収益改善期待と、通信株の安定性への評価が重なった結果です。2026年9月18日に180円10銭をつけ、10月9日終値も172円90銭と高値圏を維持しています。9月25日の正式発表に先立ち、8月の決算説明会で値上げ検討が示されており、期待が先行しました。ドコモの4~6月期は増収増益となり、モバイル通信収入の減収幅も縮小しましたが、個人向け通信事業の営業利益は減少しており、回復は途上です。金融・決済とdポイントの連携による顧客定着に加え、AI・データセンターの成長も注目されます。今後は12月の料金改定後の顧客流出、通信収入の回復、設備投資の利益・キャッシュフローへの転換が焦点です。
次世代技術

スペースX、地上の携帯電話通信事業拡大へ!通信株はどう変わる? ――米携帯大手に競争激化の懸念、日本の通信会社には衛星連携の恩恵と新たな課題

スペースXは2026年10月8日、全米規模の800MHz帯周波数を取得する契約を締結しました。FCCの承認が必要ですが、衛星と地上網を組み合わせた携帯事業の拡大が現実味を帯び、米通信大手株は時間外取引で急落しました。既存各社には料金競争や顧客獲得費の増加が懸念される一方、設備整備と通信品質の確保には時間が必要です。日本では米国の免許をそのまま使えず、直ちに独立参入につながるわけではありません。Starlinkと提携するKDDI、NTTドコモ、ソフトバンクにはサービス強化の機会があり、楽天はAST SpaceMobileとの連携が焦点です。投資家は、衛星通信の進化が顧客維持や収益拡大に結び付くか、利用コストや設備投資も含めて見極める必要があります。
半導体関連銘柄

なぜ、ローツェの株価が急騰したのか? ――純利益98%増へ上方修正、半導体装置の受注3.2倍と増配でAI投資の恩恵を再評価

ローツェ(6323)の株価は2026年10月9日、前日比15.78%高の5,134円とストップ高で取引を終えました。前日発表した好決算と、通期業績・配当予想の上方修正が買いのきっかけです。2027年2月期の純利益予想は従来の278億900万円から377億7,900万円へ引き上げられ、前期比98.3%増を見込みます。生成AI向けの半導体設備投資拡大を背景に、6~8月期の半導体関連装置受注高は前年同期比3.2倍の約785億円に急増。年間配当予想も20円から28円へ増額しました。利益成長、受注拡大、株主還元強化が同時に評価された形です。今後は受注の売上への転換、利益率の維持、設備投資需要の持続性が焦点となり、為替や納入・検収時期の影響にも注意が必要です。
株式劇場

TOPIX構成銘柄の入れ替えで日本株はどう変わる? ――35銘柄を新規採用、683銘柄は段階的縮小へ。160兆円の連動資金が促す企業価値向上競争

JPXは2026年10月7日、TOPIXの初回定期入れ替え結果を公表しました。日本マクドナルドホールディングス、セリア、ワークマン、タイミー、GOなど35銘柄を新規採用し、基準未達の683銘柄は組み入れ比率を段階的に引き下げます。10月末の構成銘柄数は移行措置銘柄を含む1,669銘柄となる見込みで、直ちに986銘柄へ減るわけではありません。2027年10月の再評価で継続基準を満たした銘柄は縮小が停止され、それ以外は2028年7月末に除外されます。選定対象は全3市場に広がり、浮動株時価総額と流動性が重視されます。約160兆円の連動資金による需給変化とともに、企業の成長戦略や資本政策が注目されます。採用だけで株価上昇が保証されるわけではなく、業績と株価水準の見極めが重要です。
不動産株

なぜ、霞ヶ関キャピタルの株価が急騰したのか? ――増資による希薄化懸念が後退、約700億円の借入余力と営業利益410億円計画を市場が再評価

霞ヶ関キャピタルの株価は2026年10月7日、前日比9.89%高の7,780円で引け、東証プライムの値上がり率首位となりました。主因とみられるのは、決算説明会で利益の積み上げと借入を活用する成長戦略が示され、増資による株式の希薄化懸念が後退したことです。自己資本比率39.1%に対し、30%程度を目安とした追加借入余力は約700億円。2027年8月期は売上高2,200億円、営業利益410億円、最終利益240億円を計画し、配当も165円から200円へ増額する予想です。冷凍冷蔵倉庫、ホテル、ヘルスケアなどの拡大が成長を支える一方、借入余力は確約された融資枠ではありません。今後は業績計画の進捗とともに、金利負担、案件の採算、資金回収を確認することが重要です。
自動車株

なぜ、KeePer技研の株価が急騰したのか? ――全社売上12.6%増、新車向けコーティングの急拡大と悪天候後の需要回復に期待

KeePer技研の株価は2026年10月6日、11時30分時点で前日比約9.7%高の3,730円となりました。買い材料は、前日発表の9月月次速報です。全社売上は前年同月比12.6%増の約20.57億円。製品等関連事業が23.1%増となり、特に新車向け売上の53.8%増が成長をけん引しました。ディーラーでの商品訴求が実を結び始めた点も注目されます。ラボ事業は悪天候下でも3.8%増収でしたが、既存店売上は2.2%減。直営全店の来店台数が12.8%減る一方、平均単価の18.2%上昇が売上を支えました。株価には新車向け販売の拡大と天候回復後の需要持ち直しへの期待が反映されたと考えられます。今後は既存店の回復、新車向け成長の継続、増収が利益拡大につながるかが焦点です。
自動車株

なぜ、ホンダと大成建設グループはEVへの走行中無線給電を開発するのか? ――「充電のために止まる」制約を減らし、物流の電動化と次世代道路インフラの市場を切り開く

ホンダの本田技術研究所と大成建設、大成ロテックは、走行中のEVに非接触で電力を供給する道路システムの基盤技術を開発しました。物流・輸送分野での実用化を目指し、2027年度以降に館山自動車道で実証実験を予定しています。充電停車の削減や車載電池の小型化により、車両価格、重量、運行効率の改善が期待されます。ホンダにはEVの利用環境改善と送受電技術の活用、大成建設グループには道路・電源設備の整備需要を取り込む機会があります。一方、敷設・更新費用、耐久性、給電効率、他社車両との互換性、料金体系が課題です。現段階は基盤技術の開発であり、商用化や業績寄与は未確定です。投資家は実証結果に加え、具体的な整備計画や受注、利用者と設備側の双方で採算が成立するかを見極める必要があります。
column

10月4日は「投資の日」!松村沙友理が描く未来年表から考える、株式投資と資産形成の意味 ――家族旅行、子どもの留学、将来の暮らしへ。「未来を考えるCAMP」が伝える、お金の備えと日本市場の可能性

10月4日の「証券投資の日」に、日本証券業協会、日本取引所グループ、資産運用業協会が「未来を考えるCAMP」のDAY2を開催しました。松村沙友理さんは、家族での欧州旅行、子どもの留学支援、将来の農園づくりを描いた未来年表を披露。家族3人の欧州1か月旅行は約430万円、1年間の海外留学は約300万円という試算を通じ、夢に必要な資金を具体化しました。参加者も未来プランを作成し、2027年からのNISAつみたて投資枠の対象年齢拡充について学びました。投資家には、資金を使う時期と許容できるリスクを踏まえた運用が求められます。金融教育の広がりは証券会社や資産運用会社の顧客基盤拡大につながる可能性がありますが、利益への効果は実際の投資継続や収益性に左右されます。
政治と株価

なぜ、三井住友DSアセットマネジメントのファンドはフランス国債を全売却し、独・日国債へ資金シフトしたのか ――「高い利回り」より「財政への信認」、政治不安が変える世界の資金配分

三井住友DSアセットマネジメントの国部真二氏が運用するグローバル債券ファンドは、保有するフランス国債を全売却し、資金を主にドイツ国債、一部を年限の短い日本国債へ移しました。背景には、フランスの財政再建策を実行できるかという不安と、首相の進退にも関わる政治リスクがあります。上乗せ利回りの拡大は価格下落につながるため、従来の保有収益の魅力よりリスク管理を重視した判断と解釈できます。ドイツ国債は信用力と流動性、日本国債は政府の財政規律を意識した情報発信が評価されました。ただし、日本国債の購入は短い年限の一部で、日本の財政全体への全面的な信任を意味しません。株式投資家は、国債市場の不安が企業の調達コストや欧州需要へ波及する可能性を注視する必要があります。